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ねこま先生の日本昔話研究            「しっぽの釣り」編




こんばんは!🐯


日本の昔話を研究して
もうすぐ50年!



日本昔話研究家・ねこま先生です。




アナタは、日本昔話は好きかな?
同じ昔話だけど、地方によって、
お話が違うことがあるんだけど

そういう経験ってあるかな?



大好評をいただいたので、
今夜も、同じ昔話だけど、
地方によって異なる内容

ご紹介していこうと思います。



このシリーズは、
以下の本を、引用と参考にさせていただいております。
なお、古い本なので、現在では無い・変更された
地名もありますが、ご了承くださいね。










『日本昔話大成 第1巻 動物昔話 (1979)』

              関敬吾(著)








さて今回選ぶ昔話は、
タイトルにもありますが、




(金の星社  『しっぽのつり』 いもとようこ 絵・文  より)





『しっぽの釣り』





西洋の昔話にも、同じようなのがあり、
有名なので、アナタもご存知かと思いますが、
知らないアナタのために、
前回のように、定型を参考にさせていただいている本より、
ご紹介したいと思います。





(青森県 西津軽郡 ) <定型>



―― むかしむかし、サルとカワウソが棲(す)んでいました。
カワウソが毎日、魚を獲って食べているのを見て、
サルは、うらやましくて、うらやましくてたまりませんでした。


ある日、サルはカワウソに聞きました。



サル

「カワウソさん、どうすれば、
 キミのように、毎日、魚が獲れるんだい?」



カワウソは、真面目な顔をして答えました。



カワウソ


「あの川に氷が張った時に、
 しっぽが入るくらいの穴を開けて、
 

 そこに、しっぽをたらしておけば、
 勝手に魚が食いついてくるんだよ。
 その時に、しっぽを引っ張り上げれば、
 何匹でも魚が釣れるんだよ。

 
 サルさん、キミもやってごらんよ。(フフフ。)」




サルは、いいことを聞いたと喜んで、
早速、氷の張っている川に行きますと、
しっぽが入るくらいの穴を開けて、
カワウソにいわれた通りに、
しっぽをだらんっと、氷の中の、冷たい川の中に入れました。




”ポチャッ!”



―― しばらく待ちますと、
釣り竿のように、しっぽがグイグイと
氷の中から引っ張られます。



”バシャッ!”



サル

「やったぁ!1匹釣れたぞ~~~!」



サルは、1匹釣れたので大変喜びました。
ならば、もっと釣れると思って、
再び、尾を冷たい氷の中に入れます。



”ポチャッ!”



サル


「おおっ!きたきた!
 2匹・・・3匹・・・4匹、
 面白いように、食いついてくるぞー!
 うひひひ、こりゃ面白いなあ!」



あらあら、おサルさん。
そんなに欲張っていいんでしょうかねえ?



―― さあ、そろそろ釣り上げようかと思い、
サルは、氷の中のしっぽを引き上げようと
力を入れますが・・・



サル


「なんだ!?

 しっぽが凍ってるじゃないか!

 こりゃ大変だ!なんとかしないと!」



なんと、しっぽは氷の中で
凍っていたのです。


もう魚が何匹食らいついてるとか、
そんなことをいってる場合では
なくなりました。



サルは、何度も力を入れて引き上げようとしますが、
凍ったしっぽは、ビクともしません。



力を入れて、「ウン、ウン」いいながら、
顔を真っ赤にして、あらん限りの力で、
しっぽを強引に引き上げようとした時・・・





”ブチッ!”




大きな音がしたと思ったら、
サルのしっぽは、
根元からぶっつり切れてしまいました。



この時から ―― 
サルの顔は、驚きと悔しさで、
真っ赤になって、
しっぽが短くなったそうです。







(長崎県 下県郡 )



―― カッパとサルが、ケンカをしました。
カッパは負けてしまい、仕返しをする機会を狙います。



カッパは、サルを食事に招き、魚をごちそうします。
サルは、魚をどうやって獲るのか聞きます。



カッパ


「サルさん、寒い晩に水の中にしっぽを入れておくと、
 魚がかかるから、やってみるといいよ。(フフフ。)」



”ブチッ!”



サルは、教わった通りにすると、
しっぽは根元から切れてしまいました。
さらに、木に顔をぶつけたので、
それ以来、サルの顔は赤くなったそうです。






(高知県 高岡郡 )



―― ある日、キツネはタヌキ
魚を獲っている場面に出くわします。



キツネは、タヌキに魚の獲り方を聞いて、
池の中に、自分のしっぽをたらします。



キツネのしっぽは、凍ってしまいます。
そこへ、ウサギが通りかかります。



キツネは、これまでの事情を話します。
すると、ウサギは自分のしっぽを出し、
キツネはこれを握り、
引っ張ってもらうことに・・・



”ブチッ!”




助けようとした心優しいウサギのしっぽは、
この時に切れてしまい、今のように短くなったそうです。




※同じ高岡郡の別のお話では、タヌキに騙されたウサギが
 しっぽを凍らせてしまい、無理に引っ張って短くなった、

 というお話もありました。






( 島根県 松江市 )



―― むかし、驚くべきことに、
サルのしっぽは、50メートルから60メートルも長さがありました。



クマに騙されて冬の日に、しっぽで魚釣りをしていたら、
凍って切れてしまって、今のように短くなったそうです。





(大阪府 和泉市 )



―― タヌキが真冬に池の中に入って
首だけ出していました。


そこへ、キツネが通りがかります。
タヌキは、キツネにこのようにいいました。



タヌキ

「キツネさん、こうやってるとね。
 いいことがあるから、やってごらんよ。(フフフ。)」



いいことがあると聞いたら、
キツネは、もちろん、同じことをやるしかありません。



タヌキ

「キツネさん。いいことがこれからあるから、
 キミが、ひとり占めしていいからね。


 ―― ボクは、もう行くけど、
 いいことがあるまで、そのままずっと入ってるんだよ。
 一度でも池から出ちゃうと、いいことが起きないからね。」



キツネは、素直にいわれた通り、
真冬の池の中に、ずっと入っていました。



そのうちに、池の水は凍ってしまいます。
出していた首は、氷で絞めつけられて・・・




―― 死んでしまいましとさ・・・




※ この項目が始まってから、
 最初の死者が出てしまいました。



 あまりにも素直なキツネさん、ボクたちはキミのことを忘れないよ ――







(富山県 上新川郡 )#石川県でも同じヴァージョンあり。



―― キツネが、カワウソに
寒い夜に池の中にしっぽをたらして魚を釣ることを教わります。



キツネが、その通りにしていますと、
池は凍ってしまい、しっぽが引き上げられなくなります。



―― そこに、お百姓さん来て見つけます。



キツネは、慌ててしっぽを切り、逃げて行きました。




※ 初めて人間が出るヴァージョンを、
 富山県、石川県のお話で見つけました。






(福島県 南会津郡 )



―― ある日、カワウソが魚を焼いていました。
そこへ、キツネが遊びに来て、
聞かなくてもいいのに、魚獲りの方法を聞いてしまいます。


あとは同じパターンで、
池の水が凍ってしまい、しっぽが引き上げられなくなります。


ここからが、今までにないパターンです。


しっぽが凍って困っているところへ、
近所のこどもたちがやってきます。



キツネは、「面白いことするから助けて!」と叫びます。
そういうと、次のように歌いながら踊って助けを乞います。



キツネの歌


「すっぺてすっぺて、すっぺっぽ♪

 
 かんこつ、くすいの、くつわろじ♪ 」



※しっぽに魚がたくさん食いついたのを喜んで歌った、
 大漁の歌だと伝えられています。




子どもたち


「―― つ・ま・ん・な・い」




確かにつまらない。😅
でも、大漁の歌ですから、
そこは、許してあげましょうよ・・・



何時代なのかわかりませんが、
昔の子どもは、「笑い」に厳しかったようです。



キツネさんは、子どもたちに、




―― 殺されてしまいましたとさ・・・







『しっぽ釣り』の項目の最後に、



(人とキツネ)


という項目がありました。
2ページの分量ですが、
いくつか紹介して
『しっぽの釣り』は、終わりにします。





(大分県 大野郡 )



とんちで有名な、地元大分のヒーロー、
「吉四六(きっちょむ)さん」が登場します。



吉四六さんが、キツネを欺(あざむ)いて、
しっぽで釣りをさせます。



キツネは、しっぽが凍って困っているところへ、
吉四六さんが犬を連れてやって来ます。



慌てたキツネは、しっぽを切って逃げて行きました。



―― これには後日談があります。



怒ったキツネは、
吉四六さんの畑を荒らして、
仕返しをするという珍しいパターンで終わります。




(熊本県 球磨郡 )


―― 寺の小僧さんが和尚さんを迎えに行った際、
キツネにからかわれます。



このことがいけなかったのか、
小僧さんは、鯉(コイ)を
釣ることが禁じられている池で、
仕返しのためにウソをいって、
キツネにしっぽで釣るよう仕向けます。



キツネは仲間をたくさん連れて、
池でしっぽをたらして釣りをしました。



お馴染みとなりましたが、
キツネたちは、しっぽが凍ってしまい、動けなくなりました。



ここからが、このお話が他と違うところです。




―― なんと!小僧さんは、
しっぽが凍って動けないキツネたちを、
次々と殺し始めました。



殺したキツネたちの皮をはいで、
「疫病除け(やくびょうよけ)」
として売って、大儲けしたそうです。




※熊本の小僧さん、
 殺生は禁じられてないんでしょうか・・・




広島県 高田郡や、山形県 飽海郡でも、
小僧さんが、キツネたちを棒で叩き殺しています。




福島県 いわき市では、同様のパターンですが、
小僧さんは、棒で叩くだけで終わります。





また、高知県 幡多郡では、
似たパターンですが、小僧さんじゃなくて、
爺さんになっております。



同じ様に、しっぽが凍って動けないキツネたちを、
次々に殺して行きますが、一匹だけ助けます。
その助けたキツネの助言で、
殺したキツネの皮をはいで売り、大儲けしたそうです。




自分の仲間の皮をはいで売れって・・・😱




青森県 八戸市では、釣り人で、
皮はぎはないですが、キツネが打ち殺されています。









引用と参考にしています本ですと、
このあと、『カワウソとキツネ』という項目になります。
先ほどまでご紹介していた、『しっぽの釣り』と、
キツネに変わるだけで、内容については、ほぼ同じですので、
派生のヴァージョンのみ
、ご紹介して終わりにします。






( 鳥取県 東伯郡 )



―― キツネとカワウソが、互いにごちそうをします。
最初に、カワウソがキツネに魚をごちそうします。



後日、カワウソがキツネの家に呼ばれて行きますと、
キツネは上を向いて寝ていて、



キツネ

「天の神様に引きずられて動けない。」


などと、ウソをつきます。



翌日にまた呼ばれて行きますと・・・
今度は、下を向いて寝ていて、
前日と同じようにウソをつきました。



キツネ

「地の神様に引きずられて動けない」




自分はごちそうしたのに、
キツネの態度が許せないカワウソは、



カワウソ


「キツネさん、夜、川の土手から
 しっぽをたらしていると、
 魚が獲れるよ。やってごらん。(フフフ。)」



キツネは寒い夜にその通りにしていると、
しっぽが凍りついて抜けなくなります。



夜が明けて、朝になりますと、
人間に鉄砲で撃たれて殺されてしまいます。



ウソをついた罰だと、
本には記述してありました・・・



長野県 小県郡では、
 キツネではなく、サルでした。



この項の派生ヴァージョンの、
話の内容は似たようなものです。



結末が、以下の2種類に分かれます。
(ご紹介した地方以外。県名のみ。)




A「人間に撃たれる、殺される」

和歌山県、新潟県、福島県、山形県(キツネ汁にされる)、


宮城県(生け捕り)、 岩手県、青森県、



B『水中に引きずり込まれて死ぬ』


長崎県、福井県(タコに引きずり込まれる)、



最後に、特異な例をひとつ、
ご紹介させていただき、
今回は、終わりにしたいと思います。



新潟県 見附市のお話では、
キツネとカワウソで、
交互にごちそうして、
カワウソが、キツネに呼ばれると寝てる。



繰り返しやられますが、
見附市のカワウソは、少し違います。




カワウソ

「―― わかった!
 キツネさん、
 魚が獲れないんだろう?

 なーんだ、そういうことか。」




カワウソは、キツネがこんなことをするのは、
魚が獲れないからだと思ったので、
結局は同じなんですが、
寒い晩の川に、しっぽを入れて釣る方法を教えます。



そして、こちらも結末は同じです。
キツネは、しっぽが凍ってしまい、動けなくなってしまいます。
しかし、ここからが、他の地方と違います。



キツネは、必死で凍ったしっぽを引っ張りながら、
大声で泣いて、次のように叫びました。



キツネ

「―― もう!コイもフナもいらないから、
 どうか許しておくれ~~~!」



その時です!



”スルッ!”



なんと、凍っていて、動かなかったしっぽが、
スルッ!と抜けたのです。




―― キツネは、うれしそうに帰って行きましたとさ。



しっぽを切るか、殺されるか。
この2択しかなかったパターンに、
しっぽが抜けて助かるという、
見附市の特異な例をご紹介したところで、
今回は、ここまでとなります。




『しっぽの釣り』



いかがだったでしょうか?



アナタのお住まいの地方にしかない、
地方色豊かな昔話がありましたら、
ぜひ、記事にして教えてくださいね。




同じ昔話でも、地方が異なると、
その背後にある、地域の特色や文化、風習など、
そういったものの影響を受けて、
お話が変化していくのは、面白い現象ですね。



また機会がありましたら、
違う日本の昔話で
やってみたいなと思います。




それでは、最後までお読みいただき
ありがとうございました。




―― さようなら!🐯








お し ま い







※ この話は、『日本昔話大成 第1巻 動物昔話(1979)』 
  角川書店  関 敬吾(著)  

  24ページから49ページ 「尻尾の釣り」「川獺と狐」より、
  引用&参考にさせていただきました。感謝します。








この投稿で、7日連続投稿となります。
毎晩、ボクの記事が投稿され、
たまにしか投稿しないのに、連日驚かれたことかと思います。
そして、連日、お楽しみいただけたなら幸いです。



プロレスでも、若手から上がる時にには、
「炎の七番勝負」と昔は、よくやっていたものです。
ボクも、物書きとして、ひとつ上に上がるために、
「炎の七番勝負」に、勝手にチャレンジしていました。😂




何でこんなことを始めたのかといいますと、
noteで仲良くさせていただいてる方が、
いろいろとありまして、最近、元気がなかったのですが、


「また、元気になって投稿して欲しいな。」



という想いから、勝手に始めました。
ステキな文章を書かれる方なんですよね。
ボクの作品をお読みくださっている方はご承知だと思いますが、
なにぶん、不器用な男ですので、
このような形でしか、応援することができません。



幸い、少しお元気になられたようなので、よかったです。
振替休日だから、もしかしたら明日も書くかもしれませんが、
通常の気まぐれ投稿に戻りますので、またよろしくお願いします。




連日にわたり、勝手な「炎の七番勝負」に、
お付き合いくださいまして、
コメントまで、たくさんいただきまして、
みなさん、本当にありがとうございます。
🙇




・少し元気になってくれた”あなた”へ 🐈



連日、お読みくださり、
ありがとうございました。


こんなことぐらいしかできませんが、
少し元気になられたようで、本当によかったですね!



明るい文章になって来てるようで安心しました。
たくさん笑って、たくさん元気になってくださいね。



いつも、しあわせになれる人と付き合って、
いつも、しあわせになれる場所を選んでください。



あなたのステキな記事を読みたい方が、
たくさんおられます。



あなたのステキなコメント欄に、
コメントしたいなという方が、
たくさん、たくさんおられます。



どうか、大切にすべき人、
大切にすべき場所を、
見誤らないでください。



人間ってさ、4~5人くらい集まると、
「社会」って、できちゃうんだよね。
ネットでも、noteでもそう。



みんなさ、現実の「社会」がイヤで、
楽しみたくてネットや、noteに来てるんだから、
noteまで来て、「社会」に苦しむことないんじゃないかな。




―― おっと! お説教臭くなってきたので、
この辺で終わりにしますね。😅



気がつけば、もうすぐカレンダーも
最後の1枚ですね。



ダメなボクなんかと違って、
師走の12月は、お仕事がとても忙しいんじゃないかなと思います。



どうか、お体とお心を大切になさってくださいね。
世界中の誰よりも、しあわせでお元気でいらしてください。



また、あなたのステキな記事で、
いろいろと教えてもらえる日を
楽しみにしております。



いつも仲良くしていただき、
本当にありがとうございます。




―― それでは、さようなら!🐯









今年のクリスマスもひとりです!😂😂😂   E N D






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