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ねこま先生の日本昔話研究            「蛙報恩🐸」編




こんばんは!🐯



日本の昔話を研究して50年!



日本昔話研究家・ねこま先生です。




アナタは、日本昔話は好きかな?
同じ昔話だけど、地方によって、
お話が違うことがあるんだけど

そういう経験ってあるかな?



大好評をいただいたので、
今夜も、同じ昔話だけど、
地方によって異なる内容

ご紹介していこうと思います。



このシリーズは、
以下の本を、引用と参考にさせていただいております。
なお、古い本なので、現在では無い・変更された
地名もありますが、ご了承くださいね。



※タイトル表記は、本に従って漢字ですが、
 本編が始まって以降は、動物の名前は
 漢字で使う時もあるかもしれませんが、
 なるべくカタカナ表記にしたいと思います。








『日本昔話大成 第2巻 本格昔話1 (1978)』

           角川書店 関敬吾(著)







―― 梅雨の時期。
ボクの家のまわりには
田んぼが広がっています。
家の田んぼも、そのひとつです。



夏の夜になると、
彼らの大合唱が聞こえてきます。





蛙  カエル   🐸




今夜の主人公です。
どんな感じのお話かといいますと、
こんな絵本が出ています。







『かえるの恩返し』



日本昔話大成だと



『蛙報恩🐸(かえるほうおん)』です。




メジャーとはいかないまでも、
知ってるアナタも多いお話です。



メジャー版をご紹介しようと思ったんのですが、
本では方言でしたので、
派生ヴァージョンのみとします。




カエルといいますと、
西洋の童話などでは、
魔術や魔女のイメージもあって、
醜いとか、悪い感じで描かれていますね。



一方で、稲作文化の影響でしょうか、
中国や韓国、東南アジアでは、
カエルは、好印象で描かれることが多いです。



そして、わが愛すべき日本はといいますと、
マンガのルーツともいわれています、
『鳥獣戯画』においては、
コミカルで親しみやすい感じで描かれております。



現代ですと、薬局の前に置いてあります、
興和(Kowa)のマスコットキャラクター、
ケロちゃんコロちゃん。



アニメ・マンガ、ゲームにも、
たくさん、カエルのキャラクターが
登場して日本人に愛されています。



けろけろけろっぴみたいな、
かわいいカエルが、
今夜は大活躍しますよ。(ホンマかいな😅)



小さい女の子のアナタから、
熟れて女盛りのアナタまで!
かわいいカエルの活躍を
おじさんが一生懸命書くので、
最後まで読んでちょーだいね。



女性ファン開拓です。😂😂😂



さあ、早速行くっぴよ!🐸(笑)








(鹿児島県 川辺郡 )



「ま・・・待ってくれ!


 
 もし、”そいつ”を
 喰う(くう)のをやめたら、
 



 ―― わしの娘を嫁にやる!」

 


アナタのおじいさん、おばあさん、
そのまた、おじいさん、おばあさん、
もっと前のおじいさん、おばあさん、



今から話すお話は、
もっとが両手いっぱい必要なほど前の、
おじいさん、おばあさんの頃のお話です。



―― 先ほどの声の主は、
この辺りに住む
若い娘を持つ父親
でした。



父親は、なにを見て、
先ほどのようにいったかといいますと・・・



父親は、この日、
山へ柴刈りに来ていました。
ちょうど、作業も一段落したところ、
少し休もうと、池のほとりに来た時です。



目の前で大きなヘビに、
カエルが今にも
飲み込まれようとしていました
ので、
父親は、とっさにあんなことをいったのです。



大きくてギラギラと光る
黒い体をしたヘビは、
紅い眼でこちらを”ギロッ!”と
にらむと、開いた口を閉じました。



カエルは恐怖で体が動けずにいて、
ガタガタ、ガタガタと震(ふる)えています。



黒ヘビ


「ほう・・・


 人間の娘をヘビのわしに、
 嫁がせるのかね・・・


 ―― 若いのか?娘は。」

 



聞いた者が、凍(い)てつくような、
冷たくて暗い声で、父親にヘビは訪ねました。



父親


「じゅ・・・17だ!」



黒ヘビの紅い眼が怖くて、
目を閉じて震える声で
父親は答えるのでした・・・



黒ヘビ


「―― よかろう!


 明日になったら、
 お前の家に婿(むこ)入りするぞ。


 帰って、娘によ~~~く聞かせるんだな。
 17か・・・楽しみよのう。グヘヘ。

 
 
 明日からは、父とお前を呼ばないとな。

 

 ―― じゃあ、婿入りの準備があるので、
 お父上様、このへんで失礼しますよ。


 約束を破ったら・・・


 わかってますね?お父様・・・


 ぶはははははははっ~~~!!」

 

 


最後に父親を紅い眼でにらむと、
黒ヘビは、高笑いをしながら
どこかに去って行きました・・・。

 

父親

「とんでもねえ約束をしちまっただ・・・


 ―― 娘よ、許してくれ。」



とんでもない約束をしてしまったと、
今更ながら後悔する父親・・・



恐怖で動けなくなったカエルを、
両手そっとすくいあげて、
安全な草むらに置いてくると、
肩を落としながら家に帰っていきました・・・



そんな父親を、動けるようになったカエルが、
いつまでも、いつまでも見送っていました。



―― 翌日になりました。



昨日は家に帰ってから、
カエルを助けるために、
娘にヘビが婿に来ることを告げました。


娘の名を、おさよといいました。



おさよは、一瞬(いっしゅん)
暗い顔をしましたが・・・


「うん、わかった。」



―― そう笑顔でいうと、
婿が来る準備があるといって、
忙しく家を片付け始めました。



「―― ごめんください。

 
 黒ヘビ太郎が婿にまいりましたよ。」

 


昼過ぎになり、外から声がしたので
出てみると、そこには、
紋付き袴(はかま)姿の、
どこかの若旦那風の男がいました。



父親

「よ・・・よ~きた婿どの・・・」



外見もすっかり人間で、
声も人間のように変えていますが、
眼だけは、あの紅い眼だけは
そのまま
で、こちらを見ています・・・




―― こうして黒ヘビ太郎が婿入りして、
父親とおさよとの、3人の生活が始まりました・・・



黒ヘビ太郎は意外にも、
おさよに優しく接して、
ひどいこともすることなく、
人間の夫婦と変わらずに、
仲睦(なかむつ)まじく暮らしていました。



―― しかし、しばらくして・・・



黒ヘビ太郎が婿入りしてから
原因はわからないのですが、
娘が、どんどんやせていってしまい、
とうとう寝込んでしまいました。



黒ヘビ太郎

「父上、遠くの村まで
 なにか薬がないか見て来る。」



ヘビといえども、
人間の嫁をもらい
情に目覚めたのか、
黒ヘビ太郎は遠くの村まで
薬を探しに行ってしまいました。



”スッーーー”



「突然ごめんなさいよ。」
  


静かに戸が開いて
入って来たのは、
旅の薬売りでした。



薬売り


「突然失礼します。
 あっしは、江戸から
 はるばる各地を巡り
 旅の薬売りでござんす。

 ―― なんでも
 こちらの娘さんが、
 大変やせちまって
 困っていると聞きました。」

 


背は小さいが、
しっかりとした体型の
若い男の薬売りは、
入ってくるなりこういいました。



父親

「―― そうなんじゃよ!
 江戸から来ているなら、
 娘に効きそうな薬を
 持っておるじゃろ?
 

 ひとつくれんかのお・・・」

 


薬売りは、
片手を振りながら
優しい声でこういいました。



薬売り


「こういう時は、
 薬より滋養(じよう)の
 ある物を食べさせてください。


 ―― とびきりいい物を
 知っています。


 今からお教えしましょう。」



父親は笑顔になると、
薬売りの話の続きに
耳を傾けるのでした。



薬売り


「ここに地図を書きました。
 少し離れた場所になりますが、


 高い松の木がござんす。


 ここにトンビの巣があります。
 巣の中にある卵を取れればですが、
 これを娘さんに食べさせてあげれば
 きっと元気になりますが・・・


 
 なにぶん高い所で落ちたら危険ですし、
 高いから人が登るのは難しいかもしれません。


 ―― ヘビなら行けるかもしれませんね。


 
 まあ、地図は置いて行きますが、
 ご無理なさらずに・・・


 ―― では失礼しますよ。」



 


薬屋は地図を置いて帰って行きました。
父親は地図を眺(なが)めますと、
少し遠くですが、
知っている場所なので安心しました。



―― しかし、確かにヘビでもないと
行ける場所ではないので、
黒ヘビ太郎に頼むしかないのですが、
おさよには優しいので・・・



おさよ

「―― うん。わかった。」



おさよから頼んで
もらうことにしました。


間もなくすると、
黒ヘビ太郎が帰って来て、
父親が地図を見せて、
薬屋のいったことを話します。



黒ヘビ太郎は、
おさよに呼ばれて
寝ている布団のそばに行くと・・・


おさよ

「黒ヘビ太郎さん。
 その場所は、ヘビでもないと
 行けないらしいのですが、

 

 ―― お願いできるでしょうか。
 おさよ、早く元気になりたいな。」



黒ヘビ太郎は、両手で
おさよのやせた手を優しく取ると、



黒ヘビ太郎

「おさよさん!
 お願いもなにも、

 
 
 私たちは夫婦じゃないか。
 トンビの卵は必ず
 取ってくるからね。

 ―― すぐに元気になるよ!」

 

 

―― 次の日、父親に案内してもらい、
黒ヘビ太郎は高い松の木まで来ました。



黒ヘビ太郎


「すぐに取って来る。
 父上は、ここで見ていてください。」



そういうと、着ていた着物を残して、
大きな黒ヘビの姿になると、
高い松の木の上にある
トンビの巣を目指して登って行きました。



黒ヘビ太郎


「ハァ・・ハァ・・・

 待っててよ・・・

 
 おさよちゃん・・・


 ―― あった!あれが巣だ!」




高い松の木の上に、
大きいトンビの巣がありました。
でも、それにしても大きいような・・・



黒ヘビ太郎


「卵をとってすぐ帰るからね!


 おさよちゃん~~~!!」



黒ヘビ太郎の頭が、
トンビの巣の中に入った時です ――



クェエエエエーッ!!



バサッ!バサッ!バサッ!




黒ヘビ太郎も大きいヘビですが、
それよりも何倍も大きい、
怪鳥とも呼ぶべき、



見たこともない大きさのトンビが、
突如、空から黒ヘビ太郎めがけ
襲い掛かって来ました!



”ガシッ!”



大きくて鋭い鉤爪(かぎつめ)が、
黒ヘビ太郎の黒い体を捕えます。
鋭い爪が黒い肉体に喰いこみます。



黒ヘビ太郎


「ぎゃあああ~~~~!

 
 
   離せ~~~!離せ~~~!
 お前の卵を奪って、
 おさよちゃんに・・・


 おさよちゃんに・・・」



トン! トンッ!




黒ヘビ太郎


「ぐわあああ~~~!!


 おさよちゃん~~~!


 卵!持って帰るんだ!」



巨大トンビの大きいクチバシが、
容赦なく、黒ヘビ太郎の体を
何度も何度も突き刺します。



クチャッ! クチャクチャ



巨大トンビは、黒ヘビ太郎の肉体を
ついばんで、その肉片を食べています。



黒ヘビ太郎


「お・・・さ・・・よちゃ・・・」



巨大トンビについばままれて、
薄れゆく意識の中で、
黒ヘビ太郎は、
何度もおさよの名前を呼ぶのでした・・・



クチャッ! クチャクチャ



もはや頭だけになった
黒ヘビ太郎。



あの凍てつくような暗い紅い眼からは、
なにか涙のように光るものを流しながら
巨大トンビの口の中に、
黒ヘビ太郎のすべてが、
飲み込まれしまいました・・・



薬売り


「この辺りの者は、
 ”怪鳥”と呼んで決して近づくことがない
 見たこともない大きいトンビ ――」



恐ろしい光景に
言葉も出なかった父親の後ろから、
突然、あの薬売りが声を発しました。



父親


「お前さん、あの時の薬売り!


 ―― まさかこうなることがわかって、
 黒ヘビ太郎を行かせたのか。」



薬売りは突然、大きくおじぎをしました。



薬売り

「あの時はありがとうございました。


 あっしを助けてくれたおかげで、
 大事な娘さんをヘビの嫁なんかに・・・


 ―― 本当にすみません。


 
 
    娘さんは、黒ヘビ太郎が
    いなくなったので、
  直(じき)に元気になります。
  安心してください。」



父親は、それを聞いて笑顔になると、



父親


「薬売りが・・・
 あの時のカエルだったとは!


 
 ―― 娘は本当に助かるんだね?」




振り返ると薬屋の姿は
すでにありませんでした。 



父親は、高い松の木を見て
手を合わせると、
家に帰りました。



薬屋・・・いえ、
助けたカエルのいった通りに、
おさよは、しばらくすると
元気になりました・・・



父親に、黒ヘビ太郎の
最期を聞くと、
少し悲しい顔した
おさよなのでありました。




めでたし、めで・・・




―― いや、今回はやめましょう。




どうもボクは、
勧善懲悪(かんぜんちょうあく)が、
あまり好きではありません。



悪の中にも善があり、
善の中にも悪があるからです。




―― これでおしまい。









(新潟県 西浦原郡)※新潟県、本の中で蛙話一番多いです。



―― はるかむかしのことでございます。



この地域に住む、ある若い娘
山の中にあります観音堂へお参りが
終わりまして村まで帰る最中です。



親孝行の明るい娘で、


名を、おなつといいました。



おなつ


「あれ・・・?」



山の帰り道で見かけたのは、
茶色いヘビに、アマガエルが
今にも喰われようとしていたところでした。



おなつ


「待って!待って!

 
 ヘビさん待ってよぉ~~~!」



茶色いヘビは、
アマガエルから口を離し、
おなつの方を見ました。



おなつ


「ヘビさん、カエルさんを食べないで。
 変わりに、おまんじゅうでもどう?
 おせんべえなんかもあるよ?」



茶色いヘビは、あきれたような顔をして・・・



茶色いヘビ


「いらんニョロよ。
 そんなもん食えねえよ。
 食事中だから邪魔するなよ。」


茶色いヘビが大口をあけて
ガタガタと震えるアマガエルを、
再び飲み込もうとしました。



おなつ

「―― わかったわ!


 あたしの着物をあげる!
 それでいいでしょ?
 高いのよ、これ?」



茶色いヘビは、
首を横に振ると、
再び大きな口を開けて、
よだれがアマガエルにかかります。



”ポタッ・・・ポタッ・・・”



おなつ


「―― あっ~~~!
 

 じゃあ、あたしが”お嫁さん”に 
 なってあげるから、


 カエルさんを助けてあげて~~~!」



茶色いヘビは、飴色(あめいろ)の眼を細めると・・・




茶色いヘビ

「嫁・・・ニョロか・・・


 ―― うーん、よしいいだろう!
 この先にある池のほとりに家がある、
 このまま連れて行くけどいいな?」



アマガエルは離されて、
茶色いヘビは、
おなつに巻き付こうとしています。



おなつ


「―― ちょっと待って!


 お嫁に行くならおっとうに、
 きちんといってからでないと・・・


 5日後にヘビさんの家に行くから、
 少しまってよ。ねっ?」

 


茶色いヘビは、嫁入りの支度もあるし、
父親との別れもきちんとしてこい
ということで、5日待ってもらうことになりました。



おなつ


「カエルさんよかったわね。
 ヘビさんのところに、
 あたしお嫁に行くことになっちゃった。

 

 ―― じゃあね・・・
 でも困ったなあ。旦那さんがヘビだなんて。


 ―― まっいっか。てへへ。」



おなつは前向きな娘なのか、
深く悩むようなこともせず、
アマガエルを指先でなでると
家に帰って行きました。



助けられたアマガエルの
つぶらな山吹色の眼には、
紅い夕陽とともに、
いつまでも、おなつの後ろ姿が
映っていました・・・



父親


「なんじゃと~~~!!


 ヘ・・・ヘ・・・


 ヘビの嫁じゃと~~~!!」




能天気なおなつとは逆に、
ヘビの嫁になることを
突然告げられた父親は、
腰を抜かして驚きました。



父親

「いやだな、いやだな~~~。


 ヘビが義理の息子なんて
 わしはいやだな~~~。

 
 どうしたらいいんじゃろか・・・」

 


”ごめんください。”



父親がオロオロとしてると、
外から男の声がしました。


父親

「はい・・・どちら様で・・・」



父親が戸を開けますと、
体の大きな修行僧が
大きな風呂敷を背負って
立っていました。


修行僧

「実は娘さんのことで・・・」



修行僧は、どこから聞いたのか、
おなつがヘビの嫁になることを知っていました。


修行僧は、

「私に任せれば
 娘さんを助け出せます」といい



父親とおなつの目の前で
風呂敷を広げると、
そこには、小さいひょうたんと
同じくらいの針が山ほどありました。



修行僧は


「嫁入りの日までに、
 3人で、この小さなひょうたんに
 針を仕込みます。


 こうやって・・・


 針には毒が塗ってありますので、
 自分の指を刺さないよう気を付けて。」

 
 


おなつが不思議な顔をして
修行僧の手元を見ています。


おなつ

「でも・・・こんなにたくさん
 なにに使うの?・・・・」



首をかしげるおなつと父親。
修行僧は、どう使うのか
ゆっくりと説明しています。




―― そして、嫁入りの日。



おなつ

「―― じゃあ、おっとう。
 ヘビさんへ嫁入りに行きますね。」



おなつの後ろには、
大きな風呂敷を背負った
修行僧がついて行きました。


修行僧

「―― おなつさんいいですか?


 あなたが嫁入りのあいさつをしている間に、
 このひょうたんをすべて池に浮かべます。


 あとは、打ち合わせした通りに・・・」

 



おなつは、大きくうなずくと、
山奥にあるヘビの家を目指して、
力強く歩くのでした。



おなつ

「ごめんください。
 お嫁に来ましたぁ~~~!!」



茶色いヘビの家の戸を開けて
おなつが元気よく呼びかけると、
茶色いヘビが中から出てきました。


茶色いヘビ


「おおっ、約束をきちんと守るとは、
 なかなか見上げた嫁ニョロね。
 
 
 ささっ、早く入っておくれ。
 祝言の準備は出来ているから、
 正式にわしの嫁になってもらうぞ。」

 


―― ところが、おなつはスッと
戸から出て外に戻ってしまいました。



おなつ


「おなつの旦那様になる方は、
 とてもすごいヘビさんだと、
 風のうわさで聞きました。

 
 池に浮かべた
 ひょうたんをすべて沈ませる
 ことなんてカンタンですよね。


 
 ―― おなつ、旦那様の
 男らしい姿が見たいですぅ~~~💗」

 

 


昨夜、修行僧が考えた言葉を、
何度も怒られながら
やっと覚えたおなつは、
間違えないでいえたことを
とても喜んでいました。



おなつ

「やった~~~!!」



茶色いヘビは、
おなつが自分に対して
喜んでいるのかと思い・・・



茶色いヘビ


「おいおい、おなつ。

 
 まだやるともいってないのに、
 そんなに喜ばれたんじゃあ、

 

 ―― やるしかないニョロねえ。
 しかたない嫁なんだからぁ。😘」

 



池には、すでに修行僧が
山ほどの毒針を仕込んだ
ひょうたんを投げ入れて
池をおおいつくすほどの
ひょうたんが浮いていました。



茶色いヘビ


「え・・・こんなにいっぱい・・・😅」



その多さに驚いた茶色いヘビですが、
おなつは、自分が上手くいえたことに
まだ喜んでいました。
茶色いヘビは、自分に対してだと
思っていたので、ここで止めるわけにもいきません。



茶色いヘビは


「おなつ!よく見ててニョロよ!
 お前の旦那様のすごいところを!」



”チャポン”



茶色いヘビの長い体が
静かに池に入ると、
目の前にある、
たくさんの小さなひょうたんの
上に乗っかり沈めていくのですが・・・



”ぷか・・・ぷか・・・ぷか・・・”


しかし、小さいひょうたんは、
次々に茶色ヘビの体をすり抜けて、
また浮いて来てしまいます。



茶色いヘビ


「えええっ~~~!


 なんで沈まないニョロ!


 コノヤロー!これでもか!


 沈め!沈め!沈むニョロよ~~~!😡」



茶色いヘビは、沈めても沈めても
浮かんでくる、山のようにある
小さなひょうたんの上に乗りますが、
やっても、やっても、
次々に浮かんで来てしまいます。




―― アナタは、もうおわかりですよね?😅



ひょうたんはね、
乾燥した内部が空洞で空気を多く含んでいて、
高い浮力を持っているんだよ。



―― だから沈まないんだ。



昔からね、ひょうたんは、
「不沈(ふちん)のお守り」として、
魔除けや、運気上昇の縁起物として
船乗りの人はもちろん、
多くの人たちが持っていたんだよ。




修行僧

「おなつさん。
 ここから先は、
 あんまり見ないほうがいい。


 この先を道なりにまっすぐ行くと、
 広い野原に出るから、
 野原が見えるまで、
 どんどん歩いて行きなさい。」



おなつは、よくわからなかったが、
修行僧にいわれた通りに、
野原目指して歩いて行くことにしました。



おなつ

「茶色いヘビさん。
 おなつよくわからないけど、

 
 もう行かなくちゃならないので、
 これでお別れです。


 ―― さようなら。」



おなつは、茶色いヘビに向かい
祈るように両手を合わせると、
手を振りながら去って行きました。



茶色いヘビ


「え!?なに?

 
 さよならって!
 どういうことニョロ???」



”ズブ!ズブ!ズブ!ズブ!ズブ!”




茶色いヘビ


「ぎゃあああああ~~~~!!」




何回か浮き沈みを繰り返すと、
毒針が出る仕組みになっていましたので、
おなつが去って間もなく、
ひょうたんに仕掛けた毒針たちが、
一斉に茶色いヘビの長い胴体を刺しました。



茶色いヘビ


「お・・・おなつ~~~~!!」



しばらくして毒がまわり、
池に浮かぶ山ほどのひょうたんに混じり、
腹を天に向け浮いている、
茶色いヘビの姿がありました・・・



修行僧


「南無観世音菩薩・・・

 
 成仏せえよ・・・


 いかん!わしも急がないと!」




修行僧は、池に向かい
手を合わせると、
あわただしく、
どこかへ走り去ってしまいました・・・




―― 辺りがすっかり暗くなりました。
おなつは、ずっといわれた方向へ歩き続け、
やっと、開けた野原に出ました。



おなつ

「疲れたな・・・
 お腹すいちゃったよぉ~~~。


 ―― あっ!
 お家がある!灯りもついてる!」



野原には一軒の家があり、
灯りもついていたので、
おなつは駆けだして、
家の前で呼びかけました。



おなつ


「すいませ~~~ん!

 
 ごめんくださ~~~い!」

 


”スッー”


戸が開くと、
中から婆さんが出てきました。



婆さん

「おやおや、こんな夜更けに
 若い娘さんがひとりで・・・


 さあさあ、今夜は泊って行きなさい。」




婆さんは、おなつに親切にしてくれて、
夕飯までご馳走してくれました。



おなつ


「―― あ~~~っ!
 生き返った~~~!

 
 おいしかったよ~~~!
 おばあさ~~~ん。😭」

 


おなつのうれしそうな顔を見て、
婆さんの顔もほころんできました。


婆さん

「よかったのお。娘さん。
 とりあえず今夜は寝なさい。」



おなつは、しばらく下を向いていました。
少し考えるような仕草をしますと・・・


おなつ

「―― ん~~~、
 いってもいいのかなぁ・・・

 どうしよっかなあ・・・」




おなつが、なにかいいそうに
していたので・・・


婆さん

「おやおや娘さん・・・
 遠慮しないでなんでもいってごらん。」



おなつは、うなずくと・・・



おなつ

「じゃあいうね・・・・


 えっとね~~~



 ―― カエルさんだよね?」



婆さんは、目を大きくして驚き・・・



婆さん

「ゲロゲ~~ロ!!」



カエルのような声を出して
腰を抜かして驚いています。



おなつ

「家に来たお坊さんも
 カエルさんだよ・・・ね?


 いっていいのかな~~~。

 
 カエルさん気づいてるか
 わかんないんだけど、
 
 
 
 ―― ときどきね、
 
 

 ”ゲロゲロ”とか・・・”ゲロッ”
 とかいってるんだけど・・・」

 


婆さんは大きい声で叫びました。



婆さん

「ゲロゲーロ!!」




それからは、
婆さんとおなつで
大笑いしながら、
ここ数日を振り返って
話が弾んでいました。



婆さん

「いや~・・・
 あの時、おなつさんに救われなければ
 今の私はありません。


 ―― 本当にありがとうございました。


 これからなんですが・・・」



おなつは困った顔をして、



おなつ


「困っちゃうなあ。
 お嫁に行ったから
 家には帰れないし・・・」

 


婆さんは、
驚いた顔をして・・・



婆さん


「ちょっと待ってください!
 ヘビの嫁入りは
 お父上様も望まれておらず、



 ―― こうやって無事になにごとも
 なかったんですから、
 帰ればいいじゃないですか?」


 
 


おなつは苦笑いしながら、


おなつ

「ん~・・・
 ひょうたんが成功するとも
 思えなかったので・・・


 
 ”今までお世話になりました”


 
 っていっちゃったから、
 もう戻れないよ~・・どうしよう・・・」

 


婆さん


「いやいや・・・
 戻ればいいじゃないですか。😅


 
 おなつさん帰らないと、
 このお話終わりませんので、
 早く帰りましょうよ。」

  



おなつは、
変なところで意地を張って、
「帰る」といいませんでした。



婆さん

「―― わかりました。
 このアマガエルが、
 なんとかしましょう!


 ちょっと失礼・・・」




おなつ


「え・・・ちょっ・・・

 

えええええええ~~~!!」




なんと!
おなつが大声で驚くのも
無理はありません。



婆さんは、
まるで着物でも脱ぐように、
顔から足先まで覆っている
皮のようなものを脱ぐと・・・






婆さんがアマガエルに・・・




おなつ


「おもしろ~~~い!
 お婆さんが、
 カエル🐸さんになった~~~!」



アマガエルは落ち着いた声で・・・



アマガエル


「これは、代々のアマガエルに
 伝わる不思議な宝で、


 ”雨皮(あまがわ)”


 といって、
 婆さんの雨皮、
 修行僧の雨皮といった具合に、
 

 
 着物のような感じで、
 成りたい人間の姿に、
 われわれカエルでも成れる
 という・・・

 

 あああああっ~~~!!」




おなつ


「わぁ~~~!!
 

 おなつ、
 お婆さんになっちゃった~~~!!


 これおもしろ~~~い!」
 



アマガエルの説明が長いのか、
おなつは勝手に婆さんの雨皮を着て、
姿も声も、すっかり婆さんになっていました。



アマガエル


「―― 勝手に着ないでくださいよぉ・・・😅


 まあいいや、おなつさんのこれからですが、
 明日になったら、その婆さんの恰好で、
 この先の村で、長者の家がありますから、
 いつも女手が足りなくてこまっているので
 ”飯炊き”として、しばらく働いてください。


 そうすれば、おなつさんは、
 とってもしあわせになれますよ。



 ―― さあ、今日はもう寝てください。」




飯炊きとは、ご飯を炊いたり台所仕事を中心に、
さまざまな雑用をこなす下働きの役割のことです。
昔は主に女性が担うことが多く、
長者(お金持ち)の家などで、
家事全般を支える大切な存在でした。



―― 翌朝になりました。
修行僧に姿を変えた
アマガエルに案内されながら、
この先の村にある、
大変お金持ちで有名な
長者の広い屋敷の前に到着しました。



修行僧

「おなつさん、
 夜は雨皮を脱いでもいいですが、
 見つからないように
 気を付けてくださいね。

 
 ―― ここにいれば
 しあわせになれますから、
 ダマされたと思って、
 しばらく働いてください。」

 



婆さんの姿になったおなつは、



おなつ婆さん


「アマガエルさん・・・
 よくわからないけど、
 体を動かすのが好きだから、
 しばらくここに
 いることにしますじゃ(笑)」



道中で、すっかり婆さんの
仕草や話し方を教えこまれたおなつ。
それを見て、アマガエルの修行僧は、
「大丈夫、少しだけ辛抱して。」
といい残して、笑いながら去って行きました。




―― この日からおなつは、
おなつ婆さんとして、
長者の屋敷で飯炊きをすることになりました。



女中

「おなつ婆さん、これ持ってくねー!」



おなつ

「はいはい、どうぞ。」



台所でおなつは、飯炊きとして
毎日頑張っています。


「おなつ婆さん」として、
特に若い女中から親しまれ、


若い女中

「おなつ婆さんって、
 よく働くし、面白いし、
 なんか私たちと変わらない感じ。
 若いよね~~!アハハ。」



おなつは、少し焦って(あせって)、


おなつ婆さん


「いえいえ💦、
 そんなことないですじゃ。
 もう年寄りだから、腰とか痛くてのお。」




―― 長者夫婦からも優しくされ、
おなつは、忙しくも
充実した日々を過ごしていました。



夜になりますと、
雨皮を脱いで、
誰にも見つからぬよう
最後に風呂に入ったりして、
少し苦労はありましたが、


おなつ婆さんの部屋は、
女中たちとも
他の飯炊き女たちとも別の、
年寄りだからと離れた所に
ある部屋を用意されたので、
誰にも気兼ねせず、
”おなつ”に戻れる夜なのでした。




―― ある日の夜



”もう~~~!飲めねえ~~~!”



どこかの酔っ払いでしょうか。
おなつ婆さんの離れの近くに、
千鳥足で騒いでる若い男がいました。



カエルの修行僧

「ほらほら、お若いの。
 もう家に着いたから、
 拙僧は、もう帰りますぞ。🐸」



おや?ここまで酔っ払いを
連れて来たのは、
カエルの修行僧でした。



酔っ払いの若い男


「うえええ~~~!
 坊さん、楽しかったよ。
 送ってくれてありがとな。


  また飲もうな~~ヒック!


 ―― ん!? おや・・・」




酔っ払いの若い男が
うつらうつらする中、
ほろ酔い気分でトロンとする眼に
映ったのは・・・



雨皮を脱いだ後の、
風呂上がりで部屋に戻る



おなつの姿
でした。



酔っ払いの若い男


「―― か、かわいい!💗」



酔っ払いの若い男は、
おなつに”ひとめぼれ”
してしまいました。



―― おなつに恋してしまったのです。



この若い男は誰なんでしょうか?



―― それから3日後。



朝の食事が終わって
それぞれの仕事が一段落した後、
屋敷で働くすべての女が集められました。


みんなが集まれる広い部屋で、
長者夫婦が中央に座っていました。



―― そこには布団がひいてあり、
あの夜、おなつにひとめぼれした、
酔っ払いの若い男が横になっていました。


長者

「みんな、忙しいのにすまないね。
 実は、”息子の利平(りへい)”が
 食事も取らずに、横になったまま、
 うわごとのように
 何かをいってる状態が続いていて

 
 私たち夫婦は医者に見せたのじゃが、
 どうも病ではないらしい。

 
 
 ―― 屋敷で働く女の誰かに
 ひとめぼれして、それで寝込んでるらしい。」



集められた女たちが、
「私かしら」とざわざわしています・・・



長者の嫁


「利平が助かるなら、
 その娘を嫁にしてもいいと
 夫婦で決めました。

 
 ―― そこで今から、
 ひとり、ひとり、
 名前を呼びますから、
 利平の前に出て来てちょうだい。」




こうして、屋敷で働く女を、
恋の病で伏せている
利平の前にひとり、ひとり出て、
あの夜見た女かどうか
確認することになりました。



利平

「ちがう・・・ちがう・・・」



屋敷中の女が、
名前を呼ばれますが、
利平は「違う」をいうばかりです。


利平

「ちがう・・・ちがうよお・・・」



長者夫婦が心配して見守りますが、
その場にいた女たちすべてが、
利平に違うといわれました。



長者

「もう女はいないぞ・・・

 
 ―― おくまさん。


 これで女はすべてだよね?」

 



おくまさんというのは
女中頭(じょちゅうかしら)です。
この屋敷で働く女たちのまとめ役、
リーダーみたいな存在です。



おくま


「 はい、これで全員です・・・

 
 旦那様に、
 若旦那様の恋の病と
 聞いていましたので、

 

 さすがに、おなつ婆さんは
 声をかけませんでしたが。😅」

 


長者は少し考えこむと・・・


長者

「そんなことはないと思うが、
 もしかすると、わしに似て
 年上が好みかも。 ( *´艸`)

 
 でも・・・さすがに婆さんを
 好きにならんと思うが・・・」

 


おくまも苦笑しながら、
おなつ婆さんを呼びに行き
連れて来ました。



さすがに女中たちも違うだろうと、
みんな心の中で思っています。




利平

「違う!違う!違う~~~!
 あの夜、離れで見た
 風呂上がりの女と違う~~~!

 ウエエエエ~~~~ン!😭

 
 ―― あの女を嫁に出来ないなら
 このままなにも食わないで、
 死んでやる~~~~!!」

 


利平は号泣してしまい、
長者の嫁はオロオロするばかりです。


長者

「―― おなつ婆さんの部屋の
 離れの近くで見たそうなんじゃが、

 
 
 おなつ婆さん。
 なにか知らんかのお・・・

 
 
 息子を・・・利平を・・・
 助けてやってくれ~~~~!!


 ウエエエエ~~~~ン😭」

 

 

長者も、どうしていいかわからず ――
おなつ婆さんの手を握り、
泣き崩れてしまいました。



おなつ婆さん


「あああっ~~~~!!
 泣かないでください!

 
 旦那さま泣かないでください!


 ―― たぶん、わたしなんです!
 それ、たぶんわたしです。」

 


長者は一瞬キョトンとしましたが・・・



長者


「いいんじゃ。おなつ婆さん。
 あんたは優しいの・・・

 
 その気持ちだけでいいんじゃよ。
 ―― スマンかったな。
 もう、わしはどうしたらええんじゃ・・」

 

 


長者は、おなつ婆さんの手を離し、
顔を覆うように泣き続けています。



おなつ婆さん


「もう!
 しょうがないな~~~。

 
 おふたりとも泣かないでください!
 今、これ脱ぎますから!」

 



え!?と、
その場にいた一同が、
あっけに取られていると・・・



”ええええええええ~~~~!!”




屋敷が揺れるほど、
その場の全員が、
大声を出して驚く声がしました。



おなつ

「おなつ。17歳です。てへへ。」




先まで床に伏せて号泣していた利平が、
飛び上がると・・・



利平


「いた~~~~!!


 わしの嫁だ~~~!!」





―― おなつは、長者夫婦と利平、
そして、女中たちみんなに、
今まで起きたことをすべて話しました。



利平は、おなつを嫁に迎えるとともに、
おなつの父親も呼び寄せて、
長者夫婦にも、おなつの父親にも、
同じように孝行をしました。



おなつは、働き者で、明るくて、優しいので、
女中たちにも慕われ(したわれ)、
利平にも大切にされて、
裕福でしあわせに、
いつまでも、いつまでも暮らしましたとさ。




―― おなつがよくお参りをしていた
山の中にある観音堂に、
アマガエルが立っています。



アマガエル

「おなつさんよかったですねえ。

 
 長者の家に嫁に行った後も、
 ここへお参りに来たり
 観音堂を修復したりと、
 本当にいい娘です。



 ―― あっと!
 朝早くから誰かお参りに来ましたね・・・



 お話も終わりだし、
 私も戻るとしますかね・・・」

 

 


”ピカッ~~~ン!”




アマガエルは、
まぶしい光に包まれたかと思うと、
そのまま観音堂にある、
観音像の中に吸い込まれて行きました。




―― そうです。




観音堂の観音様が
おなつを救うために、
アマガエルに姿を
変えていたのです。




観音様は「三十三応現身(さんじゅうさんおうげんしん)」
といって、相手や状況に合わせて33もの姿に
使い分けて現れるといわれています。



観音様は、救いたい相手によって、
その人に一番ふさわしい姿で、
救ってくださいます。



おなつの場合は、
アマガエルでした。



―― では、これをお読みの
アナタの場合はどうでしょうか?



アナタのひざの上で寝ている、
ネコちゃん、ワンちゃんに、
観音様は、御姿を変えて、
アナタを救おうとしてるのかも
しれませんね。



―― 世の中にいるすべての人が、
出逢う人たち、出逢う動物たちを


”自分を救うために、
  観音様が、姿を変えているんだ。”



と、思うようになれば、
そこが”極楽”と呼ばれる場所に
なるんじゃないでしょうかねえ。




―― 南無観世音菩薩(なむかんぜおんぼさつ)




アナタが苦しい時、困った時、
悩んでる時、どうしようもない時。
ぜひ、ひとこと唱えてみてください。



観音様は、どこにいても
アナタに一番ふさわしい姿になって、
アナタを必ず救ってくれるでしょう。




―― おしまい。









―― そろそろ、お時間のようです。
今夜も、アナタと日本の昔話を、
一緒に語れたことをうれしく思います。



また次回も、地方色豊かな日本昔話の世界へ、
アナタをお連れしましょう。
数日後の夜にお迎えに参ります。




―― その時まで、さようなら。ごきげんよう。







お・し・ま・い








巻末コラム:


 今回はコラムはお休みです。

 

 そのかわり、今回ご紹介しました、
 ふたつのお話の原文を引用して
 ご紹介して終わります。






(鹿児島県 川辺郡)


 
 ―― 爺が山へ柴刈りに行く。
 蛇が蛙をのみこもうとしている。

 
 自分の娘を蛇の嫁にやる
 といって蛙を助ける。

 
 男が訪ねて来て娘の聟(むこ)になる。
 娘はやせていく。

 
 薬売りが来、(※原文ママ)
 高い松の木の鳶(とび)の巣の卵を
 食わせるとよくなるという。


 聟が松の木に登ると蛇体を現し、
 鳶につつかれて死ぬ。

 
 薬売りは蛙であった。



  (引用元: 関 敬吾『日本昔話大成 第2巻 本格昔話1』
        角川書店、1978年、P106)
 

 


※ 引用した本には、タイトルや本文で、
 よく「聟(むこ)」、江戸時代や明治時代で使われた
 こちらの聟の漢字が使われています。



 




(新潟県 西浦原郡 )



―― 爺が弥彦参りに行き
蛇に食われようとしている雨蛙を、
娘を嫁にやるといって助ける。


娘に話すと上二人は枕をぶつけて怒る。
末娘が承諾。


瓢箪(ひょうたん)に針を刺し持って行く。
山奥の池が蛇の家。


娘は池に瓢箪を投げて沈ませる。
針が刺さり蛇は死ぬ。


娘は野原の婆の家に泊る。
婆は助けられた雨蛙。


雨皮をもらいかぶって婆になり
長者の家の飯炊きになる。



夜、脱いでるところを見て
息子が具合が悪くなる。


飯炊きを嫁にしたい
というので嫁にする。


雨皮を脱ぐときれいな女。
幸せに暮らす。




(引用元: 関 敬吾『日本昔話大成 第2巻 本格昔話1』
        角川書店、1978年、P113)


 

※ 雨皮を「蛙面(かえるづら)」
 という地域も本の中にはありました。



以上です。毎回これに肉付けをして、
ねこま先生流の日本昔話にしております。😂



では、エンディング行ってみましょう!😎

 






E N D                                         ( ねこま先生が少し違う感じ)                









―― いかがだったでしょうか?



アナタのお住まいの地方にしかない、
地方色豊かな昔話がありましたら、
ぜひ、記事にして教えてくださいね。




同じ昔話でも、地方が異なると、
その背後にある、地域の特色や文化、風習など、
そういったものの影響を受けて、
お話が変化していくのは、面白い現象ですね。



また機会がありましたら、
違う日本の昔話で
やってみたいなと思います。




それでは、最後までお読みいただき
ありがとうございました。




―― さようなら!🐯






次の昔話で、また逢いましょうね。(フフフ。)











※ この話は、『日本昔話大成 第2巻 本格昔話1(1978)』 
  角川書店  関 敬吾(著)  




104ページから118ページ 
「蛙報恩」より

引用&参考にさせていただきました。感謝します。








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