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「厚労省委託事業で水増し請求疑い」に思うこと/ノンキャリアの霞が関つれづれ草

本日2025年6月12日、「厚労省委託事業で水増し請求疑い(NHK)」といったニュースが流れてきました。

NHK 厚労省委託事業で水増し請求疑い 元社長逮捕 他事業でも不正か
東京新聞 【独自】厚生労働省事業で4000万円詐取か 警視庁がコンサル元社長ら逮捕 ペーパーカンパニー使い水増し


ニュースを見た所感

このニュースを見て思ったことは、「あぁ~またいいようにやられたのね」、「よく不正が分かったな」というものです。

「あぁ~またいいようにやられたのね」とは

このように思ったのは、厚生労働省の委託事業は、よく不正にあっているからです。
ちょっと検索するだけで、次のとおり出てきます。

①47NEWS <税を追う>ホームレス就労講習 国ずさん管理 受託費不正2億円 都内業者(2020.05.08)
②東京新聞 地方移住セミナー参加者に5000円、厚生労働省が「サクラ」認める 人材派遣会社に委託費返還を請求(2020.11.19)
③朝日新聞 国からの委託事業、相次ぐ不正請求「努力の分だけ損」(2021.08.17)
④中日新聞 愛知で活動のNPOに2億円の返還命令、就労支援事業不正 東京地裁判決(2022.02.16)
⑤朝日新聞 電通系企業、コロナ事業で1.1億円過大請求 届け出なく再々委託も(2025.01.20)

それにしても、今回の事件、東京新聞によると「ランゲートは2019~2023年度、厚労省から192事業(総事業費82億円以上)を請け負っていた」とのことですから、相当カモにされましたね。。。
記事の扱い的にも東京新聞の特ダネなんでしょうね。

「よく不正が分かったな」とは

どうして不正が発覚したのだろうか?と思いました。
会計検査院の検査で発覚したからか、ランゲートの社員から通報が厚労省にあったからか。
税務調査での発覚だと厚労省に情報くれないと思います。

厚労省自ら不正を発見したことはおそらくないでしょう。
なぜなら、厚労省は委託先を監査しないからです。

また、委託事業について、「精算報告書」というものを委託先から提出させますが、その精算報告書に記載された額が正しいものであることを裏付ける請求書の写し等は提出されません

悪意のある人達にとっては、やりたい放題なわけです。

なぜ監査しないのか

なぜ監査しないのか、思いつく理由としては、次の点です。
ⅰ 通常業務が忙しく監査する時間がない
ⅱ 監査能力がない。訓練を受けていない
ⅲ 委託先が不正すると思っていない
ⅳ 監査で見逃した場合、責任を問われかねない

ⅲについて、「バカな!!」と思う方もいらっしゃると思いますが、厚労省職員の多くは本気で思っています。
私は、課長級の上司含め何人かから「この団体が悪いことするわけない」と言われたことがあります。

ⅳについて、最初の監査で不正を見つけられず、次の監査で不正を見つけたとします。この場合、最初の監査した職員は何をやっていたんだ?となるわけです。
そんなことになるので、「監査しない」という思想になるのです。

ⅲとⅳは、私の実体験であり、妄想ではないこと付け加えておきます。

監査することもある

監査した経験

絶対監査しないわけではなく、監査することも稀にあります。
上記した「①47NEWS <税を追う>ホームレス就労講習 国ずさん管理 受託費不正2億円 都内業者(2020.05.08)」は、私が監査で見つけた事案です!(自慢)

このほかにも、ニュースにならない数百万円レベルの不正も何件か監査で見つけました。

私が監査を行ったきっかけは、「今年度は監査することにたまたまなっていた」り、「委託事業の実施状況に疑問があった」りしたからです。

このように、偶然監査しただけで何件も不正が見つかるのに、原則監査をしないということをいつまで続けるのでしょうか?

いうまでもなく、国民からいただいた税金や社会保険料で委託事業を実施しているのですから。

雇用調整助成金の不正は積極的に調査

雇用調整助成金は、コロナ禍時期における雇用維持政策として、非常に多く活用されました。
その際、迅速な支給を行うため、審査が簡便化されました。

結果、不正受給が相次いで発覚しています。
「迅速な支給」を優先したことは、当時の状況を考えればやむを得ないと思います。

しかし、そうした不正を許すことはしていません。
現在、都道府県労働局において、積極的に調査を行っており、刑事事件となっているものもあります。

不正受給実績【令和7年3月末実績】
支給決定取消件数:4,100件
支給決定取消金額:約978億6千万円
回収済額    :約735億4千万円

出典:厚生労働省HP

このように、労働局の調査能力を活用して、委託事業も監査を行えばよいと考えます。
委託事業が仕様書どおりに行われているかは、事業の担当者でなければ判断できないでしょうが、帳簿のごまかしがないかは労働局の職員でも検査できるでしょう。

今回はここまでです。
ご覧いただきありがとうございます。

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