一杯の水から、世界が見えてくる。
コップに水が入っている。
ただ、それだけ。
けれど、
「なんで?」と、いつもより少し深く覗き込むと、
世界は少し違って見えてくる。
化学のレンズで見れば、
目には見えない分子たちの世界が見えてくる。
物理のレンズで見れば、
水の中を曲がって進む光の姿が見えてくる。
地学のレンズで見れば、
雲になり、雨になり、海へと巡る地球の旅が見えてくる。
地理のレンズで見れば、
水とともに暮らす世界の人々の姿が見えてくる。
歴史のレンズで見れば、
大河のそばに生まれた町や文明の歩みが見えてくる。
生物や保健体育のレンズで見れば、
一杯の水と、私たちの命のつながりが見えてくる。
音楽のレンズで見れば、
水の量によって変わる音の響きが聞こえてくる。
美術のレンズで見れば、
光を映し、透かす、水の表情が見えてくる。
水は、何も変わっていない。
変わったのは、
世界を見る君の目。
教科は、分かれて見える。
でも、
世界は、分かれていない。
ひとつの「なんで?」から、
世界はどこまでもつながっていく。
だから、問いを持つ。
だから、学ぶ。
この世界を、
「ただの水」で終わらせないために。
