これが、所作なんだ|ことり日記|第四十九話
その日は、前に出て、一言、話す必要がありました。
何を話そうか、考えました。
勇気をもらったこと。
これからは、勇気を与える人になりたいということ。
そんな展望を語ろうと、
覚えようと、練習しました。
でも実際は、
その場で頭に浮かんだ言葉で、話していました。
私が話している間、皆さんが、真正面から私を見ていました。
うんうん、とうなずきながら。
こんな私の話を、一生懸命に、聞いてくださっている。
そう感じました。
ああ、これが所作なんだ、と思いました。
私より、遥かに年配の方々が、です。
謙虚な気持ちになっていく自分がいました。
後になって、嬉しい連絡もありました。
私の応募がきっかけで、また新しく応募する人が続いたのだそうです。
些細なことでも、式というかたちで何かをするのは、ケジメになりますね。
思い出にも、なります。

あのときの情景は、ずいぶん年数が経った今でも、覚えています。
真正面から、うなずきながら聞いてくれた、
あの方たちの姿を。
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言葉を綴ることが、誰かの心に届く灯りになりますように。
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