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「電気を消す」とは何か?意味がおかしい理由|なぜ通じるのかを解説

はじめに|「電気を消す」は本当に正しい言葉か

先日の打ち合わせで、妙に引っかかる場面がありました。

中国出身の方に「電気、消してもらえますか」と伝えたときのことです。返ってきたのは、「どうやって電気を止めるのですか?」という反応でした。ここで前提が共有されていないことに気づきました。

その場では照明のスイッチを指せば済む話です。ただ、その一瞬で思考が止まりました。あれ、これってちゃんと通じる前提で使っていい言葉なのか、と。


「電気を消す」とは何か|意味が曖昧な理由

日本語では「電気を消す」と言えば照明のことになる。「電気を消すとは何か」と考えたとき、本来の操作対象は照明や回路のはずです。ただ、冷静に見るとこの言い方はかなり乱暴です。

日常で私たちが直接操作している対象としての「電気」という単位は意識されていません。実際にやっているのは、照明を消しているのか、回路を切っているのか、電源供給を止めているのか、そのどれかです。

それを全部まとめて「電気を消す」と言っている。対象を曖昧にしたまま成立している。それでも問題なく通じる。この雑さが、そのまま許容されている。


なぜ「電気を消す」という言い方が残ったのか

ちょっと気になったので、調べてみました。
理由はシンプルで、初期の使われ方に引きずられているかららしい。(所説あるのかもしれません)

電気が家庭に入ってきたとき、用途はほぼ「明かり」でした。それまでの生活は、ろうそくや行灯、ガス灯が中心で、電気はそれを置き換える存在だった。

この段階で「電気=明かり」という対応関係が強く固定されます。結果として、電気をつける=明かりをつける、電気を消す=明かりを消す、というショートカットが成立した。

このショートカットが、そのまま言葉として残り続けている。


なぜ意味が更新されないのか|現代とのズレ

ここまではよくある話です。違和感が強いのはその先です。

今の生活は、もう照明中心ではありません。スマートフォンもPCも、空調も通信も、ほぼすべてが電気に依存しています。

それでも「電気を消す」と言えば照明のことになる。つまり、現実に合わせて言葉が更新されていないということです。最初に固定された意味を、そのまま使い続けているだけです。

しかも、それで困らない。困らないものは見直されない。


なぜ通じないのか|外国人とのズレの正体

今回のやり取りで起きたズレは、日本語が難しいからではありません。むしろ逆で、省略しすぎているから起きたものです。

「電気を消す」は、本来なら「照明の電気を消す」という意味です。実際には、「照明」という対象は落ちて、「電気」だけが残っている。

この状態でも、日本語の環境では通じてしまう。つまり、前提が共有されているからです。

一方で、その前提がない場合、「電気そのものを止める」という意味に見える。そちらの方が言葉としては自然です。

今回の反応は、そのズレがそのまま表に出ただけです。


なぜ曖昧な言葉は修正されないのか

ここが一番気になるポイントです。

こういう曖昧な言葉は、本来ならどこかで分解されるはずです。それでも残り続けるのは、「通じてしまうから」です。通じるものは疑われない。疑われないものは分解されない。そのまま固定される。

結果として、「正確ではないけど困らない言葉」が積み上がっていく。

今回の「電気を消す」も、その一つに過ぎません。


まとめ|「電気を消す」が成立する前提

「電気を消す」という言葉を否定したいわけではありません。日常では十分に機能しているし、これからも使われ続けると思います。

ただ、この言葉が成立している前提を分解すると、かなり曖昧な構造の上に乗っていることが見えてきます。

今回の違和感はたまたま表に出ただけで、同じ構造のまま見過ごされている言葉は、まだかなり残っているはずです。普段は気づかないだけで、条件が変わった瞬間に表に出てくる。今回のように。



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