ねこま先生の日本昔話研究 「カチカチ山」編
こんばんは!🐯
日本の昔話を研究して
もうすぐ50年!
日本昔話研究家・ねこま先生です。
アナタは、日本昔話は好きかな?
同じ昔話だけど、地方によって、
お話が違うことがあるんだけど、
そういう経験ってあるかな?
前回、大好評をいただいたので、
今夜も、同じ昔話だけど、
地方によって異なる内容を
ご紹介していこうと思います。
このシリーズは、
以下の本を、引用と参考にさせていただいております。
なお、古い本なので、現在では無い・変更された
地名もありますが、ご了承くださいね。
『日本昔話大成 第1巻 動物昔話 (1979)』
関敬吾(著)
さて、今回選ぶ、日本の昔話は、
タイトルにもありますが、
『カチカチ山』
たくさんあるので、本に書いてある全部は
書かないですが、なるべく紹介したいなと思います。
本そのものは、少し難しかったり、古い言い方もあるので、
多少、ねこま先生語り風にアレンジしております。ご容赦くださいませ。
―― さっそく、スタートです!

<大分県 直入郡 >
※ ウサギも、タヌキも出て来ません。
人間の男が出て来る、珍しいヴァージョンです。
―― ある男が、イノシシを焼き殺そうと火をつけます。
「かちかち様のお通り」、「ぶーぶー様のお通り」
「どんどん様のお通り」と、いっている間に、
―― 焼け死にます。
隣人が、アホなんでしょうか?
マネをしたそうでございます。
その途中で、岩の端にいたら、
イノシシに突き落とされ死亡する。
「なにがやりたいんだコラァ!😡😡😡」(by 長州力 )
ダメだ!こんな『カチカチ山』。
次行くぞ!次!
< 長崎県 佐賀市 >
※ 今度も、ウサギもタヌキも出ません。
不安しかないのですが、人間が出ます。😅
さて、長崎県は、大丈夫なんでしょうか・・・
―― サルが爺(じい)さんにイタズラをするので、
小屋を作ってサルを入れ、
「山のカチカチ鳥だ!」、「山のぼうぼう鳥だ!」
といって、小屋に火をつけてサルを焼き殺します。
「なにやってんだよ!長崎の爺さん!やりすぎだよ!😡😡😡」
こんな『カチカチ山』ダメ!
カチカチ鳥になってるじゃねーか!
山すら出てこない。
次、行くぞ!
今度は、大丈夫だと思いますので、
お読みのアナタも、しっかりついてきてネ。😘
<山口県 長門市 >
※ 次は、ちゃんとウサギとタヌキが出てきます。
ご安心して、お読みください。
―― ある日、ウサギとタヌキが柴刈りに行きました。
終わって、帰り道でのことです。
タヌキは、ウサギを先に行かせました。
ウサギがしばらく歩いていますと、
後ろから、パチパチと音が聞こえたので、
ウサギ
「タヌキさん、後ろでパチパチ音がするんだけど?」
タヌキは、笑いをこらえながら・・・
タヌキ
「カチカチ山のことじゃろ?」
しばらくまた歩いていますと、
パチパチ、パチパチと聞こえます。
ウサギ
「なあ、タヌキさん。
本当に何もないの?」
不安になって、再びタヌキに聞くと・・・
タヌキ
「カチカチ山のことじゃろ?」
タヌキは、また同じ答えでしたが、
「そうかな~。」と首をかしげながら、
ウサギが少し歩いたときです・・」
ウサギ
「アチチチチ~~~!」
背負っていた柴が、
突如、燃えだしたから、
さあ、大変!
ウサギは、背中に大やけどをしてしまいます。
このあとの展開は、
ウサギが、タヌキを舟遊びに誘います。
自分は、木の舟。
タヌキには、泥舟に乗せて
仕返しをするという、お馴染みの展開。
少し変わっているのが結末です。
ウサギとタヌキは、”仲直り”をして、
めでたし、めでたしで終わります。
やっと安心して読めますね。
では、この流れで次行ってみましょう!
< 福島県 南会津郡 >
―― クマとウサギが、「冬垣(ふゆがき)」のため、
茅(かや)を取りに行きました。
冬垣って、馴染みがないと思うので、
少し解説しておきます。
冬垣(ふゆがき)とは?
・冬の間、植物や庭の景観を寒さ・雪・風から守るために
設ける囲いや垣根のこと。
特に庭園や茶庭、盆栽の保護などで使われます。
目的は、冬越しの準備であり、動物の冬眠とは違うんだね。
たとえば、「松に冬垣をする」「椿(つばき)にわら囲いをする」
など、植物の保護作業。
茅(かや)って、アナタわかるかな?
ススキやヨシなどと一緒に
屋根の材料や囲いに使うんだけど、
「かやぶき屋根」って聞いたことあるかな?
イメージしにくかったら、
ススキのような、よく燃える草で大丈夫です。
ウサギが、クマの背負った「かや」に
火をつけて、ヤケドをさせます。
これね、怖いことに理由が書いてないんだよね。
だから、ウサギが火をつけた動機がわからないんだ。
この後を読んでもらうと、わかるんだけど、
このウサギ・・・結構、アブないやつです。😅
ウサギは、ヤケドさせてしまったので、
反省したんでしょうか?
クマに、ヤケドに効く塗り薬をあげます。
「どうも、ありがとう。」っていって、
クマは、ヤケドに薬をたっぷり塗り込みます・・・
クマ
「ギャアアアアアアア~~~~!」
塗った後に、クマが絶叫して苦しみます。
なんと、この塗り薬には、
「蓼(たで)」というトウガラシみたいな
辛味のある植物が入っていました。
ヤケドを治すどころか、トウガラシを
塗り込んでるようなもので、
その痛みは、想像を絶します!
やっぱり、このウサギは、相当ヤバかった!😱
その後、お馴染みの展開になります。
ウサギが、木の舟。
クマは、泥の舟。
これで、「魚獲りに行こう!」
と、ウサギが誘います。
可愛そうなクマさんは、
舟が沈んで死んでしまいます。
暴走ウサギの悪行は、
とどまることを知りません。
このあと、死んだクマさんを、
・・・「クマ汁」にして、
お爺さんと一緒に食べたとさ。
めでたし、めでたし・・・
ウサギとクマさんの間には、
一体、何があったんや・・・
死んだ後に、クマ汁にまでして
食べたいほどの恨みがあったんやろか・・・
それとも、ウサギがひどい奴なのか・・・
関 敬吾先生!
たくさんあるので、仕方ないのですが、
この”モヤモヤ”を解消したいので、
できたら、もう少し動機を書いて欲しかったです!😭
”モヤモヤ”すぎて、
もう、次行こう!次!
< 新潟県 見附市 >
ウサギと、タヌキの代わりに、
貉(むじな)になっていて、
お馴染みの内容。
今、朝ドラ観てるアナタもいるかと思いますが、
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の
『怪談』の中で、のっぺらぼうのお話の、
『むじな(Mujina)』って、タイトルであるよね。
それで覚えてる人もいるかもしれませんが、
本来は、アナグマ(イタチ科)を指します。
混同されやすいんだけど、
タヌキ、ハクビシンも、
むじなと、間違って
呼ばれてしまうんだ。
特に、江戸時代には、
タヌキ = むじなと呼ばれることが多く、
この地方の、『カチカチ山』に、
タヌキじゃなく、むじなが出ている
理由じゃないかなと、
これは、ねこま先生の考察ですが、そう思います。
「むじな」が、タヌキの代わりに
出て来る地方は、他にもあるのですが、
幾つか書いて終わりにします。
<栃木県 那須郡 > <福島県 双葉郡 >
< 秋田県 仙北郡 > <新潟県 佐波郡>
あと、<岩手県 釜石市 >では、
タヌキの代わりに、キツネが出ていました。
さあ、今回最後になります。
これも変わった、『カチカチ山』で、
最後を締めくくって、終わりにしたいと思います。
<山形県 最上郡 >
―― ある日、爺さんと婆さんが、”豆まき”に出かけますと、
一匹のサルがやってきて、掘り返して散らかします。
そこで、餅をまいてと原文にはありますが、
鳥もちのようなものだと思います。
それで、サルは捕まります。
サルは縛られて、木に吊るされます。
爺さんは、山に行ってしまいます。
そうしますと、サルが婆さんに、
「婆さん、小便に出る。」
そういいましたので、
婆さんは、縄をゆるめました・・・
”ガン!”
サルは、スキをみて抜け出すと、
まさかり(大型の斧・金太郎が担いでる)で、
婆さんに、背後から鈍い一撃を食らわすと・・・
”グサッ!”
婆さん
「ギャ~~~~!」
さらに、まさかりの刃は、
婆さんの体に食い込んで、
婆さんは、かわいそうに死んでしまった。
爺さんが帰って来て、
婆さんが殺されており、思わず泣き崩れます。
そこに、カニ、栗、”まったぶち”、
牛のふん、臼(うす)、ヘビ、ハチの、
そうそうたる面々が、助太刀に駆けつけます。
あれ?これは前回やった、『猿蟹合戦』の流れ。😂
”まったぶち”なんですが、色々調べましたが、
はっきりと、わからないのですけど、
恐らくは ――
まったぶち → まったぶち(マッタブチ)
→ 恐らくは、山形の方言・転訛(てんか)した形の
「松毬(まつかさ/まつぼっくり)」を指すのだと思います。
山形・福島・東北の伝承でも、松の実・松毬がしばしば登場します。
トゲトゲしてるのが武器になるので、松ぼっくりだと思います。
トゲトゲの松ぼっくりを、イメージしてください。
あとは、成敗タイムに入ります。
サルが火にあたりにくると栗がはじけ、
味噌桶(みそおけ)で、ヘビが噛みます。
水屋で、カニがハサミで、
チョッキンします。
「水屋(みずや)」とは、
昔の日本家屋や茶道の場で使われた
「水を扱うための作業場」のことです。
土間でまったぶちを踏んで転がったところへ、
ハチが刺して、牛のふんで滑らせたところを、
臼が潰して、サルを成敗して仇討ち成功です。
爺さんは、喜んだところで、
めでたし、めでたしとなります。
『猿蟹合戦』みたいな、『山形のカチカチ山』でしたが、
大団円を迎えたところで、
こちらも、終わりにしたいと思います。
いかがでしたでしょうか?
アナタのお住まいの地方の、
『カチカチ山』は、
どんなお話になっていますか?
よろしかったら、コメント欄で教えてくださいね。
同じ昔話でも、地方が異なると、
その背後にある、地域の特色や文化、風習など、
そういったものの影響を受けて、
お話が変化していくのは、面白い現象ですね。
また機会がありました、
違う日本の昔話で
やってみたいなと思います。
それでは、最後までお読みいただき
ありがとうございました。
―― さようなら!🐯

※ この話は、『日本昔話大成 第1巻 動物昔話(1979)』
角川書店 関 敬吾(著)
194ページから226ページ 「勝々山」より、
引用&参考にさせていただきました。感謝します。
特典画像集:「カチカチしない山たち」(NG画像集)



今回の表紙とED画像、暗かったので、
明るくしてといったら、薄くなってしまった。
なかなか、思い通りにはいかないもんですな。🤔
―― では、また次回を楽しみにお待ちください!
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懐かしいやら、マニアックな内容やらですが、
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