荷崩れ・落下を防げ!積み方にもルールがある/第151条の10【労働安全衛生規則・第151条シリーズ
今回の条文
第151条の10(荷の積載)
事業者は、車両系荷役運搬機械等に荷を積載するときは、次に定めるところによらなければならない。
一 偏荷重が生じないように積載すること。
(出典:労働安全衛生規則 第151条の10)
二 不整地運搬車、構内運搬車又は貨物自動車にあつては、荷崩れ又は荷の落下による労働者の危険を防止するため、荷にロープ又はシートを掛ける等必要な措置を講ずること。
(出典:労働安全衛生規則 第151条の10)
今回のルール、ひとことで言うと?
「荷物は偏らないように積む。崩れないようにロープやシートで固定する。」
それだけです。でも、これを守らないと大事故につながります。一緒に確認しましょう!
📦 まず「偏荷重」って何?
むずかしい言葉が出てきました。
偏荷重(へんかじゅう)——現場ではあまり聞かない言葉ですよね。
👉 **かんたんに言うと「荷物の重さが片側に偏っている状態」**のことです。
たとえばこんな積み方、していませんか?
荷台の右側にばかり重い荷物を積む
前の方にだけ荷物が集まっている
これが「偏荷重」です。
子どもに説明するなら? 👉「荷物をぜんぶ左手だけに持ったら、歩きにくいし転びやすいよね。フォークリフトも同じ!」
⚠️ 偏荷重があると何が起きる?
車体が傾いて転倒しやすくなる
フォークの爪が曲がったり壊れたりする
荷物が崩れて落ちる
どれも大ケガや死亡事故につながります。
積む前に必ず確認——「左右・前後、均等に積めているか?」
🚛 ロープやシートが必要な車両は?
ロープやシートで荷を固定しなければいけない車両が決まっています。
① 不整地運搬車 → 工事現場など悪い道で使う運搬車
② 構内運搬車 → 工場・倉庫の中を走る小さな運搬車
③ 貨物自動車 → トラックなど
これらは走っているとき荷が動きやすいので、ロープやシートで固定することが義務です。
ロープでもシートでも、それ以外の方法でも OK。 「荷が崩れない・落ちない」ようにできていればいいのです。
🤔 フォークリフトはロープなしでいいの?
「あれ?フォークリフトはロープ・シートの対象に入っていないぞ?」
気づいた方、鋭いです!
答えはシンプル。第151条の10第2号の対象車両に、フォークリフトが含まれていないからです。
なぜ含まれていないのか?理由も知っておきましょう。
フォークリフトは爪で荷を下から支える構造のため、ロープで縛ることが逆に危なくなる場合があります。また積んで・運んで・降ろす、の繰り返しが多いので、そのたびにロープを掛け外しするのは現実的ではありません。
ただし!
フォークリフトでも「偏荷重なく積む(第1号)」は絶対守ること!
落下防止は作業計画や別のルールの中でしっかり対処しましょう。
現場でよくある事故のパターン
構内運搬車に荷物を積んで、工場の通路を走っていた。 カーブで荷が崩れ、歩いていた同僚に直撃——。
「走り出す前にロープを1本かけていれば」防げた事故です。
ロープをかけるのは1分もかかりません。
そのたった1分が、大きな事故を防ぎます。
✅ まとめ
偏荷重になっていないか? → 積む前に左右・前後が均等かを確認
ロープ・シートをかけたか? → 不整地運搬車・構内運搬車・貨物自動車は必須
フォークリフトは? → 条文上は第2号の対象外。ただし偏荷重ゼロは絶対
【参考・出典】 ・労働安全衛生規則 第151条の10 ・昭和53年2月10日 基発第78号(厚生労働省)
次回は**第151条の11「運転位置の離脱の禁止」**です。
「ちょっとそこまで」が命取りになる理由、一緒に見ていきましょう。
今日も安全第一で!またお会いしましょう。
