「ちょっとそこまで」が命取り!離れるときのルール/第151条の11【労働安全衛生規則・第151条シリーズ】
今回の条文
第151条の11(運転位置から離れる場合の措置)
事業者は、車両系荷役運搬機械等の運転者が運転位置から離れるときは、当該運転者に次の措置を講じさせなければならない。ただし、走行のための運転位置と作業装置の運転のための運転位置が異なる貨物自動車を運転する場合であつて、労働者が作業装置の運転のための運転位置において作業装置を運転し、又は運転しようとしている場合は、この限りでない。
一 フォーク、ショベル等の荷役装置(テールゲートリフターを除く。)を最低降下位置に置くこと。
二 原動機を止め、かつ、停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の車両系荷役運搬機械等の逸走を防止する措置を講ずること。
2 前項の運転者は、車両系荷役運搬機械等の運転位置から離れるときは、同項各号に掲げる措置を講じなければならない。
3 事業者は、第一項ただし書の場合において、貨物自動車の停止の状態を保持するためのブレーキを確実にかける等の貨物自動車の逸走を防止する措置を講じさせなければならない。
4 貨物自動車の運転者は、第一項ただし書の場合において、前項の措置を講じなければならない。
(出典:労働安全衛生規則 第151条の11)
今回のルール、ひとことで言うと?
「その場を離れるときは、フォークを下げて・エンジンを切って・ブレーキをかける。この3つを必ずやること!」
📋 離れるときにやること、3ステップ
① フォークやショベルを一番下まで下げる → 上がったままにしない。必ず最低降下位置に置くこと
② エンジンを止める → アイドリングのまま離れるのはNG。原動機(エンジン)をしっかり切る
③ ブレーキを確実にかける → 車が勝手に動き出す「逸走(いっそう)」を防ぐため。サイドブレーキ・パーキングブレーキをしっかりかける
この3つは事業者がやらせる義務であり、運転者本人にもやる義務があります。 つまり、会社も作業者も両方に責任があるルールです。
🤔 豆知識 「逸走」って何?
条文に出てくる「逸走(いっそう)」——聞きなれない言葉ですよね。
👉 **かんたんに言うと「車が勝手に動き出すこと」**です。
子どもに説明するなら? 👉「自転車を止めるとき、スタンドを立てないと坂道で勝手に走り出すよね。フォークリフトも同じ!」
ブレーキをかけ忘れて離れた一瞬に、フォークリフトがゆっくり動き出して壁にぶつかる・人に当たる——実際に起きている事故です。
🚛 例外:貨物自動車の「2つの運転席」問題
ここが今回のちょっとむずかしいポイントです。
貨物自動車(トラック)の中には——
走るための運転席(キャブ・前の席)
荷を上げ下ろしするための操作席(荷台のリフターなど)
この2つの運転位置がある車両があります。
たとえば、荷台のリフター(昇降装置)を操作するために、運転者がキャブ(前の席)を離れて荷台の操作パネルに移動するケース。
この場合は——
「フォークを下げる・エンジンを切る」の義務は適用されません。
なぜなら、まだ作業中だからです。エンジンを切ったら荷の昇降ができません。
ただし!
「ブレーキをかけて逸走を防ぐ」は例外なくやること!
車が動き出したら、荷台で作業している人が大ケガをします。これだけは絶対に外せません。
現場でよくある事故のパターン
フォークリフトで荷を運び、「すぐ戻るから」とフォークを上げたまま・エンジンをかけたまま離れた。 少し傾いた床でゆっくり動き出したフォークリフトが、近くにいた作業者に接触——。
「3つの手順を守っていれば」防げた事故です。
「すぐ戻る」は関係ありません。
離れるなら、必ず3ステップ。
✅ まとめ
フォーク・ショベルを下げたか? → 最低降下位置に置くこと
エンジンを切ったか? → アイドリングのまま離れるのはNG
ブレーキをかけたか? → 逸走(勝手に動き出す)を防ぐため必須。例外なし
貨物自動車で2つの運転席がある場合は? → フォークを下げる・エンジンを切るは不要でも、ブレーキだけは必ずかける
【参考・出典】 ・労働安全衛生規則 第151条の11
次回は**第151条の12「移送」**です。
車両系荷役運搬機械等をトラックに積んで移動するときのルール、一緒に見ていきましょう。
今日も安全第一で!またお会いしましょう。
