ねこま先生の日本昔話研究 「忠義な犬」編
こんばんは!🐯
日本の昔話を研究して
もうすぐ50年!
日本昔話研究家・ねこま先生です。
アナタは、日本昔話は好きかな?
同じ昔話だけど、地方によって、
お話が違うことがあるんだけど、
そういう経験ってあるかな?
大好評をいただいたので、
今夜も、同じ昔話だけど、
地方によって異なる内容を
ご紹介していこうと思います。
このシリーズは、
以下の本を、引用と参考にさせていただいております。
なお、古い本なので、現在では無い・変更された
地名もありますが、ご了承くださいね。
※タイトル表記は、本に従って漢字ですが、
本編が始まって以降は、動物の名前は
漢字で使う時もあるかもしれませんが、
なるべくカタカナ表記にしたいと思います。
『日本昔話大成 第6巻 本格昔話5(1978)』
関敬吾(著)
―― 時は元禄十五年、十二月十四日(旧暦)の丑三つ時。
空は凍てつき、風は、肌を割くかのような寒さ。
江戸本所・松坂町、吉良上野介の屋敷のあたりは、
まるで時が止まったように静まり返っておりました。
その静寂を破り、
ザッ……ザッ……ザッ……
と、雪を踏みしめる音が聞こえます。
現れましたるは、
浅野内匠頭の遺志を継ぎし四十七士。
先頭に立つは大石内蔵助。
ちなみに十四日は、今は亡き主君、
浅野内匠頭の命日でございました。
大石内蔵助が、門前に進み出て、
声を張り上げます。
「これより吉良上野介、討ち入り仕る!
―― 遅れた者は味方とみなさず!」
表門組と裏門組、二手に分かれ、
ガラガラガッシャーン!
と門を破れば、
吉良家家臣ども、驚いて飛び起きます。
「何者ぞ!」
「賊か!」
「いや、赤穂の浪士よ!」
火花散る刃と刃。
雪の庭に、白刃が走る。
浪士たちは声を合わせて叫びます。
「主君の御無念、今宵こそ晴らす!」
「―― 者ども、かかれい!」
屋敷の奥へ奥へと攻め入れば、
吉良上野介はどこぞへ姿を消したまま。
ここで怨敵・吉良を逃がしたとあっては、
これまでの苦労が水泡と化してしまいます。
赤穂浪士たちに、ここで焦りの色が見え始めます。
「上野介はいずこ!」
「逃がすな、探せ!」
大石内蔵助の指示のもと、
浪士たちは血眼になって主君の仇敵を探しました。
残る場所は、奥座敷の裏手、
煤竹で囲まれた小さな物置のみ。
―― その場にいた浪士全員の視線が、
その小さな物置に注がれました。
”ガンッ!”
まず物置の戸口を蹴破ったのは、
槍の達人、間十次郎と、
間新六親子でありました。
「この中に何者かいるな!出て参れ!」
物置の中は真っ暗。しかし、奥の炭を貯蔵する小屋から、
わずかな気配と、何かを押し込むような息遣いが漏れてきました。
―― 間十次郎は迷わず槍を突き入れます!
”グサッ!”
槍からは、確かに肉を捉えた感覚が伝わってきます。
小屋の中から、低く、苦しげな唸り声が響きます。
「グウゥゥ~~・・・」
間十郎が、槍で差した人物を
内蔵助たちの前へと、引きずり出します。
小屋から引きずり出されたのは、
白い寝間着姿の老人でありました。
雪で濡れた顔は青ざめ、額にはいくつもの切り傷、
そして槍傷からは、血が滴っています。
「その者の顔を、灯りで照らしませい!」
大石内蔵助が近づいて、このような指示をしました。
近くに来た者が、提灯を手にして、
その灯りを頼りに、老人の顔の傷をじっくり検分します。
―― 老人は口を真一文字に結び、身分を明かそうとしません。
しばらく、老人の顔を眺めていた内蔵助が、
「御免!」
そう、詫びてから、
抵抗するその老人の
正面から強引に着物をはぎ取り、
自ら提灯を手に持って、
すぐに、内蔵助は背後に回りました。
そして、老人の背中を提灯で照らし、
まじまじと見つめていました。
―― しばらくすると、
目を閉じたまま、内蔵助が立ち上がり、
その場にいる全員に聞こえるように、
大きな声で次のように言いました。
「間違いない!この背中にある刀傷こそ、
主君・浅野内匠頭様が殿中でつけられた、まぎれもない証!」
まわりの浪士たちからは、どよめきが起きます。
目をカッと見開くと、内蔵助は言葉を続けます。
「額の刀傷、そして、わが殿がつけた
背中の刀傷で、はっきりと確証を得ることができ申した!
この目の前にいる老人こそが、
怨敵・吉良上野介義央殿に
間違いござらん!
―― おのおのがた、寄り集まられよ!」
吉良上野介が、がくっとよろめく中、
どよめきが起こり、
浪士たちは、
仲間を呼ぶ声を上げました。
「いたぞー!いたぞー!」
「怨敵・吉良上野介が、ここにいたぞー!」
吉良上野介にとどめを刺すのは、
映画やドラマなどでは、
大石内蔵助自身が、刀を抜いて
とどめを刺すというシーンもあります。
しかし、実際は、誰がとどめを刺したのかは、
わかっていないので、
とどめを刺したのが誰であるのかは、
読んでいるアナタにお任せしたいと思います。
―― こうして宿願であった、
吉良上野介の御首級を頂戴して、
泉岳寺にある、浅野内匠頭のお墓まで
持って行くわけなんですが・・・
ドラマ・映画・歌舞伎・講談などでは、
よく観たアナタもおられるかもしれませんが、
槍の穂先に、白い布で覆った首を掲げる有名なシーンが
ありますが、あれは創作だそうなんですね。
史実だと、白い布に包んだ首を
手に持って泉岳寺まで運んだそうです。
まあ、今日は12月14日ということで、
『義士祭』が、各地で行われてると思いますので、
ちょっと、雰囲気だけでも味わってもらおうと
少し、講談混じりドラマ・映画混じりの、
「忠臣蔵」をお届けしました。
「忠義」といえば、赤穂浪士たち、
四十七士が一番に出て来ると思いますが、
「義士」なんて呼ばれ方もしております。
動物の世界でも、「忠義」といえば、
「忠犬ハチ公」を代表とします
犬(イヌ)
ワンちゃんでございますねえ。
アナタの家にも、ひょうとしたらいるかしら?
今、隣で寝ていたり、庭にいたりなど様々だと思いますが、
随分と長い長い前フリになりましたが、😂
関係ないわけじゃないんですよ、
タイトルにもありますように、今夜は・・・
『忠義な犬』
と題しました、
むかし話をアナタにご紹介したいと思います。
今回は、『日本昔話大成 第6巻』に、
”定型”がありません。
派生ヴァージョンのみとなります。
いつもとは違って、
そんなに話の変化はないので、
出て来る動物が違うのと、
結末が少し違うくらいなのですが、
似たような話が続きますが、
なるべく、読んでくださるアナタを
退屈させないように書きたいなと思っております。
今夜も、よろしかったら
最後までお付き合いいただけたなら幸いです。
年末で、何かとアナタもお忙しいと思いますので、
早速、行ってみましょう!🐯
(徳島県 海部郡 )
―― むかし、この地に優れた猟師がいました。
玉瀬谷と呼ばれる滝のそば、ふたつのほこらで
イヌを連れて野宿をしていました。
”ワン!ワン!ワン!”
夜中になりますと、
突然、イヌが吠(ほ)えだしました。
あまりにも吠えるのを止めないので、
猟師は、だんだん不安になってきました。
猟師仲間の言い伝えを思い出しました。
”猟犬が、千匹の獲物(えもの)を獲(と)ったら、
その飼い主を襲うので注意しろ!”
”キャィィィ~~~ン!”
猟師は、持っていた山刀(やまがたな)といいまして、
山林での作業に使う刀があるのですが、
それで、イヌの首をスパーンっとはねます。
不思議なことに、斬ったイヌの首は、
そのまま上に飛びますと、
”ガブッ~~!”
なんと、猟師の上には、
大蛇がいて、その大蛇の喉元に、
首だけになったイヌが食らいつきます。
猟師
「だ・・・大蛇だ!」
喉元にイヌの首が食らいついたまま、
大蛇が落ちてきますと、
猟師はこれを山刀で殺します。
猟師は、イヌに申し訳ないことをしたと後悔して、
そこに、イヌの首と胴体を埋葬してお墓を作りました。
そこが、今の「墓の谷」と
呼ばれる地になったそうです。
現在では、ここに犬を連れて来ると、
名犬になるというので、
猟師たちが犬を連れてお参りをするようになりました。
おしまい。
同じ徳島県海部郡で、
また違うヴァージョンがありますので、
こちらも、今からご紹介します。
(※同地方 別ヴァージョン)
―― そのむかし、イヌの代わりに、
オオカミを猟犬として使う猟師がいたそうです。
この猟師も、オオカミを猟犬として
たくさんの獲物を、毎日獲って暮らしていました。
ある日、オオカミを連れて狩りに来ていましたら、
辺りがすっかり暗くなったので、野宿をしようということになって、
岩の下で、一晩過ごすことになりました。
”ワォオオオオ~~~!”
夜中になって、
突然、オオカミが吠えだしました。
何度注意しても止めないので、
だんだん恐ろしくなってきて、
こんな猟師仲間の言い伝えを思い出しました。
”オオカミが、鹿を999匹獲ったら、
1000匹目は、主人を食い殺す。”
そんな言い伝えを思い出したので、
猟師は持っていた山刀で
”スパーン!”っと、
オオカミの首をはねました。
”ガブッ!”
すると、オオカミの首は
猟師の頭上高く舞い上がり、
もちの木にぶら下がっていた
大蛇の首元に食らいつきます。
猟師は、落ちて来た大蛇を殺します。
首だけとなったオオカミに
「すまないことをした。」と詫びます。
オオカミは重たかったので、
首だけ運ぶと、谷の奥に埋めました。
―― そこが、日和佐町赤松という地です。
オオカミの墓は、玉笠大明神という名前になり、
今は、猟師たちが猟犬を連れて、
こぞってお参りするところになりましたとさ。
おしまい。
※実は、この「徳島県海部郡」のイヌ版、
オオカミ版だけで、2ページを使っています。
ほぼ、どれも内容は同じで、
細かいところが違うだけです。
この地方から生まれたむかし話なのかも?
そんな風に思いました。
この地域にお住まいのアナタがおられましたら、
どう思いますか、教えて欲しいですね。
他に、和歌山県有田郡、山梨県甲府でも、
イヌ版のお話がありました。
え~~、😅
今夜はこれで終わりです・・・
っと、いいたいところではございますが、
実は、今夜のむかし話。
イヌ版・オオカミ版に続いて、
”ネコ版”
があります。
『猫の宮』
「山形県 西置賜郡 」のお話があるのですが、
こちらが定型になるのですが、
全文が方言なので、いかんせん伝わりにくいので、
派生ヴァージョンがありましたので、
こちらをふたつ、ご紹介して終わりにしたいと思います。
(福島県 南会津郡 )
―― どれくらいむかしなんでしょうか。
この地方に、こんなお話がありました。
ある夫婦が住んでいたそうです。
その夫婦の家には、
大きいネコがいました。
長く飼っていたので、
当然、かわいがっていたとは思いますが、
ひとつだけ、このネコには、
困ったことがありました。
最近になってですが、
旦那さんが、家を留守にすると、
決まって、奥さんから離れようとしません。
トイレでも、どこでもずっと一緒。
ずっと、そんなことが続くものですから、
奥さんが気味悪く感じてしまって、
「怖いな~、怖いな~、気味が悪いな~。」
って、旦那さんが帰って来た時に
そう、奥さんが旦那さんにいいましたところ・・・
”ザクリッ!”
と、ばかりに
勢いよく、大きなネコの首をはねましたところ、
首は、天井まで高く飛んで、
”ガブッ!”
と、天井から奥さんを狙っていた
大蛇の喉元に、首だけのネコが食らいつきました。
”ボトッ!”
大蛇は絶命して、
ネコの首が食らいついたまま、
落ちて来ました。
大きなネコは、大蛇から奥さんを守ってくれていたのに、
「なんてことをしてしまったんだ」と、
夫婦は泣いて詫びたそうです。
こんな話、あるんですねえ・・・
(福島県 河沼郡 )
同じ福島県で、別の地域の話です。
―― むかし、爺さんと婆さんが寝ていますと、
飼っていたネコが、そばに来て・・・
”ニャオ~~ン、ニャオ~~ン!”
と、注意しても何度も何度も鳴くので、
この家の爺さんは、短気な人だったんでしょうか・・・
”スパンッ!”
と、刀を持ってきて
ネコの首をはねてしまいました。
はねたネコの首は、不思議なことに、
まるで階段を昇るかのように、
2階まで飛んで行ってしまいました。
”バタン!バタン!ガタン!”
その直後、2階から大きな音が聞こえて
なにやら暴れ回るような振動もします。
爺さんと婆さんは、
そのまま寝てしまいました。
翌朝になって、
2階を見に行きましたところ、
大蛇が死んでいて、
喉元には、首だけになった
ネコが食らいついていました。
爺さんと婆さんは、
大変後悔をしまして、
ネコのために、
神社を作ったのか、
元からあったのかは不明ですが、
とにかく、お詫びの気持ちで、
神社に、ネコを祀った(まつった)そうです。
それが、栃木県横川の”猫神社”だそうです。
おしまい。
気になって、栃木県横川に猫神社があるか調べました。
横川にはなかったのですが、
栃木県には、唐澤山神社をはじめ、
多くのネコが集まる神社があるそうです。
「トチペ」様のHPに、
「栃木で猫めぐり」と題されました記事に、
栃木でネコが集まったり、ネコの御朱印や
グッズがある神社、お菓子やパンなど、
ネコをモチーフとしたグルメ店などが紹介されています。
(※ 文字をクリックすると「トチペ」様HPに行けます。)
今夜は、こんなところで終わります。
では、エンディング行ってみましょう!😎
(※これ、誰も触れないけど・・・
ボクの中では、タモリさん風なんだよねえ。🤣)
―― そろそろ、お時間のようです。
今夜も、アナタと日本の昔話を、
一緒に語れたことをうれしく思います。
また次回も、地方色豊かな日本昔話の世界へ、
アナタをお連れしましょう。
数日後の夜にお迎えに参ります。
―― その時まで、さようなら。ごきげんよう。

巻末コラム: 「50ブルーな、ネコマセンセイ🐯」
今回は、むかし話とは関係ない私的なコラムになります。
この記事を投稿したのが、2025年12月14日です。
ちょうど1か月後が、ねこま先生の誕生日でありまして、
なんと、50歳になってしまいます。😂
気持ちは、いつまでも中学生なんですけどね。😅
9月くらいから、先のことや体のことなど、
いろいろと考えてしまうようになり、
”50ブルー”とでもいいましょうか、
ひどく気が滅入って、どうしようもないことが多くなりました。
去年は、観音様みたいな若い女性のお陰で、
前向き、前向きでこれたのですが、
どうも、かけてもらった魔法も消えてしまったようで、
前はよくあった、普通の人からすると
あまりよくないことも考えたりと、悩みと葛藤する時間が増えました。
この先の、何の希望にも解決にもなりませんが、
書いてる時だけは、今、自分が何者であるかも忘れ、
本当の自分でいられるので、
9月や10月が一番しんどくて、
特にいろいろと書きました。
今も、あまり間を作らずに空いてる時間は、
何か書いているようにしています。
そんな50ブルー中な、ねこま先生ですが、
仕事とも呼べませんが、
観音様みたいな若い女性が
お勤めの銀行の口座に、
仕事のお金を入れていますが、
去年より多くお金を入れられたので、
そういう小さいね、自分の進歩を
他の人と比べないで、褒めて大切にして
いこうじゃないかなんて、
前向きになろうとしております。
今年は、初めて有料記事を販売しましたが、
その収入も、この銀行口座に入っています。
金額的にはわずかですが、
ボクには、10万にも100万にも価値があります。
改めて、ご購入してくださった方々には、
この場を借りて、お礼申し上げます。
また、チップをくださった方々にも、
心より感謝しております。
ありがとうございました。
彼女の銀行の口座に、いつか、
いっぱいのお金が入るようになるといいなあ。
彼女に、その通帳を見てもらえたらいいなあ。
なんて儚い夢を抱いております。(これは少し変か🤔)
まあ、長々と愚痴っぽいものを
読ませてしまい、申し訳ない。
ここまでにしましょうね。
50ブルー中で、気が滅入ってしまい、
ダメな時もあって、
ご迷惑をおかけするかもしれませんが、
悩みや葛藤を、書くことで昇華して
いこうと思っておりますので、
また、よろしかったらお読みください。
むかし話を読みに来たのに、
寂しい独身中年男のお悩みを
読まされるとは思わなかったでしょう。😂
ごめんな~。ほんと、スマン。🙇
あんまり先のことを考えないで、
人と比べたりしないで、
目の前のことに、全力投球したいと思います。
とにかく、50ブルーになっても、
この冬は、このシリーズに
力を入れていきたいと思いますので、
楽しみに待っていてくださいね。
年末の日曜の夜に、おっさんのお悩みを
読ませてしまい、申し訳ございませんでした。
年末でお忙しいと思いますので、
体調を崩したり、車も忙しく走っておりますので、
事故などにも、お気をつけくださいね。
コラムという名の、
おっさんのお悩み報告は、これで終わります。😁
今日でしか書けない気持ちと内容だったので、
まとまりもなく、面白くない話ですが、お許しくださいね。🐯
―― いかがだったでしょうか?
アナタのお住まいの地方にしかない、
地方色豊かな昔話がありましたら、
ぜひ、記事にして教えてくださいね。
同じ昔話でも、地方が異なると、
その背後にある、地域の特色や文化、風習など、
そういったものの影響を受けて、
お話が変化していくのは、面白い現象ですね。
また機会がありましたら、
違う日本の昔話で
やってみたいなと思います。
それでは、最後までお読みいただき
ありがとうございました。
―― さようなら!🐯

※ この話は、『日本昔話大成 第6巻 本格昔話5(1978)』
角川書店 関 敬吾(著)
99ページから102ページ 「忠義な犬」より、
引用&参考にさせていただきました。感謝します。
いいなと思ったら応援しよう!
懐かしいやら、マニアックな内容やらですが、
もし、よろしければですが、サポートして頂けたら
大変、嬉しく感激です!
頂いたサポートは、あなた様にまた、楽しんで頂ける
記事を書くことで、お礼をしたいと思います。
よろしくお願いします。