サッカーW杯の熱狂の裏で進む『議会制民主主義の崩壊』
皆さん、サッカーのW杯にすっかり注目が集まっていますが、その裏で国会審議がどうなっているかご存じでしょうか?
スポーツの大きなイベントで日本中が盛り上がっている隙に、十分な審議を経ないまま重要な法案が次々と可決されようとしています。みんなが同じ方向を向いている時に、多数派の力で押し切る。これは過去にも見られた光景ですが、あまりにも酷い話です。
例えば、いつの間にか『議員削減』に論点がすり替わっている政治改革の話。。本当に定数を減らして良いのでしょうか?
少数政党の声を拾うための比例代表制でもあるはずです。小選挙区制自体に無理がある日本で、1年以内に議論がまとまらなければ強制的に45議席減らすなどという強引な手法は、まさに議会制民主主義を壊す行為だと感じます。
保守だからこそ『丁寧な熟議と合意形成』を求めたい
ちなみに、自分は保守です。
『こうすれば全て上手く行く!』といった社会主義的な思想は持っていません。
保守の本来のやり方とは、議論を重ね、少数派の意見にもしっかりと耳を傾け、『なるほど』と思う部分は取り入れながら、丁寧に合意形成を進めていくことのはずです。 数の力や権力だけで自分たちのやりたいことを全部やるなら、極論、議会は必要ありません。
『新しい戦前の始まり』何年か前の徹子の部屋でタモリ氏が語ったあの言葉の意味が、薄っすらと見え始めてきた気がしてなりません。

さてここからが本題、なぜ今「国旗損壊罪」なのか?
そして本題の『国旗損壊罪』の話です。 外国国旗の損壊については、外交問題への発展を防ぐ目的で刑法92条(外国国章損壊罪)が存在します。『日本国旗にも同様の法律を』という主張は一見もっともらしく聞こえますが、この議員立法(内閣ではなく議員自身が提出する法案)の議論はあまりにも杜撰です。
今回の法案では『人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊』した場合に罰せられるとされています。
一体『不快や嫌悪の情』は誰が、どのような基準で判断するのでしょうか?
憲法違反の疑いと『感情』で罰する危うさ
人によって基準が曖昧な『感情』を根拠に刑罰を科すことは非常に危険です。
これは日本国憲法第19条の『思想及び良心の自由』に抵触する恐れがあります。さらに、第31条が定める『適正手続の保障(法律の定める手続きによらなければ刑罰を科せられない)』との整合性にも大きな疑問が残ります。
現行の最高法規である憲法を蔑ろにしてまで、
急いで作るべき法律なのでしょうか。
法律の抜け穴が『炎上商法の道具』にされる日
さらに最大のオチとも言えるのが、委員会での議論で露呈した法律の欠陥です。
6月24日の衆議院内閣委員会での議論、中道改革連合の階幹事長と自民党の塩崎議員とのやりとりでも明らかになったように、『動画サイトやSNSなどでリアルタイム配信した場合は違反になるが、ディレイ配信の場合は処罰されない』
という、全く意味の分からない建付けになっています。『1分遅らせて配信すれば合法』と法案提出者自らが発言している時点で、この法律の危うさと国会議員のネットリテラシーの低さが浮き彫りになっています。
憲法第21条で『表現の自由』が保障されている中で、こんな抜け穴だらけの法律を作ればどうなるか。逆に『ディレイ配信なら捕まらないから』と、YouTubeやSNSで再生数を稼ぐための『炎上商法・金儲けの道具』にされるだけではないでしょうか。
火のないところに煙を立たせるような、あまりにもレベルの低い議論を見せつけられ、私は強い危機感を覚えています。
