日本最強の御守りを授かったよ♪
病気になってから、「御守り」をもらうことが増えた。
すべて仕事部屋の壁に吊るしたり棚に置いたりと、大事にして祈りを捧げている。
神様も宗派もごちゃ混ぜでなので、見る人が見たら「カオス!」と嘆くかもしれない。
でも、大切なのは、御守りに込められた想いだ。私を心配し、少しでも病気がよくなってほしいと願ってくれる、その気持ちを大事にしている。ズラリと並んでいる御守りたちを見ているだけで、ありがたくて涙が出そうだ。
人の祈りは尊い。
昨日、また御守りをもらった。
「登山して、そこにあるお寺に強力な御守りがあったから、Kaoriさんにあげたい」と、友人のKくんからLINEが来たのだ。
Kくんは、仕事仲間以外では、この世に2人しかいない私の貴重な「男友達」のうちの1人だ。学生時代の塾のアルバイトで出会い、塾を辞めてからもたまに会って、飲んだりご飯を食べたりしていたら、30年以上経っていた。時の流れの早さが恐ろしい。
今回はうちの近くまで持って行くと言ってくれたので、近所では一番オシャレなカフェを指定させてもらった。(田舎なのでとにかく店がない)
窓際のゆったりしたソファ席でパスタランチを食べながらおしゃべり。キャンプやAI、私のエッセイ集のことなど、たわいもない話題ばかりだったが楽しくて、あっという間に3時間が過ぎた。
長い付き合いだから、いつ会っても気楽でいいなと思う。
また、登山中にお寺で御守りを見た時に、私のことを思い出してくれたことも嬉しかった。
さて、この御守りだが、詳しく聞いてみれば、日本最強のご利益との評判の、とんでもない代物だった。
世界遺産である「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録され、さらに日本最高所の国重要文化財の寺院「大峰山寺」で授与される。その名も「九重守(ここのえまもり)」だ。
まず、この大峰山寺がすごい。
標高1700mの山上ヶ岳山頂に建てられており、ちゃんと「登山」をしなければたどり着けない場所にある。令和の現在も女人禁制を貫いているし、登頂期間も5月3日~9月23日までと決まっている。気が向いた時にふらっと行けるような寺ではない。
そこで授与されるこの「九重守」がまたすごい。
何がすごいって、何と言ってもこの見た目!
普通の御守りとは違って、仏像・曼荼羅などが描かれた巻物形式なのだ。木箱に厳重に納められていて、誰でも見た瞬間はちょっと「おお~っ!」となる。

いかにもご利益がありそうだ。
家庭内の困難や心病の極限に当たった場合、この巻物を開封すればご利益が得られるという。使えるのは人生で一度きり。つまり、「今が人生最大のピンチだ!」という場面で、この巻物をさーっと開くと、ピンチが解決するというのだ。
それを聞いたら、開いた巻物からピカ―ッと光があふれる様子が目に浮かび、ワクワクが止まらなくなった。たぶん(絶対)光らないだろうが、そういうイメージだ。
ちなみに一度も開封しなければ、一家が無事平穏で安泰だった証明になる。なんとかこの巻物を開かないままで人生を終えたいものだが、開いてみたいという変な欲望もあるんだよなぁ、これが。
そう、私はドラマでも小説でも何でも「結末を早く知りたい派」。すでに巻物の中を知りたくて仕方がなくなっている。
「鶴の恩返し」の主人公なら、ソッコーで障子を開けるタイプね。
「浦島太郎」なら、躊躇なく玉手箱オープン!
しかし、この御守りはまだ開けるわけにはいかない。欲望だけで開けるなんてとんでもない話だ。
(そういえば子どもの頃、袋型の御守りの中身が知りたくて、親に「罰が当たるよ!」と脅されても、我慢できずにこっそり開けていたことを思い出した)

結構長いのね!
あ~、中を見てみたいという欲望に負けそう……
「いつ開くんやろね」とKくんと話す。
「やっぱり余命宣告を受けた時かなぁ」と私。
Kくんは何も言わず、苦笑いしていた。
この御守りを授かったことで、なんだか強気になった。ピンチも乗り越えられる気がする。人間(私)って単純だな。
そして、いろんな意味で、今日から「この御守りを開かないこと」が一つの目標になった。(欲望に負けてはいけない!)
部屋の壁に並んだ御守りを見る。
また増えて、すっかり御守りだらけだ。
それだけたくさんの人の祈りに私は支えられているということなんだな、と思う。
ありがたい。
私もまわりの人に対してこんなふうに「何か」できる人でありたいとも思った。
皆からもらった優しさや愛情を、この世にしっかり返していこう。
