同じ悲しみを抱えた人との出会い──小児科医がつないでくれた"心の支援"|ことり日記|第十五話
同じ痛みを知る人の存在が、こんなにも心を支えるとは思いませんでした。
これは、小児科医がつないでくれた小さな奇跡のような出会いの話です
市役所で働きはじめて、少し経った頃のことです。
「支援の必要な方がいる」と、小児科の先生から紹介がありました。
医師が行政や支援機関へつなぐ──
そんな仕組みを知ったのは、そのときが初めてでした。
医療と福祉がきちんと連携していることに、心から「すごいな」と感じました。
私が福祉関係の係にいたこともあり、母子担当の職員を通じて連絡が入ったように思います。
いくつもの人の手を経て、私はその方と出会いました。
その方は、妊娠中に悪性黒色腫(メラノーマ)でご主人を亡くされた方でした。
私と同じ病気、同じような年齢。
初めて会ったときのことは細かく覚えていませんが、
優しく、どこか穏やかで、話していると安心できる方でした。
まさか、こんなに近くに同じ経験をした人がいるとは思ってもみませんでした。
全く知らない土地で出産・子育てをされていると聞き、
「自立されているな」と感じたのを覚えています。
お互い、深いことは何も話しませんでした。
それでも、言葉にしなくても気持ちが分かり合えるような、不思議な安心がありました。
支援というのは、制度だけではなく「人が人をつなぐこと」で成り立つ。
そして、同じ痛みを知る人の存在が、どれほど心を支えるのか──
そのことを、あの出会いで深く感じました。
自分の人生を“ドラマのようだ”と思っていましたが、
同じようにドラマのような人生を歩む人がいる。
“同じ痛みを知る人がいる”──それだけで、心が少し軽くなったのを覚えています。
誰かのつないでくれたご縁が、心を救ってくれることがあります。
この出会いもまた、私にとって“支え合いの形”を教えてくれた大切な時間でした。
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言葉を綴ることが、誰かの心に届く灯りになりますように。
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