#1254 アルバム論98|grope our way / BRAHMAN(1996)
ここ最近はミッシェル縛りだったアルバム論、今回からはBRAHMANを紹介!
BRAHMAN、はじめます!
BRAHMANとは?

BRAHMAN(ブラフマン)は1995年、ヴォーカルのTOSHI-LOWと当時のギターのDAISUKEが当時所属していたバンドと、ドラムのRONZIとベースのMAKOTOが属していたバンドがそれぞれ同時期に解散した後、音楽の方向性について意気投合し結成されたバンドです。
東京を拠点に活動を始め、インディーズ時代から圧倒的なライブパフォーマンスで支持を集めました。
ジャンル的には「ハードコア・パンク」「オルタナティブ・ロック」「ポストハードコア」「民族音楽的要素」などを融合させた独自のスタイルを確立しており、日本のロックシーンにおいて唯一無二の存在感を放っています。
バンド名の「BRAHMAN」は、ヒンドゥー教やインド哲学における「宇宙の根源的原理」を意味する言葉であり、彼らの音楽性や精神性の深さを象徴しています。
バラモンとも読みますし、漢字で書くと瑪羅門という感じで、この漫画とも若干の関連性があったり、無かったりという感じです。
1998年にリリースした1stアルバム『A MAN OF THE WORLD』で一躍注目を浴び、その後もインディーズシーンを中心に活動しながら、日本武道館やアリーナクラスのライブを成功させるなど、独自の立ち位置を築いてきました。メジャーシーンに迎合せず、オルタナティブな精神を貫きつつ、多くのフォロワーを生んでいるのが特徴です。
BRAHMANの魅力

BRAHMANが長年にわたり熱狂的な支持を集めている理由はいくつかあります。
1. 圧倒的なライブパフォーマンス
BRAHMANの最大の魅力は、やはりライブパフォーマンスです。
激しいサウンドと緊張感に満ちたステージング、そしてTOSHI-LOWの強烈なシャウトとパフォーマンスは観客を圧倒します。
ライブハウスからフェス、アリーナまで、どの規模の会場でも観客と真正面からぶつかり合う姿勢を貫いており、「ライブバンドの象徴」とも言われます。
特にTOSHI-LOWは、ライブ中に観客に向かって飛び込み、会場全体を一つに巻き込むスタイルで知られています。その姿勢が観客に「同じ空間を生きている」という強烈な共感を呼ぶのです。
これまで何度もライブで見ていますが、常に全力投球!
手を抜いたライブは1回も無かったですし、毎回本当にカッコ良かったですね。
2. ハードコアと民族音楽の融合
BRAHMANの音楽は、ハードコア・パンクを基盤としながらも、アジアの民族音楽など多様な要素を取り込んでいます。
当時のインタビューで「ハイスタと同じことをやっても勝てない」みたいな感じのことを言っていて、独自の音楽性を確立したのですが、この独自のスタイルは他のバンドにはない個性を生み出しており、ジャンルの枠を超えた音楽性として高く評価されています。
その実験的かつスピリチュアルなサウンドは、単なる「激しい音楽」ではなく、深いメッセージ性や哲学的な響きを伴っています。
3. メッセージ性と社会性
TOSHI-LOWは、昔はMCでもほとんど喋らなかったTHE 硬派という感じだったんですが、東日本大震災以降は歌詞やMCで強いメッセージを発するようになりました。生命や平和、社会問題、人間の弱さや強さをテーマにした言葉は、観客の心を揺さぶります。
東日本大震災以降は特に被災地支援に積極的に関わり、チャリティ活動やドキュメンタリー映画『ブラフマン』の公開などを通じて、音楽の枠を超えた存在感を示しました。
単なるロックバンドにとどまらず、「人としてどう生きるか」を観客に問いかける姿勢こそが、BRAHMANの大きな魅力といえます。
BRAHMANと私

初めて聞いたのは高1だったので、A MAN OF THE WORLDが出て1年後くらいで、deepが出る少し前だった気がします。
もちろんカッコいいと思い、ハイスタ・ハスキンと横並びで好んで聞いていましたね。
僕の人生、常にBRAHMANフリークが中学、高校、大学にいて、高校時代に同じ寮に住んでいた相棒がかなりのBRAHMANフリークだったので、基本的にこの男にCDを借りたり、CRAVINGを見たりしていました。
初めて見たのは2001年のZEPP SAPPOROのフォーロンホープのツアーで、その次が2003年のBIG CAT、その次が2005年の京都MUSEのミドルウェイのツアー、その次が2006年の京都WORLDでやったHEIGHTのイベント、そして東京来てからはロンドンナイトのクリスマスライブ、Maximum Sound Style、TBHとの対バン、ガルニのイベント、霹靂FINAL、デビロックナイトファイナル、BAD FOOD STAFF、あとはまだレポート書いてない超克FINAL、2015年の尽未来祭、一番最近だと2024年のBAD FOOD STUFF、そして予定では11月の尽未来祭と・・・結構見てますね。
毎回カッコいいのでベストアクトは選べないですが、一番最近見たBAD FOOD STUFFはかなりカッコよかったですね。
自身がライブでやったことは無いですが、友達はよく演奏していました。
あと今思い出しましたが、一回ライブハウスで友達のバンドがライブをやった際に、時間が余ったので「BRAHMANやるから歌ってくれ」と言われて、ANSWER FOR…を歌った記憶がありました。懐かしですねえ。
grope our way とは?

そんな感じで前フリが長くなりましたが、そんなBRAHMANのインディーズ時代のデビュー・ミニアルバムが本作「grope our way」です。
俺達の道を手探りする=「手探りで進む」みたいな意味ですかね。
この作品は僕がBRAHMANに興味を持った時には廃盤になっており、かなり希少価値の高い激レアCDだったのですが、その価値を分かっていないGEOの店員が査定し、100円コーナーにこれが並んでいた時は狂喜乱舞したものでした笑
そこで買って、友達に僕より好きだった寮の友人に進呈した記憶がありますが、あげなきゃよかったですね笑
とにかく粗削りながら完成度は高く、今のBRAHMANのライブでガンガン歌う曲ばかりで、偉大なるルーツになっている作品だったりするのですが…
黒歴史のアナログ盤
そしてアナログ盤のジャケットがどう考えても酷すぎるんです笑
恐らくこの時期のメンバーは全員狂っていたのか、こち亀のエピソードであったように制作会社でアルバイトをしていた両さんがイタズラしたのか不明ですが、イメージダウン以外の何物でもない酷さです笑
メンバーも絶対消したい過去な気がしますが・・・一周してアリなんですかね?笑


grope our way 全曲解説
1. ARTMAN
このARTMANというタイトルもヒンドゥー教の用語でして、サッパリ分かりませんが下記のようなものを指すようです。
ヴェーダの宗教で使われる用語で、意識の最も深い内側にある個の根源を意味する。真我とも訳される。
元々、バンド名をBRAHMANにするかARTMANというバンド名にするか迷って、京王アートマンというショッピングモールのイメージが強いのでBRAHMANにしたとのことですが、こういうマニアックなワードを20代前半でチョイスしようとするあたりが渋いというか、この時点で独自の美意識を持っていたのが伺えますね。
で、この曲は最初の「Go!And!Stop!」でガッと盛り上がってからは、なんというかミクスチャーにもカテゴライズされるような展開で、序盤はラップっぽい感じで始まり、BRAHMANらしい民族チックなギターがカットインし、そしてサビという感じですが、この曲の時点で当時のインディーズシーンのメロコア勢とは一線を画した、独特の世界観だったりします。
特筆すべくはやはり2回目のサビが終わった間奏でしょう。
ここで当時のギターだったDAISUKEが残した間奏のギターはまさにBRAHMANの真骨頂の民族的サウンドであり、その余韻に浸ってから叩き込むラストのAメロからの展開は鳥肌モンです。
ライブではそんなにやらないですが、2回くらい聞いた気がします。
やはり得した感じはしましたが、そんな盛り上がらない気がしますね笑
2. Beyond The Mountain
この作品のベストソングですね。
当時からほぼ毎回のライブで歌われている曲で、この曲を好きだった人は非常に多かったです。
この曲は本作のgrope our way版と、causationのc/wの再録と、ETERNAL RECURRENCEの再録と3つバージョンがあり、3つとも音源が違って歌詞も違ったりするんですけど、やっぱりずっと聞いていたgrope our way版が一番聞き馴染みがありますね。
とにかく切り裂くような印象的なリフは、とにかくハードで、メロディアスで、オリエンタルな雰囲気もあり、そのハイスピードの勢いのまま叩き込むAメロのTOSHI-LOWのヴォーカルと、「Acient!」「Acient People!」のコーラスの掛け合いがまさにBRAHMANの真骨頂でカッコよく、そこから続くサビもメロディアスであり、盛り上がるべくして盛り上がるキラーチューンです。
間奏もカッコいいし、そのあとのTOSHI-LOWの「ウワーーーーー!!」の大地が震えるようなシャウトもライブで聞いたら更に迫力が増し、とにかくライブで死ぬほど盛り上がる曲ですね。
大抵コアな曲とコアな曲の間で繋ぎで演奏するので、毎回スタミナを消費してしまう曲ですね笑
3. 晴眼アルウチニ
この曲は後に発売された初期音源を再録したETERNAL RECURRENCEというアルバムにおいて、なぜかこの曲だけ再録されなかったという憂き目を浴びた曲だったんです。
純粋に人気が無いから再録されなかったのかなと思っていたんです、が!
今回調べていて初めて知ったんですが、この曲はLes Négresses Vertesというフランスのアーティストの「Zobi La Mouche」という曲の日本語カヴァーだったんですね。その絡みもあって再録しなかったのも知れませんね。
そんな感じなのでカルト的な曲だったりするんですが、例によってこの曲もかなりオリエンタルと言うか、沖縄民謡っぽい感じの日本語歌詞の曲です。
我を照らせ 我を償えという感じです。
4. The Result Of The Next
この曲も懐かしいです。
スタジオとかで練習していた休憩とかに、この曲のイントロのベースを弾くと、それを聞いたギターが「チャー、チャー」と被せてくれて、それを繰り返しているとドラムも一緒に入ってくれる、という文化が当時よくありました。みんな当たり前のようにBRAHMANを演奏できるくらい、市民権を得ていたんですね笑
もうまさにBRAHMANという感じで、このアルバムでBEYOND~と張るくらいにBPMが鬼速の曲で、静から動となったイントロで、畳みかける「LET IT GO!」「UP SIDE DOWN」のコーラス、そしてTOSHI-LOWの「トトトトトトトト!」が最高に盛り上がる、アップテンポの曲です。
ライブでは多分聞いたことが無いと思いますが、どうだったかな?
あんま覚えてないですが笑
5. The SAME
そしてこのアルバムのラストを飾る曲です。
この曲は僕の友達のBRAHMANフリークがメッチャ愛していました。
スカで始まり、途中のサビからちょっとヘヴィーなサウンドの謎の展開になる、よく分からない曲です笑
とにかくスカとオリエンタルな感じで聞いていて気持ちいいというか、退屈しない感じの曲ですね。
そして歌詞が何というか難解で、とにかく深いです。
予見し 制御せんがために 知るための 行動を 行動を彼に
予見し 制御せんがために 知るために 行動を 本心現る行動を彼に
こんな哲学的な、宗教的な歌詞をよく当時22歳だったTOSHI-LOWは書きましたね。
この曲はken yokoyamaも好きだったようで、昔のライブ映像でTOSHI-LOWが「じゃあラスト、ケンさんのリクエスト」と言ってこの曲を演奏していたのを覚えています。
そして音源では最後、謎にすげー中途半端なところで切れて終わるという笑
まとめ
そんな感じでインディーズ時代のミニアルバムながら、ほとんどの曲が今でも歌われるという感じでレベルが高く、既にバンドとして完成されている感じです。
後のETERNAL RECURRENCEの方が演奏力は高くてカッコいいんですが、やはり僕はこの時期のバージョンの方が好きですね。
以上、そんな感じでまずはインディーズ時代のミニアルバムを紹介して見ましたが、次回もインディーズ時代のミニアルバム「WAIT AND WAIT」を紹介していきましょう。
