【第42話】ソウソウとの出会い
ゾナ17番、308号室。
私はニカに案内されて、部屋の前までたどり着いた。
ゾナ17番の入口――あの金網のゲートをくぐり、広い運動場を横切る。
そして本体の建物へ。西・中央・東と3棟に分かれたその中央棟から中へ入り、階段をのぼって3階へ。
そこから東側へ通路を進み、いくつかの扉を通り過ぎた先――そこが、308号室だった。
目に映るすべての光景が、衝撃的だった。
建物の雰囲気、そこに生活する人たち、彼らの表情、態度、全身に刻まれたタトゥー――
まさに「悪の巣窟」という言葉がしっくりくる。
こんな場所は、地球上に刑務所以外ないと確信した。
部屋の扉をくぐった瞬間、中にいた3人の男たちが動きを止めた。
まるで、新しいオモチャを観察するような目――無言のまま、じっとこちらを見ている。
私は足を止め、両手に荷物を抱えたまま、数秒間その視線にさらされた。
すると、部屋の中央で料理をしていた男が口を開いた。
「モディ、ピジョ、シーヤ?(こっち来な。腹減ってるか?)」
「キー、バトノ、ザリアン(もちろんです。とてもすいてます)」
私はそう答え、その男――ソウソウの作る食事に入れてもらった。
鉄鍋で煮込まれていたのは、いくつかの肉と野菜を混ぜたスープだった。
地下室の粗末な食事しか口にしていなかった私にとって、それはこの上なくうまい“ご馳走”だった。
食べ終わってから、彼の名前がソウソウであること、年齢は50代後半であることがわかった。
背は低めだが、身体は大きい。左目の上には三本の傷跡――それが彼の過去と気迫を物語っていた。
この部屋もまた、異様だった。
グルダニ刑務所の部屋の約5倍の広さ。だが、二段ベッドが8台あり、
住人は16人。
「16人も同じ部屋……?誰かのイビキとかどうすんねん……ちゃんと寝れるやろか……」
9ヶ月間まともに眠れなかったグルダニでの生活がよみがえり、
私は“寝床の平和”ばかりを願っていた。とにかくベットバグのいない寝床で寝たかった。
部屋の壁には、湿気と古い煙草の匂いがしみついていた。
鉄格子の窓から射し込む光は鈍く、天井には裸電球が一つだけぶら下がっている。
やがて、数人の男たちが現れた。
彼らは他の部屋の住人か?それともこの部屋の仲間か?
何もわからない。
ただ、彼らはソウソウと挨拶を交わしたあと、
円を描くように床に座りはじめた。
そして、私にも手招きでその中に入るよう促してきた。
私は迷いながらも、誘われるように、その輪の中に加わった。
それから何が始まるのかも知らずに。
続く。
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