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レティシア書房店長日誌

「私の孤独な日曜日」

 本書を発行したのは「月と文社」。「日常をもっと、味わい深く」をコンセプトに、読むことで自分と対話したくなるような本作りを目指して、2023年に立ち上がった出版社です。代表を務める藤川明日香さんは、日経BPで二十五年間雑誌作りに携わってきました。(新刊1980円)

 「休日にひとりで過ごしている人を見るのが、昔から好きでした。」そして、「そんな普通の人の日曜のひとり時間には、どんな思いや人生が隠れているのかを知りたくなり、『休日のひとり時間についてのエッセイを書いてもらう』という本書を企画しました。」と書かれています。仕事も、ライフスタイルも、家族構成も全く異なる17人が、休日の時間の過ごし方を綴っています。
 注文書が来た時、少ししか発注しませんでした。ところが、その少数の本が入荷日に即日完売し、追加分も完売、さらに追加注文したらまた完売と、何やらロングセラーになりそうな….。そこでやっと、これは読まねば!と思った次第。プロの書き手ではないのですが、どの方も素敵でした。タイトルに「孤独」と「日曜日」と続くのでさびしい話かと思いきや、それぞれ素敵な時間を過ごされています。
 46歳独身、愛犬との暮らしをする西谷さん。時々他人に「孤独」とか言われるらしいのですが、本人はそうは思っていません。「誰かと一緒にだったら尚良いけど、独りでも良いのです。日曜日に用事があったら尚良いけど、何もしなくても良いのです。『足るを知る』という言葉があるように、ただ生きているだけで十分なのです。だから私だけ、このエッセイのコンセプトを『私の幸せな日曜日』に変更し、これからも身の丈に、シンプルに生きていこうと思います。」と書いています。
 西谷さんだけでなく、ここに登場する人たちの休日には、ディズニーランドも出てこなければ、高級ブランドショップも、大きなイベントも登場しません。「月と文社」代表の藤川明日香さんは「予定のない日曜日の午後はたいてい、広めのドトールで読書をしている」そうです。
 街の本屋さんを経営する伊野尾さんは、「一人の時間」に好きな野球チーム千葉ロッテマリーンズの試合を見に行きます。「野球は『間』のスポーツである。ハーフタイムを除き90分間休むことなく動き続けるサッカーと違い、野球はピッチャーが一球一球投げる間、凡退したバッターが次のバッターに代わるまでの間、チェンジで攻守が交替する間、選手交代で生まれる間、たくさんの『間』が発生する。そうすると試合を見ている三時間から四時間くらいの間、何回も考え事に没入する時間ができる。」のだとか。そして「打たれたピッチャーや凡退したバッターのことを考えている間は、日常の由無し事が心に染み込むことがない。」
 あんまりお金を使わずに、休日の時間の流れをゆっくりと、それぞれのやり方で過ごすというのが、本書のコンセプトです。きっと、当店でこの本を買って行かれたお客様も、思い思いの休日を楽しまれているのでしょうね。

⭐️レティシア書房ギャラリー案内
7/16(水)〜27日(日)ペーパークイリング&イラスト展 山中さおり
7/30(水)〜8/17(日)「パレスチナに行ってきた話」はしもとゆか
8/27(水)〜9/7(日)「奥能登ノスタルジー」 万行紗衣写真展

⭐️入荷ご案内
佐々木ののか&しいねはるか「ほんとうは、どうしたい」(1540円)
劇団三毛猫座「優美な死骸の採集」(1500円)
川崎大介「夢のかなたの街」(1980円)
大崎清夏「湖まで」(2200円)
misaki「気づけば歩いてばかりいた」(1000円)
ひらいめぐみ「ひらめちゃん」(1980円)
佐々木里菜「ティミッドとティンブクツーのあいだ」(1210円)
中島岳志&堀部安嗣「建築と利他」(1980円)
大槻ケンジ「そして奇妙な読書だけが残った」(1870円)
日下三蔵「断捨離血風録」(2420円)
新井とみよ&黒川創「富岡多恵子の仕事」(2750円)
「てくり34号」(770円)
松永弾正「本屋の周辺4」(1100円)
エトセトラ13号「クィア・女性・コミュニティ」(1540円)
NEKKOissue4「議会」1650円
前田エマ「過去の学生」(1980円)
三砂ちづる「心の鎧の下ろし方」(2090円)
いしいしんじ「先生の庭」(1650円)
舟張真太郎「起きて、気をつけ、今から本屋を始めます」(880円)
向坂くじら「アイホーム」(2200円)
とら少「となりのとらんす少女ちゃん」(1650円)
フウ「ヨルダンの本屋に住んでみた」(1980円)
藤崎殊海「あるくくらいの速さで」(770円)


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