前向きな後ろ向き
夕暮れの公園を奇妙な歩き方をする男がいた。
彼はいつも後ろ向きに歩いていた。
前を向くことなく、背中で道を確かめるように。
「またあの人だ」
高校生の凛は部活帰りにその男を見つけるとベンチに腰かけて様子を観察した。
男は背筋を伸ばし一歩ずつ確かな足取りで、まるで何かを確かめるように後退していく。
不思議と危なっかしさはなかった。
ある日、凛は思い切って声をかけた。
「どうして、後ろ向きで歩くんですか?」
男は立ち止まり、微笑んだ。
「前に進むためさ」
「え?でも後ろ向きじゃ――」
「過去を振り返りながらでないと前には進めないこともある。私はね、大事なものを後ろに置いてきてしまった。だからそれを確かめながら進んでいるんだよ」
男は妻を亡くしていた。事故だったという。
未来にだけ目を向けようとすると、彼女の笑顔を忘れてしまいそうになる。
消したくない大切な思い出。
それが怖くて彼は後ろ向きに歩き始めたのだった。
だが、決して立ち止まってはいなかった。
「少しずつでいいんだ。受け止めながら、未来へ行けばいい」
それ以来、凛もときどき後ろ向きに歩いている。
小さな失恋のあと。
仲直りできなかった友達のことを思い出すとき。
振り返るたび、前を向く勇気が湧いてくる気がした。
終わり
ボツ画像※みんフォト追加してます


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不倫を美しい物として扱っている作品って
— 浮気_独身偽装_失踪@ブルーフィールド (@yokohama_BF) May 2, 2025
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