ねこま先生の日本昔話研究 「絵姿女房」編
こんばんは!🐯
日本の昔話を研究して50年!
日本昔話研究家・ねこま先生です。
アナタは、日本昔話は好きかな?
同じ昔話だけど、地方によって、
お話が違うことがあるんだけど、
そういう経験ってあるかな?
大好評をいただいたので、
今夜も、同じ昔話だけど、
地方によって異なる内容を
ご紹介していこうと思います。
このシリーズは、
以下の本を、引用と参考にさせていただいております。
なお、古い本なので、現在では無い・変更された
地名もありますが、ご了承くださいね。
※タイトル表記は、本に従って漢字ですが、
本編が始まって以降は、動物の名前は
漢字で使う時もあるかもしれませんが、
なるべくカタカナ表記にしたいと思います。
『日本昔話大成 第2巻 本格昔話1 (1978)』
角川書店 関敬吾(著)
中高年のお父さんのアナタ!
夜中にトイレで起こされることあるでしょ?
「ああ~またか・・・」
なんていいつつ、
隣をふっと何気なく見ると、
鬼のような形相で、
何か苦しんでるように、
バイクの轟音(ごうおん)みたいな
大きな音のいびきをかいてる奥さんが寝ています。
中高年くらいになりますと、
奥さんを”女房(にょうぼう)”
なんて呼んでるかもしれないですね。
お父さんのアナタは、
ふと、そんな女房の顔を見てつぶやきます・・・
「はぁ~・・・
オレの女房、こいつでよかったんかな・・・
―― あの時、あの娘を選んでおけば・・・
オレの結婚失敗したかな~・・・😩」
そんなことを思いつつ、
漏れては大変と、
冬の冷たい廊下をトイレまで急ぎます・・・
しかし!お父さんのアナタ!
思い出してください。
新婚の頃を!
鬼のような形相に
なってしまった古女房も、
あの頃は、ピチピチとした
まるで若鮎のような女房でしたよね?
仕事なんか行かないで、
ず~~~っと、この女房といたい!
そう思って、若い女房を
困らせたんじゃあないでしょうか?
お父さんのアナタ!
今夜は、あの頃の気持ちに帰って、
これからご紹介します
むかし話を、お読みくださいね。
今夜はこんなむかし話です。
メジャーなお話で
恐らくご存知かと思います。
こちらになっております。
―― 今夜はメジャーなので、
派生ヴァージョンのみ、ご紹介します。
では、早速・・・
―― えっ?
そういうお前はどうなんだって?
ボクは~~~・・・
絵姿でもいいから
美人の女房が欲しい!🤣🤣🤣
早速、行ってみましょう!
(広島県 高田郡 )
まあまあ、寒いところ
よくお越しくださいました。
ささっ、早く中に入って、
囲炉裏のそばで温まってください。
今日も、むかし話を聞きに来たんですか?
まあまあ、アナタもお好きですねえ。
じゃあ、今日は、
こんなむかし話を・・・
むかし、この地域に、
おバカな息子がおりました。
いい年になっても
おバカなので、
父親が心配して、
きれいな嫁さんをもらいました。
きれいな嫁さんでも
もらえば、少しは真面目に働くかと
思ったのですが、
―― しかし、これがいけなかった。
おバカな息子は、
きれいな嫁さんばかり一日中見て、
何もしない毎日を過ごしていました。
これはいかんと思ったのか、
父親は、絵の心得があったので、
上手にきれいな嫁さんの絵を描きます。
「これを持って畑仕事に行きなさい。」
といわれた、おバカな息子は、
これを畑に立てて、ながめながら
なんとか畑仕事をするようになりました。
”ビュウウウウ~~~!”
ある日、畑仕事の最中に、
強い風が吹きました。
強い風は、おバカな息子の
きれいな嫁の絵を、
どこかに連れ去ってしまいました。
強い風がさらっていた、
おバカな息子のきれいな嫁を
描いた絵が落ちたのは、
この地域を治めている、
殿様の庭先でした。
「こんな美人がおるのか!
すぐに探し出せ!」
この絵を拾ったのが殿様でした。
殿様は、きれいな女性が大変好きで、
すぐに探し出すように命令をしました。
家来たちは、おバカな息子の嫁だとわかり、
殿様の命令に従って、無理やり連れて行きました。
「一週間ごとに、花を売りにきてください。」
おバカな息子に、きれいな嫁は、
連れて行かれる時に、こういい残しました。
殿様のところに連れて行かれた嫁ですが、
何もいわず、笑いもしませんでした。
ただ、おバカな息子が一週間に一度、
花を売りに来た時だけ、機嫌が良くなり、
殿様に話をしたり、笑ったりしました。
しかし、おバカな息子が帰った後は、
いつもの無口で、笑わない嫁に戻ってしまいました。
そんなことを繰り返してるうちに、
殿様は、自分も花売りの恰好をすれば
きれいな嫁が笑ってくれるかもしれないと思い ――
おバカな息子が花売りに来た時に、
自分の着ている着物と交換して、
花売りをやらせてくれといいました。
おバカな息子が殿様になり、
殿様が、花売りとなって
城の中に入りました。
おバカな息子が殿様の席に座り、
隣には、きれいな嫁が座っています。
目の前では、花売りになった殿様が、
一生懸命、きれいな嫁を笑わせようと
花売りになりきって演じています。
「まあ、楽しい。オホホホ・・・」
なんて、きれいな嫁さんが
上機嫌で笑っているものですから、
殿様もうれしくて、
花売りの演技に熱が入ります。
―― その時です。
オホホと笑って上機嫌の嫁が、
おバカな息子の耳元で
何かをささやいています。
殿様は、そんなことは目に入らず、
必死で花を売る演技に夢中でした。
”ガタン!”
突然、黙って座っていた、
殿様になっている
おバカな息子が立ち上がり、
大声でいいました・・・
おバカな息子
「そこの花売りは、
余(よ)に無礼を働いた。
―― 今すぐに斬って捨てよ!」
家来たちにとって、
殿様の命令は絶対です。
花売りの殿様
「お前たち、気でも狂ったのか!
わしじゃ、わしじゃよ!
―― わしが本物の殿様じゃ!」
それはそうですよね。
自分が本物の殿様なのに、
着物を取り換えただけなんですから・・・
「無礼者~~~~!!」
ズバァッ!!!
しかし、剣の名人である家来に斬られ、
あわれ、殿様の体は真っ二つに分かれて
切り捨てられてしまいました。
おバカな息子は、
この地域の殿様になって、
領民に優しいと評判の
お殿様となって、きれいな嫁と、
一生安楽な暮らしをしましたとさ。
めでたし、めでたし。
今夜はここまでです。
外は寒いから、
風邪をひかないよう
気を付けてお帰りなさい。
また、むかし話が
聞きたくなったらいらっしゃい。
オヤスミナサイ・・・
(山形県 西置賜郡 )
むかし、ひとり者の源蔵(げんぞう)
という男が釣りをしていました。
源蔵は、女郎屋にいた
美しい女、タカノを妻にしました。
源蔵は、いつもタカノを
見ていたいと思い、
絵描きに頼んで、
タカノの絵を描いてもらいました。
ある日、一陣の強い風が、
タカノの絵をさらっていってしまいます。
タカノの絵が地に落ちた場所は、
佐渡ヶ島の金持ちの庭でした。
「母ちゃんに違いない!」
金持ちの息子が拾って
こんなことをいいました。
それから、金持ちの息子は
大金を使って、
タカノの居場所を突き止めます。
金持ちの息子だから、
強引な手も金に物を言わせ
使ったのでしょう。
嫌がるタカノを
連れて行ってしまいます。
タカノを連れ去られた
源蔵は、毎日ワンワンと泣いて、
しまいには、目が見えぬ
盲目になってしまいました。
やがて源蔵は
タカノのことを忘れようとして、
坊さんになりました。
しかし、タカノのことは頭から離れず、
タカノに逢いたいと思い、
佐渡ヶ島にやって来た源蔵。
ある宿屋に泊まります。
その宿屋の女将が
随分と源蔵に親切にしてくれます。
目が見えないので、
わかりませんが、
声から察するに、
どうもタカノに似ています・・・
源蔵は、思い切って
人気のない夜の庭で、
タカノでは?
と聞いてみました。
すると、ためらいながらも
自分がタカノであると認めました。
細かい事情は話しませんでしたが、
金持ちの息子が逃がしてくれず、
何もしないのも嫌なので、
ここの宿屋の女将を任されているとのこと。
「源蔵さん、私を連れて逃げて!」
そうタカノに迫られましたが、
自分が盲目であること、
佐渡ヶ島での暮らしは、
逃げられないにせよ、
金持ちの息子によって、
何不自由ない暮らしをしてたこと・・・
源蔵は、タカノにとっては、
ここでの暮らしの方がいいと思い、
タカノの申し出を断りました。
泣きながら部屋を出たタカノ・・・
翌朝、タカノの部屋を訪ねます。
部屋の外から、タカノを呼んでみたり、
扉を叩いたりしていますが、
なにひとつ返事がありません。
胸騒ぎがした源蔵は、
宿で働いている者を呼び、
部屋の中を見てもらいました。
―― すると、
部屋の中で首を吊(つ)って
自害をしていた、
タカノの変わり果てた姿がありました。
「タカノ~~!どうしてなんだ!」
源蔵は号泣して、
一緒に逃げるのを断ったことをひどく後悔し、
そんな自分をいつまでも、いつまでも責めました。
―― それからの源蔵は、
佐渡と越前の国境に
桜の木を植えました。
それ以後・・・
「花は越後さ、葉は佐渡さ」
―― と、いわれるようになりましたとさ。
おしまい。
※ 「花は越後さ、葉は佐渡さ」
は、佐渡おけさの歌詞の一節にあります。
ちょっと本当に詳しい人からすると違うかも
しれないんだけど、ボクなりの考察を聞いてくれるかな。
🌸 花(=桜の花)→越後(本州側)
🌿 葉(=花が散った後に残るもの)
という、地理的にも、時間的にも分かれてしまった恋
を表している言葉だと思うんだ。
桜ってさ、
● 花が咲くときには葉がない
● 葉が出るころには花は散っている
→同時には存在できない
これがもう、そのまま
「会えない男女」「すれ違う恋」「選ばれなかった愛」
の象徴じゃないかと思うんだよね。
●源蔵は 会いたい気持ちを貫けなかった
●タカノは 一緒に逃げてほしかった
●二人は再会できたのに、同じ未来を選べなかった
🌸 花=源蔵の愛(純粋・遅すぎた恋)
🌿 葉=タカノの現実(生きるために置かれた場所)
とも読めるし・・・
逆にね、
🌸 花=タカノ(咲いても散ってしまう存在)
🌿 葉=源蔵(あとから残って、悔いだけを抱える存在)
とも読めるんじゃないかな。
どっちに読んでも成立するのが、
この一節の強さだよね。うん。
源蔵の「後悔」を踏み込んで解釈すれば・・・
―― 花は、咲いた時に抱きしめなければならない。
散ってから追いかけても、
そこに残るのは、葉ばかり。
「花は越後さ、葉は佐渡さ」
それは、源蔵が生涯、胸の奥で繰り返し聞いた
自分自身への言葉だったのかな、なんて思います。
―― 佐渡おけさは、島へ渡った人たちの、
叶わなかった恋や、帰れなかった想いを
唄にした民謡だともいわれます。
この話もまた、
唄にならずには
いられなかった恋のひとつ、
―― だったのかもしれません。
アナタは、どう思いましたか?
よかったら、コメント欄で聞かせてくださいね。🐯
※公開後 1月25日追記
note友でもあります、
エスせんさん
から、考察について
コメントで教えていただきました。
「ヤマザクラ(エゾヤマザクラ等)」
だと、どうも事情が違うらしいんだね。
ボクは、植物に疎い(うとい)ものだから、
ソメイヨシノでイメージして考察したんだけど。
まずは、この比較表を見てくれるかな。

少し字が小さくて
申し訳ないのですが、
だいたいわかると思います。
・ヤマザクラ
日本古来の種です。
花と葉がほぼ同時に出ます。
ヤマザクラだと、
花と葉がほぼ同時に出るので、
考察が成立しなくなります。
さらに、
エスせんさんから、
「むかし話の時代なら、
ヤマザクラでは?」
とのご指摘もありました。
では、ボクが考察の時に
イメージをしました、
ソメイヨシノではどうか見てみましょう。
・ソメイヨシノ
江戸時代後期(19世紀)に、
江戸・染井村(今の豊島区あたり)で
人工的に作られた園芸品種です。
花が先で、葉はあとです。
咲いてる間は、ほぼ葉だけです。
若葉は、花が散ってから出てきます。
こうやって見ますと、
エスせんさんのコメント通りですね。
むかし話の時代なら、
ヤマザクラの可能性が高いと思います。
ただ、植物学だと正しいのですが、
ヤマザクラだと、考察が成立しませんので、
今回は、
「現代人が共有している
サクラのイメージからの考察」
と、お考えいただいて、
ソメイヨシノをイメージして
いただきたいと思います。
読者の方から教えていただくことは、
本当にありがたいです。
エスせんさん、ご教授くださり
ありがとうございました。
また何かありましたら、
ぜひ、教えてください。感謝。🐯
(広島県 高田郡 )
―― むかし、長いこと独身だった、
ボクみたいな男がいました。
名を、
伊佐次(いさじ)といいました。
そんな伊佐次が、ついに女房をもらいました。
しかも、とびっきりの美人です。
名を、
おときといいました。
はぁ~・・・うらやましい・・・
しかし、今までご紹介してきた
男たち同様に、女房の顔ばかり
一日中見ていてなにもしません。
美人のおときは、
絵師に絵を描いてもらい、
伊佐次に持たせて、田んぼに行かせました。
おときの絵を立てて、
田んぼの仕事に精を出していましたが、
風も美人が好きなんでしょうね、
やはり、ある時に風にさらわれて、
絵が飛んで行ってしまいました。
美人女房の絵が落ちた先は、
この地域を治める殿様です。
庭に落ちていた絵を拾うと、
殿様は美人がお好きなんでしょうね。
「すぐに探し出して連れて来なさい!」
こう家来たちに命令します。
ほどなくして、美人の女房
おときを探し出し、
殿様も一緒に来て、
連れて行ってしま・・・
「ちょっと待った~~~!!」
ああ~~っと!
ここで ――
「ちょっと待ったコール」が出ましたねえ。
自分の女房を取られて
黙っていては、男じゃありません!
夫である伊佐次から、
殿様に「ちょっと待ったコール」が出ました。
伊佐次は殿様に、自分にとって
おときがどれだけ大事か、
切々と訴えました。
時代にもよりますが、
高田郡といえば浅野家のお膝元。
浅野家の殿様でしょうか?
うんうんと伊佐次の訴えを聞きます。
殿様もなにか思うところがあったのでしょう。
伊佐次にこんな提案をしました。
殿様
「よしよし、お前も美人が好きなんじゃな。
なんだか他人の様な気がせぬので、
余が、これから申す品を
1週間後にそろえられたら、
お前の美人の女房はあきらめよう。
用意できない時は、
美人の女房は、もらっていくぞ。
あーんなことや、こーんなことを
しちゃうからな。グヘヘヘ。🤤」
そういって、殿様は
1週間後にまた来るといって、
お城に帰ってしまいました。
殿様が欲した品は3つありました。
① 「灰縄」
② 「叩かなくても鳴る太鼓(たいこ)」
③ 「泣きっ面(つら)にしかめっ面(つら)」
伊佐次
「灰縄なんて、どうやって作るんだ?」
伊佐次が困ってると・・・
おとき
「―― そういえば、婆さまから聞いたことがあるわ。
お前さん、私のいう通りにやってみて。」
おときのいう通り作ってみることにしました。
こんな手順で作るようにいいました。
手順1:まずは、太いわら縄を用意します。
手順2:その縄を「濃い塩水」にじっくり浸して、よく乾かす。
(※これを数回繰り返すと、縄の中に塩の結晶がびっしり詰まります)
手順3:その縄を、大きめのお盆の上に形を崩さないように
そっと置き、火をつけて燃やしきる。
わらは燃えて灰になりますが、
塩の結晶が骨組みとなって、縄の形のまま灰が残るのです。
もちろん、おときは塩の結晶だとかはいいませんが、
これを見たお殿様は
「おお!本当に灰で縄が編んである!」と、
驚くわけですね。
続いて、2つめも3つめも、
わからずにいましたが、
おときが教えてくれ、
1週間後までに用意することができました。
―― 1週間後の約束の日
殿様
「さあ!3つの品を用意できたのだろうな。
ひとつでも足りなければ、
美人の女房は、もらって行くからな。」
伊佐次は用意してあった
「灰縄」を殿様に見せました。
殿様
「おお!本当に灰で縄が編んである!」
予想通りに殿様は驚きました。
そしてふたつめ・・・・
”ドンドンドンドン”
伊佐次が持ってきた太鼓から、
誰も叩いていないのに、
音がしたものですから、
殿様も家来たちも大変驚きました。
殿様
「ん~・・・
これは不思議じゃな。
よし!2つめもよかろう。
しかし、3つめはどうじゃ?」
そういうと、
伊佐次はニヤリとして・・・
伊佐次
「殿様!
3つめは、その太鼓の中にあります。
前後に紙を貼っております。
ぜひ、お確かめください。」
殿様
「どれどれ・・・」
殿様は、手にした短刀で、
前に貼られていた紙を切り裂きました。
”ピリリッ~~~!”
殿様
「ん?・・・・」
ブゥゥーン!!
紙が裂けた瞬間、
中から怒ったハチが弾丸のように飛び出しました。
”ブスッ!ブスッ!ブスッ!ブス!”
殿様
「ぎゃあああ~~~!!」
なんと、太鼓の中には
”ハチの巣”が入っていました。
前後を紙でふさぐことで、
太鼓を叩いているような音が
したんですね。
殿様
「はぁ~・・・はぁ~・・・
死ぬかと思った・・・」
家来たちによって、
なんとか助け出された殿様。
伊佐次
「―― 殿様!
この鏡をごらんください。
これが、3つめの品です。」
伊佐次が鏡を見せますと、
そこには、
泣きっ面にしかめっ面の
殿様の顔が映っていました。
殿様
「な・・・なんと!」
これで殿様が欲した
3つの品がすべてそろいました。
伊佐次
「殿様!
お約束した3つの品をそろえました。
これで、おときを連れて行かなくて
いいんですよね?
―― さあ、おとき!
家の中に入ろうか・・・」
伊佐次とおときは、
たがいに見つめ合って、
手に手を取って、
家の中に向かいました。
いや~、
よかったですね。
めでたし、めでた・・・
殿様
「ちょっと待った~~~!!」
ああ~~~っと!
終わり間際にきて、
殿様からの、
「ちょっと待ったコール」が出ました!
伊佐次とおときも、
立ち止まって振り返っています。
これはどうしたことでしょうか・・・
3つの品を用意したので、
誰が見ても伊佐次の勝ちですが・・・
伊佐次
「殿様~~~!
ちょっと待ったもなにもないですよ!
約束守ってくださいよ。
もういいですよね?
帰ってくださいよ・・・」
伊佐次とおときは、
顔を見合わせています。
殿様
「―― 知らん!」
ん?
”ダンダンダン!”
殿様は地団太(じだんだ)を踏んでいます。
殿様
「そんな約束など知らん!
余は、そんな約束などしてないもんねー!
―― そうだろ?余の家来たちよ。」
家来たちは、
ウンウンとうなずいております。
伊佐次
「ひっで~~~!
あんた殿様だろ?
約束守れよ!
ふざけんなよ!
全部用意したじゃねえかよ。
帰れよ!早く帰れよ!😡😡😡」
伊佐次ブチキレです。
もう身分なんて関係ない。
ひとりの男として、
殿様にブチキレております。
殿様
「おい!あの男をこらしめてやりなさい。
そして、おときちゃんを連れてきなさい。」
殿様、ちゃんとおときの名前を憶えてきました。
でも、最低なお殿様です・・・
伊佐次は、おときの手を取って逃げますが、
多勢に無勢 ――
”ボコ!ボコ!ボコ!ボコ!”
すぐに屈強な家来たちに、
袋叩きにあってしまいました。
おとき
「お前さ~~~ん。手の中を見て~~~。」
つないだ手を引き離される時に、
おときは、伊佐次の手の中に
なにかを握らせました。
殿様
「ブハハハハ!
最初から約束なんか守る気ねーよ。
おときちゃんをもらって行くことは、
もう決めたの、決まってるの!
さあ!帰るぞ!
あーんなことやこーんなこと
しちゃうもんねー。グヘヘ。」
ああ~~っと、
おときを連れて、
殿様は帰ってしまいました。
3つの品を用意して、
伊佐次が勝利すると思いきや、
殿様が約束自体をなかったことにして、
おときを連れて行ってしまいました~~~!
これぞまさに~~~!
”大~~~どんでん返し!”
アラフォー以上のアナタは、
今頃、大笑いしてると思いますが、
10代、20代、30代のアナタは、
( ゚д゚)ポカーンとしてることでしょう!
ねこま先生の日本むかし話は、
何十年か前のむかし話も、
ぶち込んで来るので、
油断しちゃダメですよ。( *´艸`)
「なんだろう?」と
思ったらご自分で
調べてみる。
これぞ勉強ですからね。
少し前のむかし話も、
ぜひね、知ってください。😂😂😂
まあ、おふざけはこれくらいにして、
真面目にやらないとね、真面目に。🥸
さあ、伊佐次さんどうなっちゃうんでしょうか。
―― ちょっと話を聞いてきますね。
すいません。伊佐次さん。
お話いいでしょうか。
伊佐次
「ねこま先生~~~!
おときが、おときが~~~!😭
どうしたらいいんだよ~~~!」
伊佐次さん泣いてますね~。
ボクだって、おときさんみたいな
キレイな女房がいたら、
泣いちゃいますね。
―― あっ!伊佐次さん
おときさんが、手の中に
なにか握らせてましたが・・・
伊佐次
「ああっ、ほんとだ。
これなんだろう・・・」
伊佐次さんすいません。
ちょっと、それをカメラに向けてください。
”焙烙売り(ほうろくうり)になって、
お城の下に売りに来てください。”
伊佐次
「おとき!
よし、早速、
焙烙売りの準備があるので、
ちょっくら行ってくるよ。
ねこま先生、ありがとう!じゃあ!」
伊佐次さん、行っちゃいましたね。
ちなみに、焙烙売りですが、
焙烙とは、素焼きの浅い土鍋
のような物をイメージしてください。
実際にあった商売です。
天秤棒を担いで、
焙烙をぶらさげて歩きながら、
「ほうろく~、ほうろく~」
といいながら売り歩きます。
お城に売りに来るみたいですから、
先にお城の前で待っていましょうか。
―― お城の前に着いてから、
少し聞き込みをしていました。
殿様に連れ去られた、おときさんですが、
あれから、口も利かない、笑いもしないで、
殿様は大変困っているそうです。
”ほうろく~~~!! ほうろく~~~!”
あっと、焙烙売りに扮した(ふんした)
伊佐次さんが来ました。
おとき
「あははははっ!殿様!
おもしろ~~~い!
近くで見たいな~。💗」
殿様は、おときが、
口を利いただけでなく、
楽しそうにして
お願いもしてくるので、
うれしくてたまりません。
殿様
「おいっ!誰か!
焙烙売りをここに呼べい!」
伊佐次の焙烙売りは、
大きな門をくぐって、
家来に案内されながら
城の中に入りました。
殿様とおときの部屋に
着きました・・・
おとき
「あはははっ!
おもしろーい!
おっかしい~~~!」
殿様は、笠をかぶっているので、
伊佐次だとはわかりません。
おときが喜ぶので、
なんども、伊佐次に焙烙売りの
口上(こうじょう)や、
売り歩く様子をやらせました。
おとき
「ねぇ~~~・・・
殿様~~~💗
おとき、
殿様が焙烙売りになる姿が
見たいな~~~。
上から見てるから、
門の外に出て、
焙烙売りの行商を
やって見せてほしいな~。
おとき、殿様を好きに
なっちゃうも・・・うふふ。」
こんなことをいわれたものですから、
殿様はうれしくてたまりません。
殿様
「お・・・おときちゃん。
よしよし、待ってろよ。
おい!焙烙売り!
少しの間、余と着物を
取り換えなさい。
―― おときちゃん。
余の焙烙売り姿に、
絶対ほれちゃうからね。グヘヘ。」
そうやって、殿様は焙烙売りの着物を着て、
笠は、伊佐次が余分にひとつ持っていたので、
それを殿様に貸しました。
伊佐次は、殿様の着物を着ていますが、
笠はかぶったままだったので、
殿様は気づかずに焙烙売りになって、
門の外に売りに行ってしまいました。
殿様
「ほうろく~~~!ほうろく~~~!」
おときが上から見てると思って、
殿様の焙烙売りにも熱が入ります。
おとき
「お前さん!」
笠を取って、
伊佐次とおときは再会を喜びます。
おときはすぐに
伊佐次になにか耳打ちをしました。
伊佐次
「―― 誰か!
今すぐに門を閉じよ。
門番に誰も通すなと命じよ!」
殿様の恰好をしている伊佐次でも、
殿様は、殿様です。
すぐに命令を門番に伝えました。
”ギギギギィィィッ
・・・ドグォォォン!!”
大きい音を立てて門が閉まります。
これに驚いたのが、本物の殿様です。
慌てて門番のところに詰め寄ります。
殿様
「おいっ!門番!
なぜ門を閉めるのじゃ?
余がまだ中に入っとらんぞ!
無礼者め!早く門を開けよ!」
―― しかし、門番にとっては、
目の前にいるのは、焙烙売りです。
「誰も入れるな」との命令を守るだけです。
門番
「焙烙売りのくせに殿様だ?
ふざけたこといってるんじゃねえ!」
”ガン!ガン!ガン!ガン!”
本物の殿様は・・・
殿様
「ぎゃああああ~~~!」
門番に打ち殺されてしまいました。
伊佐次は殿様となり、
おときと一生しあわせに
暮らしましたとさ。
今度こそ ――
めでたしめでたし。
今夜は、いつもの2倍も3倍も
疲れましたので、😅
ここまでにしたいと思います。
原文は、ページを半分に分けた10行です。
もちろん会話なんてありません。😂😂😂
―― そろそろ、お時間のようです。
今夜も、アナタと日本の昔話を、
一緒に語れたことをうれしく思います。
また次回も、地方色豊かな日本昔話の世界へ、
アナタをお連れしましょう。
数日後の夜にお迎えに参ります。
―― その時まで、さようなら。ごきげんよう。

巻末コラム:
今回は、お休みです。
その代わりといってはなんですが、
『桃太郎』でいただいたコメントに
返信で書いたのですが、
桃太郎さんもですね、
戦争になれば、
日本のために頑張りました。
そんな動画をご紹介したいと思います。
1つめは、大好きなアナタもいるかな。
そんなアナタには、ショックかもしれませんが、
アメリカの黒ネズミさんは、
戦争になれば、飛行機に乗って日本兵を
攻撃したり、爆弾を落としたりします。
アヒルの水兵さんも、同じようなことをしました。
さあ、迎え撃つのは、われらが桃太郎さん。
―― だけではありません!
日本むかし話界のオールスターが集結します。
『日本むかし話アベンジャーズ
VS
アメリカの黒ネズミさん』
正式な題名は違うのですが、😅
1936年の作品となっております。
早速、ご覧ください。
いかがでしたか?
カオスだったと思います。😅
2つめ、3つめは、
桃太郎さんが主役扱いみたいな
映画を2つご紹介します
3つめは、日本初の長編アニメーションです。
長いですが、興味がありましたらどうぞ。
『桃太郎の海鷲』(1943)
『桃太郎の海の神兵』(1945)
続けてご覧ください。
3つめは、AIで無理やりカラー化
しているようなので、多少不自然ですが、😅
なんとなくわかるのではないかと思います。
以上となります。
機会があれば、戦前のむかし話を
題材にしましたアニメ動画なども、
またご紹介したいなと思います。
最後にね、おまけでもないですが、
むかし話とは直接関係ないのですが、
これも、広い意味でむかし話になると思います。
まあ、個人的にちょっと紹介したいなと
思っていたのですが、
ボクが生まれるよりも前ですね、
1960年とありますから、
そんな時代の団地の様子です。
日経映像チャンネル公式さんより、
団地への招待 (1960)【高画質・公式完全版】
終わりの方に、
お風呂に火をつけるのがあります。
これを観ますと、
風呂に火をつけるのにも、入るのにも、
むかしは、命がけ😂
だったのかなと思います。どうぞ。
いかがだったでしょうか?
なかなかデンジャーだったでしょ?🤣
ボクもね、さすがにこういう団地は
知らないので、現代版むかし話で、
興味深かったかと思います。
では、エンディング行ってみましょう!😎

―― いかがだったでしょうか?
アナタのお住まいの地方にしかない、
地方色豊かな昔話がありましたら、
ぜひ、記事にして教えてくださいね。
同じ昔話でも、地方が異なると、
その背後にある、地域の特色や文化、風習など、
そういったものの影響を受けて、
お話が変化していくのは、面白い現象ですね。
また機会がありましたら、
違う日本の昔話で
やってみたいなと思います。
それでは、最後までお読みいただき
ありがとうございました。
―― さようなら!🐯

※ この話は、『日本昔話大成 第2巻 本格昔話1(1978)』
角川書店 関 敬吾(著)
266ページから284ページ
「絵姿女房」より
引用&参考にさせていただきました。感謝します。
いいなと思ったら応援しよう!
懐かしいやら、マニアックな内容やらですが、
もし、よろしければですが、サポートして頂けたら
大変、嬉しく感激です!
頂いたサポートは、あなた様にまた、楽しんで頂ける
記事を書くことで、お礼をしたいと思います。
よろしくお願いします。