自己資金600万円・戦略的投入計画 —『社長』になるための、最初の90日間—
ファクトリー&テラスを作る旅
サラリーマンが描く、M&Aでの事業継承。
第一部:資本金600万円の、本当の役割
自己資金600万円と融資を使って会社を買収する。
「直接買うため」のお金ではない、ということです。 この600万円の、真の役割は3つあります。
信用の証(あかし): 金融機関(日本政策金融公庫など)に対し、「私は、これだけの自己資金を投じる覚悟がある」と示す、最強の信用証明書です。これが、1,900万円の融資を引き出すための、最大のレバレッジとなります。
準備のための『弾薬』: 融資が実行される前の、M&A準備期間に必要な専門家(弁護士、会計士など)への着手金や相談料を支払うための、先行投資資金です。
未来への『種銭(たねせん)』: 新しく設立する会社の、最初の「資本金」となり、社会的な信用を確保するための、大切な元手です。
第二部:具体的な予算と投入タイミング
この600万円を、M&Aのフェーズに合わせて、どのように戦略的に投入していくかを示します。
フェーズ0.1:M&A準備期間(融資実行前 / 最初の3ヶ月)
個人資金から、先行して支出する費用です。
専門家への相談・着手金:約30万円
(弁護士、税理士、司法書士との初回相談や、M&A仲介会社への着手金など)
法人設立準備費用:約10万円
(会社の印鑑作成、定款認証の印紙代など)
その他調査費:約10万円
(現地調査のための交通費、資料購入費など)
この段階での支出合計:約50万円
フェーズ0.2:法人設立・M&A実行期間(融資実行直後 / 次の3ヶ月)
融資(1,900万円)と自己資金が合わさった、総額2,500万円のプロジェクト資金の中から、自己資金分を、以下のように正式に投入します。
株式会社の資本金として投入:300万円
新しい会社の、最初の資産となります。これは、会社の信用の礎です。
M&A諸経費・運転資金として投入:200万円
専門家への成功報酬の支払いや、買収直後の運転資金の一部に充当します。
【最重要】緊急予備資金として、個人で保持:50万円
600万円全てを会社に入れてはいけません。 万が一の事態に備え、個人の生活を守るための、最後の「砦」として、必ず手元に残します。
第三部:「社長」としての、最初の90日間
M&Aが成立し、「社長」になった、その日から始まる、最も重要な90日間の行動計画です。
最初の30日:『傾聴の月』— 仕事は、聴くこと
目標: 全従業員の「顔と名前と、夢」を覚える。
行動: 全従業員と、1対1の面談(30分〜1時間)を行います。仕事は、ビジョンを語ることではありません。「この会社で働くことの喜びは何か」「どんな不安があるか」「本当は、どんなお菓子を作ってみたいか」…ただひたすらに、彼らの声に耳を傾けます。
次の30日:『ビジョン共有の月』— 物語の主人公は、従業員
目標: 従業員を、ビジョンの「最初の熱狂的なファン」にする。
行動: 元のオーナーにも同席してもらい、全従業員に向けた「新生ファクトリー&テラス お披露目会」を開催します。そこで初めて、描く『ファクトリー&テラス』の壮大な物語を語ります。そして、「この物語の主人公は、皆さん一人ひとりです」と、彼らが新しい会社の、かけがえのない仲間であることを、心から伝えます。
最後の30日:『小さな成功の月』— 信頼を、実績に変える
目標: 従業員が「この社長は、口だけじゃない」と確信する、最初の成功体験を共に創る。
行動: 「傾聴の月」で出た従業員からの改善案(例えば、「作業台が使いにくい」「休憩室に電子レンジがほしい」など)を、一つ、即座に実行します。同時に、新しい旗艦商品の試作品第一号を、チーム全員で試食し、盛大にその完成を祝います。
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