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笑顔あふれるホーチミンで、戦争の傷跡を見た【ホーチミン2026④】

子どもの頃、私はベトナム戦争を題材にした映画を何本も見ました。

当時は戦闘シーンばかりが印象に残り、「戦争映画」として見ていた気がします。

それから何十年も経ち、50代になって初めてベトナムを訪れました。

笑顔あふれるホーチミンの街並み。

そして、戦争証跡博物館とクチトンネルを訪れたことで、子どもの頃とはまったく違う気持ちになりました。

戦争を「映画」ではなく現実として感じた

ここから、この旅で一番考えさせられる時間が始まりました。

ホーチミン滞在中、戦争証跡博物館へ向かいました。

正直なところ、「一度は見ておこう」という軽い気持ちでした。

しかし、中へ入ると、その考えはすぐに変わります。

展示されていた写真は想像以上に衝撃的でした。

もちろん、戦争が悲惨なものだということは知っています。

ですが、写真として目の前にすると、その重みはまったく違いました。

特に印象に残ったのは、子どもたちの写真です。

以前の私なら、「戦争は悲惨だな」と思って終わっていたかもしれません。

でも今は違います。

自分にも子どもがいます。

だからなのか、「もし自分の子どもだったら」と考えてしまいました。

親になった今だからこそ感じる痛みがありました。

同じ写真でも、10代と50代では、見え方はこんなにも変わるものなのだと実感しました。

クチトンネルで初めて分かったこと

次に向かったのはクチトンネルです。

実際にトンネルの中を歩いてみました。

私は身長183センチあるので、ほとんど腰を曲げたまま進むことになります。

想像していた以上に狭く、歩くだけでもかなり大変で、翌日からは筋肉痛になり、2日ほど続きました。

もちろん、私が歩いたのは観光用に整備されたトンネルです。

前の人はすいすい進んでいました。私はこのあと苦戦しました。

当時の人たちは、もっと厳しい環境の中で生活していたはずです。

数分歩いただけで大変だった私には、その過酷さを想像することしかできません。

歴史は本や映像でも学べます。

でも、その場所へ行き、自分の体で少しでも体験すると、理解の深さはまったく違うものになると感じました。

だからこそ、今のホーチミンがもっと好きになった

過去を知ったからこそ、この街がもっと好きになりました。

博物館とクチトンネルを見たあと、市内へ戻りました。

そこには、これまでと変わらないホーチミンの街があります。

笑顔で接してくれる店員さん。

カフェで楽しそうに話す若者たち。

夜になっても活気のある街並み。

数時間前に見てきた光景とのギャップに、不思議な気持ちになりました。

「あの歴史があって、今のこの街がある。」

そう思うと、ホーチミンの見え方が少し変わりました。

私はこの旅で、「ベトナムは思っていた国と全然違った」と何度も感じました。

その理由が、この日ようやく分かった気がします。

ベトナムは、過去を消した国ではありません。過去を受け止め、その上で前へ進んできた国でした。

だから人々の笑顔も、街の活気も、旅の初日よりずっと魅力的に見えました。

そしてこの日を境に、「また来たい」という気持ちはさらに大きくなりました。


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