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「つきたての白餅を頬張る子ども──お餅が繋ぐ、家族の記憶」|ことり日記|二十三話

友人が、手作りの丸餅を持ってきてくれた。

「作ったから、お裾分け」と笑顔で渡してくれた、白くてつやつやしたお餅。

そのまま食べると、ふわっとやわらかくて、優しい気持ちになる。 この時期になると、ふと、思い出す。

夫が、お餅が好きだったこと。

闘病中も「お餅食べたい」と言った。 病人には良くないと言われていたけれど、そういうのも通り越して、買いに行った。 美味しそうに食べる夫を見ながら、私は心の中で泣いていた。

好きなものを食べさせてあげたい。 でも、いつかは食べられなくなるだろう──そんな想いが過った。

冬の日の思い出。

一緒に生活する時間が短かった。 お餅も、十分に食べることはできなかった。

あの頃は、無我夢中だった。 きつくて、苦しくて、辛くて、悲しかった。

でも、時間と共に、少しずつ変わっていった。

子どもが生まれて、成長して。 いつの間にか、白餅が大好きになっていた。

つきたての白餅をそのまま頬張って、「おいしい!」と笑う。 会ったことのない父親と、同じように。

驚いた。

子供が好物だったから小学校の頃、コンパクトな餅つき機を買った。

もしかしたら、夫に食べさせてあげられなかった分、いっぱい作ろうと思ったのかもしれない。

食べたくなったら、もち米を炊いて、機械でついて、丸餅を作る。 つきたての白餅は、市販のお餅とは全然違う。 ふわっとやわらかくて、温かい。

子どもは手伝いたがって、一緒に丸める。 小さな手で、不格好な丸餅を作る。 それをそのまま食べる。

時間と共に、あの時の無我夢中が、徐々に自分への解放へと繋がっている。

この時期になると、あの頃のことを思い出す。 でも今は、「よく頑張ったね」と、自分をほめてあげたい。

友人がくれた手作りの丸餅を食べながら、そんなことを思う。

お餅にこういう想い想いがあることは、誰も知らない。

ふわっとやわらかいお餅を食べると、優しい気持ちになる。


この記事を、素敵なマガジンに加えていただきました。
読んでくださった方の優しさに触れ、胸があたたかくなりました。
本当にありがとうございます🕊️✨

clutch0105 │ 言葉に、音と色を。ひとりじゃない創作の輪🎶さんhttps://note.com/hiroxkura
🌈素敵な記事の紹介🌈 
 
ありがとうございます


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