#250: 「英語ができればグローバル」という誤解 ── アメリカの海軍プロジェクトで痛感した、スキルの前に磨くべき「中身」の話
一時期ほど「英語が話せれば人生が変わる!」といった熱狂的なキャッチコピーを見かけることは少なくなった気がします。 それでも、「グローバルに活躍するためには、英語が話せないと始まらない」という論調は、相変わらず世の中のスタンダードとして根強く残っているように感じます。
はじめまして、nobuと申します。 かつてはアメリカで研究員をしていましたが、今は富山県で平均年齢56歳のガソリンスタンドを経営し、アナログな現場のDX改革に取り組んでいます。
「世界で働くなら英語は必須」 もちろん、それは間違いではありません。けれど、かつてアメリカの大学に在籍し、海軍のプロジェクトにも関わっていた僕の経験からすると、その順番には少し誤解があるように思うのです。
今日は、僕がアメリカでの失敗と成功を通じて学んだ、「英語よりも、AIよりも、先に磨くべきこと」についてお話しさせてください。
今回のnoteを読むと、
✅ 「英語を学ばなきゃ」と強迫観念のように感じている
✅ どれだけスキルを身につけても、自信が持てない
✅ 自分の言葉が、なぜか相手に響かない気がする という方の、肩の荷が少し下りるのではないかと思います。
1. 流暢に話す彼が、誰にも相手にされなかった理由
僕がアメリカの大学にいた頃、近くの研究室に中国からの留学生がやってきました。 彼はとにかく英語が流暢でした。マシンガンのように言葉が出てくる。渡米したてで英語がおぼつかなかった僕は、「すごいなぁ、僕もあんなふうに話せたら」と、強烈な憧れと劣等感を抱いたのを覚えています。
でも、半年ほど経って、ある残酷な事実に気づいてしまいました。 ネイティブの同僚たちが、彼の話をほとんど聞いていなかったのです。
英語力が上がって彼の話が理解できるようになると、理由が分かりました。彼は「中身のない話」を、爆速で喋り続けていただけだったのです。 自分の知識をひけらかしたいのか、ただ沈黙が怖いのか。相手が求めていないことを一方的に話し続ける彼に対して、同僚たちは「また始まったよ」という顔で、ただ聞き流しているだけだったのでした。
一方で、当時の僕は英語が下手でした。 それでも、大学で学生たちに講義をする立場にありました。拙い英語でしたが、僕は必死でした。「どうすればこの物理の概念が伝わるか」「学生がつまずきやすいポイントはどこか」を考え抜き、ゆっくりと、言葉を選びながら話しました。
すると、学生たちは真剣に耳を傾けてくれました。nobuのレクチャーは分かりやすい」と評価もしてくれました。そう、彼らが求めていたのは「流暢な英語」ではなく、「課題を解決してくれる中身」だったのです。
言葉は、あくまでツールです。 自分の考えが浅ければ、何語で話そうが、その浅さは正確に伝わってしまう。 逆に、伝えたい「熱」や「論理」がしっかりしていれば、多少文法が間違っていても、相手は必ず受け取ってくれます。
以前、英語学習そのものについては以下の記事でも書きました。興味がある方はこちらも覗いてみてください。
▶︎ #115 : 海外で7年以上過ごして気づいた、語学を習得する時に大切だったこと (https://note.com/booster_nobu/n/n8da71c279a3d)
2. 「英語」を「AI」に置き換えても、同じことが起きている
この話は、現代のAIブームとも似ていると個人的には思っています。
「これからはAIの時代だ! プロンプト(指示文)を学ばなきゃ!」と焦っている人がたくさんいます。でも、ChatGPTやGeminiといった生成AIは、基本的に「チャット(対話)ツール」です。英語と同じで、コミュニケーションを介したツールです。
「AIを使って何をしたいのか?」
「AIに何を伝えて、どんな答えを引き出したいのか?」
その「問い」や「目的」を自分の中に持っていない人が、いくら高機能なAIを使っても、出てくるのは「それっぽいけれど、どこか薄っぺらい回答」だけです。 それはまるで、中身のない話を流暢に話し続ける、あの頃の彼と同じように感じます。
まとめ
英語も、AIも、「増幅器」のようなものです。 あなたの中に「0(ゼロ)」しかなければ、いくら高性能なアンプに繋いでも、出てくる音はゼロのまま。むしろ、ノイズが増幅されて相手に不快感を与えてしまうかもしれません。
もし今、あなたがスキル習得に焦っているなら、一度立ち止まってみてください。 英語を話す練習をする前に、「日本語でいいから、自分の考えを深く掘り下げる」こと。 AIのプロンプトを覚える前に、「自分が解決したい課題は何なのか」を言語化すること。
遠回りに見えるかもしれませんが、魅力的な人間(=中身のある人間)になることこそが、どんな時代、どんな場所でも通用する最強のスキルなのだと思います。
あなたは今、自分の「中身」を磨いていますか? もし「確かにそうかも」と思っていただけたら、スキやフォローで教えてもらえると嬉しいです。コメントも全て読んでいます!
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