夜11時、名前も顔も知らない友達に会いに行った。ニフティのロビー
夜11時。
1日の終わり、
パソコンの前に座っていた。
富士通のFMVノートパソコン、
電話線をつなぐ。
「ピー……ガガガ……」
あの音は、
「今日もみんなに会える」
そんな合図だった。
毎晩、
夜11時になると
パソコンの前にいる。
歯を磨くのと同じくらい、
それが日常になっていた。
テレホの時間が
とても待ち遠しい。
「ニフティのロビー」
この言葉を聞いて、
「懐かしい!」
と思った人は、
きっと同じ時代を過ごしてきた
仲間ですね。
1990年代。
スマートフォンもSNSもなかった頃、
ニフティサーブの「ロビー」に
よく遊びに行っていた。
今でいう、
リアルタイムチャットのような場所。
画面の向こうにいるのは、
本名も顔も知らない人たち。
みんな、
ハンドルネームで
呼び合っていた。
「こんばんは」
「おかえり」
「まいど~」
毎晩同じ時間になると、
いつもの人たちが
やってくる。
「あ、今日はみゅうさんが来てる」
それだけで、
なんだかうれしかった。
何度も顔を出しているうちに、
いつしか「常連」と
呼ばれるようになった。
名前も年齢も知らないから、話せたこと
本名も知らない。
何歳なのかも、
どんな仕事をしているのかも、
最初はよく知らない。
だからこそ、
話せたこともあった。
仕事のこと。
家庭のこと。
恋愛のこと。
今日あった、
どうでもいいような出来事。
今思えば、
顔も知らない人に、
ずいぶんいろんなことを
話していた。
そこには確かに「友達」がいた。
そして、初めて会った
やがて、
ネットの中だけではなく、
みんなが集まる
「オフ会」に参加した。
「オフ会」というものが、
あまり知られていなかった頃。
画面の中で
毎日のように
話していた人たちと、
初めて顔を合わせる。
緊張するはずなのに、
「初めまして」という感じが
しなかった。
「ぞうさん」
「うどんちゃん」
「ハーレー君」
「ピカチュウ」
そして、
どう見ても一番若いのに、
「おっさん」。
(笑)
普通のお店で、
大人たちが真顔で
そんな名前を呼び合っている。
周りから見たら、
「この人たち、何の集まり?」
と思われていただろう。
きっとそうだ。
「思っていたイメージと全然違う!」
「やっぱり思った通り!」
そんなことを言いながら
たくさん笑った。
何年も前から知っている
友達のようだった。
あの頃のみんなは、
今どこにいるんだろう
今はInstagramやX、LINEで
誰とでも
簡単につながれる。
写真も動画も、
一瞬で送れる。
「いいね」ひとつで、
気持ちを
伝えることもできる。
便利になった。
でも、思う。
顔も知らない誰かと、
ただ言葉だけで、
あんなにゆっくり
話していた時間。
あれは、
とても
贅沢な時間だった。
ここ数日、
「書く」ことで、
人生を少しずつ
振り返っている。
そうしたら突然、
あの
「ピー……ガガガ……」
という音と、
みんなのハンドルネームを
思い出した。
あの頃、
一緒に笑っていたみんな。
今、どうしているんだろう。
人生の中では、
ほんの数年間だった。
それでも、
何十年経っても
思い出す時間がある。
顔も
本名も知らなかったのに、
忘れられない人たちがいる。
もしこの記事を
偶然見つけた人の中に、
「ニフティのロビーにいたよ」
という方がいたら、
ぜひコメントを残してください🙏
あの頃のハンドルネームで
コメントをいただけたら
とてもうれしいです。
もしかしたら、
「あっ!あなた……!」
なんてことが
起きるかもしれないから。
そして、
ニフティのロビーを
知らない方も
ぜひぜひ、
ハンドルネームを
教えてください😊
あなたにも、
「今でも忘れられない場所」
はありますか?
あの頃の誰かが、
この広い
インターネットのどこかで、
この文章を見つけてくれたら。
そんな小さな奇跡を、
ワクワクしながら
期待しています❣️
