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小さな楽しみと幸せを積み重ねて

夫は言う。
「かおりの楽しみをつくるのが、俺の役目だから」

そう言って、あれこれと楽しいことを考えてくれる。

私はがんという病気になってから、やれることが減った。かなり減った。
仕事も増やせない、大好きなお酒も飲めない、キャンプもできない、料理など家事もろくにできない、友達と遊ぶことさえたまに調子の良い時しかできない。

そんな私に楽しみをつくってくれる。
小さなことでも、それが毎日降り積もる。
積もって積もって、どんどん高くなる。
私はその優しさのうえで、とても安心していて、体や心がしんどい時もがんばれる。

今年は梅の花を見に行くタイミングが悪かった。行こうと思った日には雨が降って散り、それでもとりあえず行ってみようと思った休日は体調が悪く、あきらめるしかなかった。
そうしたら、夫が平日の昼間に少し時間をとってくれた。
昼前に出発。車で行ける近場の長岡天満宮だ。
梅の見頃はとっくに終わっているのはわかっていたが、天気がよくポカポカと暖かい。そんな中を少し散歩するだけでもいいかなと思った。もし梅が残っていたらラッキーだ。それくらいの気持ちだった。

神宮の梅林のほうへ行ってみると、やはりもう梅は終わっているようだった。例年なら華やかな色と香りが漂う空間が目の前に現れるのだが、味気ない枯れ木の軍団がそこにあった。
ふと北海道のひまわり畑のことを思い出す。あの時は、しょぼくれて下を向いたひまわりが一面に広がっていて、ショックで立ちすくんでしまったのだったな。
でも今回は半ばあきらめて来たのでショックはなかった。
それに梅はなかったが椿はあった。

椿は満開で散り始めていた
真っ赤な椿がとても美しかった

それで気を良くして歩いていくと、遅咲きの梅が少しだけ残っているのにも出会えた。

撮りようで、ちゃんと梅林に見える
空の青さとのコントラストがきれい
桜のような梅もあった

それほど広くもないし、咲いているのは2本だけだったので、あっという間に梅見は終わった。
でも、今年も梅を見られてよかったと思う気持ちの方が強くて満足だった。
暖かくて、春を全身で感じられた。

その後、お昼ごはんにスシローでお寿司を食べた。なんだかいつもよりおいしく感じられて、ちょっと食べ過ぎた。
いちごのパフェまで追加した。
糖分はガンのエサだし、コレステロール値も高いので、甘いものを控えようと思っているのだが、なかなか実行できない。できるだけ我慢しているが、「ちょっとくらいは」と自分を甘やかしてしまう。
罪悪感はあったが、それでも満足!

平日昼間のほんのわずかな時間。
2、3時間のお出かけ。
だけど、すごく幸せな気持ちになった。
夫が「リモート最高やな」と言った。確かに毎日会社に出勤していた時には考えられないようなことだ。
いつも私に楽しみをくれる夫に感謝。
小さな幸せや楽しみを積み重ねて、私は今日も生きていく。

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