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共存の妙・番外編|抜かれていた草が、風景になった日

花壇づくりにおいて、「うまくいかない場所」というのはどうしても出てくるものです。
何を植えても育たない、定着しない……そんなエリア。

今回は、私の庭で長らく“空白のまま”だった場所に、
いつしかそっと根付いたホタルブクロの話です。

庭の一角。イチイの木のそばにある、花壇の端っこ。
そこは、私にとって“どうしてもうまくいかない場所”でした。

これまでにいろんな植物を試してきました。
例えば、
• スイセン
• リコリス(ヒガンバナ)
• セントジョーンズワート
• 西洋カノコソウ

いずれも、丈夫で育てやすいとされている植物たち。
でも、この場所では芽が出なかったり、育っても咲かなかったり、翌年には消えてしまったり……
何年試してもうまくいかず、やがて私はその場所に手を入れないようになりました。

実際、今ではその花壇の端には球根類もほとんど植えていません。
“空けておいたスペース”。そう呼ぶのがしっくりきます。

そんな空白に、ある日ふと現れたのが──ホタルブクロでした。



最初は、どこからか種が飛んできたのだろうと思いました。
数年間は、見つけては抜いていました。
「植えていないのに咲いている」という、ある意味“侵入者”として扱っていたのです。

けれど今年は、抜かずにそのままにしてみました。

すると──

イチイの根元に、白い釣鐘のような花が咲きました。
強すぎない光と適度な湿度、他に競合する植物のいない落ち着いた環境。
まるでそこが最初から彼らの居場所だったかのような咲き方でした。

イチイの根もとに、静かに定着したホタルブクロ。
花壇の端で、何を植えてもうまくいかなかったこの場所に、自然とその居場所を見つけた。

他の花壇にも現れた「予定外の共演者たち」

こうした“予定外の植物による共存”は、私の庭では一つではありません。

🪴リナリア・パープレア

ある日、玄関近くにリナリアパープレアの芽が出ているのを見つけました。
そこは、枯れたイチイの切り株を何年も放置していた場所。
芽の存在に気づき、試しに切り株を抜いてみると──拍子抜けするほど簡単に抜けてしまいました。

枯れたイチイの足元にひっそり生えていたリナリア。まだ予定地になる前の姿。

今は、その芽をきっかけに「ここにリナリアを植えよう」と考えています。
もともと玄関前の花壇で偶然芽吹いた一本を育ててきた経験もあり、
こぼれ種から生まれた株を移植し、玄関近くにも共存の景色を増やす予定です。

玄関前の花壇にあるアネモネとリナリア。後ろには次世代の小さな株が育っている。


🌿ゲラニウム・レッドロビン

さらに意外だったのが、裏庭の灯油タンクの下に咲いたゲラニウム・レッドロビン。
日当たりも土も決して良いとは言えない場所でしたが、
そんな条件の中でも、力強く根を張り、毎年鮮やかな花を咲かせてくれるようになりました。

最初は半信半疑で見ていたけれど、
今では庭の裏手に欠かせない「予定外の存在」です。

灯油タンクの下で咲いたゲラニウム・レッドロビン(写真右上) 予想外の共存場所。真ん中のゲラニウムと宿根アスターは、一か八かで植えたもの

おわりに──「予定外」がしっくりくるとき

植えてもうまくいかなかった場所に、
植えていない植物が定着していく。

それは、ただの偶然ではなく、
庭が自然に選んだ“答え”のように感じられる瞬間であると感じました。

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