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🎬⌚️ポール・ニューマンモデルが欲しい


🏁はじめに

⚠️このnoteはロレックス・デイトナ「ポール・ニューマン」モデルについて調べた内容を、自分用の備忘録も兼ねて一つにまとめた。

正直かなりの長文だが興味のある方の参考になれば幸いである。

ロレックス・デイトナは時計好きの人なら誰でも知っている腕時計だが、その中でもハリウッドスターの故ポール・ニューマンが所持していたモデルは「ポール・ニューマン」モデルと呼ばれる。

ちなみに、映画「栄光のル・マン」 (1971年)の主演はスティーブ・マックイーンであり、こちらも大のクルマ好きで知られていた。


🏁ロレックス・デイトナについて

ロレックス・デイトナ、及びその中でも「ポール・ニューマン」と呼ばれるモデルについて説明する。


⌚️基礎知識

ロレックス・デイトナといえば数あるロレックスの中でも人気のクロノグラフである。

ロレックス社公式サイト「コスモグラフデイトナ」商品詳細

ステンレス・スティール製のオイスターケース&3列リンクのオイスターベルト仕様の最もベーシックな現行モデルで定価2,499,200円(税込)。

「ロレックス・マラソン」という言葉もあるぐらいで、近頃ではロレックスの時計が全体的に本来の価値を超えた投資資産として価格が高騰、また転売屋の跋扈もあり、正規ディーラーの店頭に行けばすぐに買えるというようなものではなくなってしまっている。

このため、正規ディーラー以外では以下に示すプレミア価格で取り引きされている。


⌚️「ポール・ニューマン」モデルとは

レース好きで知られ、実際に1979年のルマン時間耐久レースで総合2位 (IMSA2.5クラス優勝)したこともあるハリウッドスター、故ポール・ニューマンも愛用していたエキゾチック・ダイヤルと呼ばれる文字盤を使用したロレックス・デイトナ (Ref.6239)は通称「ポール・ニューマン」モデルとして時計好きには広く知られている。

ポール・ニューマン × ロレックス・デイトナ(Ref.6239)エキゾチック・ダイヤル仕様

このエキゾチック・ダイヤル仕様のRef.6239を狭義の「ポール・ニューマン」モデルと呼ぶ。

また、ロレックス・デイトナの第三世代までに存在するエキゾチック・ダイヤル仕様を広義の「ポール・ニューマン」モデルと呼ぶ。

Ref.6239を含む「ポールニューマン」モデルの全バリエーションについてはこちらを参照。

◆Ref.6239[通称"OG")
 1963年導入。ポール・ニューマン所持モデル。赤秒針トラック、ポンプ式プッシャー、スチール/ゴールドベゼル。
テキサス州の高級宝飾店 Linz Brothers が極少数販売した、文字盤に"LINZ"ロゴの入った希少バリエーションも存在する

◆Ref.6240[通称"Oddball”(異端児)]
 ねじ込み式プッシャー初採用。エキゾチック・ダイヤルを使用しているものは1967年の1.65M番台 (165万番台)のみの極少数、黒文字盤のみ

◆Ref.6241[通称なし]
 Ref.6239と同一だが黒アクリルベゼル。1966〜69年製造

◆Ref.6262[通称"Baby Panda”]
 Ref.6239同様スチールベゼル・ポンプ式だが白秒針トラック、高振動ムーブメント

◆Ref.6264[通称"Baby Panda”]
 Ref.6262のブラックベゼル版。1969〜72年頃製造

◆Ref.6265[通称"Panda"]
 白黒配色、スチールベゼル。1971年〜1980年代まで製造(エキゾチック・ダイヤル仕様は70年代半ばで終了)

◆Ref.6263[通称"Holy Grail”]
 ブラックベゼルの完全な”Panda”。RCO/“Oyster Sotto”と呼ばれる黒文字盤の希少バリエーションも存在する

ROLEX DAYTONA PAUL NEWMAN ロレックス デイトナ ポール・ニューマン
芸文社、2023年、税込5,000円
「ポール・ニューマン」モデルだけをテーマに1冊の書籍が出版されるほど、このモデルは時計史を代表する存在となっている

2017年10月にはポール・ニューマン本人が実際に愛用していたエキゾチックダイヤル仕様のRef.6239がオークションにかけられ、腕時計における史上最高額の$17,752,500 (1,775万2,500ドル、2017年10月の為替レートで約20億円)で落札された。

オークション会社の出品告知記事を以下に示す。

ポール・ニューマンが愛用していたのと同じ、エキゾチックダイヤルを備えたRef.6239や、その他の広義の「ポール・ニューマン」モデルもまた元々の生産数が少ないことから数千万円〜2億円の値がつき (モデルやコンディションにより異なる)、一般人がちょっとやそっと頑張って貯金したぐらいでは買えないスペシャルなモデルとなっている。

ティファニーが販売した中には、文字盤に"TIFANNY&Co."のロゴが入っているものもあるようだ

以下のコレクター向け動画では歴代の「ポール・ニューマン」モデル全7モデルの内、少なくともRef 6239, 6262, 6263が登場する。
(動画には4つ出てくるので筆者が何か見落としている可能性は高い)
ベゼルや文字盤のロゴ、プッシュボタンの違いなどを見ておくと勉強になる。

また、先にちらっと触れた、テキサス州の高級宝飾店 Linz Brothers が極少数販売した、文字盤に"LINZ"ロゴの入った希少なRef.6239とRef.6263 OYSTER Sottoについては以下の通り。

Ref.6239 × Linz Brothers(Texas)

和訳

テキサス州の高級宝飾店 Linz Brothers が販売した、この極めて希少なロレックス Ref.6239「ポール・ニューマン」デイトナは、現存が確認されている数本しかない個体のうちの一本です。

1968年頃に製造されたこの時計には、小売店である Linz の反転した「N」を特徴とするロゴが文字盤に印字されています。

Linzは、ロレックスの文字盤に自社ロゴを印刷することを許された限られた販売店の一つでした。しかし、Linzのサイン入り文字盤はごくわずかしか製作されなかったため、この仕様・このコンディションのポール・ニューマン・デイトナは極めて希少な存在となっています。

現在この時計は、当社ヨーク・アベニュー・ギャラリーにおいて、ジュエリー、ハンドバッグ、スニーカーなど、Luxury Week オークションに出品される品々とともに展示されています。

ぜひ今週開催中の展示会へお越しください。詳しくはプロフィールのリンクをご覧いただき、6月10日にニューヨークで開催される「Important Watches」オークションの見どころについては @sothebyswatches のアカウントもぜひご覧ください。

https://www.instagram.com/p/CP1EPY4haLh/
Ref.6263 OYSTER Sotto
※Sottoはイタリア語で「下」という意味
("OYSTER"が下)
落札価格実績は1,662,500スイスフラン(約1億8千万円)
左 Ref.6263 OYSTER Sotto
右:Ref.6239
ref.6263 SottoはOYSTERケースが使用されていることを強調するために文字盤に"OYSTER"が後書きされた
このため、通常の並び (ROLEX/OYSTER/COSMOGRAPH)とは異なっている

⌚️「ポールニューマン」モデル(実物)

ポール・ニューマンが実際に使用していたエキゾチック・ダイヤル仕様のロレックス・デイトナの詳細は以下の通り。

ポール・ニューマンが所有していた実物画像 (1/7)
ベゼルはステンレスシルバー

出品物詳細

◆メーカー
 ロレックス
◆製造年
 1968年
◆リファレンス番号
 6239
◆ケース番号
 2,005,325
※裏蓋に「Drive Carefully Me(安全運転でね。私より)」の刻印。また、左上ラグ裏側には手彫りの管理番号「D61798」が刻まれているが、おそらく販売した高級宝飾店ティファニー (ニューヨーク本店)の在庫管理用の番号だと思われる。
◆モデル名
 コスモグラフ デイトナ「ポール・ニューマン」
◆素材
 ステンレススチール
◆ムーブメント
 Cal.722、17石、手巻き
◆ブレスレット/ストラップ
 クロコダイル製「バンド(BUND)スタイル」ストラップ
◆バックル
 ステンレススチール製(ロレックスの刻印なし)
◆サイズ
ケース径 37mm

⚠️筆者注:現行モデルのケース径は40mm、歴代の「ポール・ニューマン」モデルは全て37mm
⚠️筆者注:歴代の「ポール・ニューマン」モデルは現行モデルと違ってリューズガードが無い
このため、ケースの小ささと相まって、さらにコンパクトに見える

◆付属品
 ・ネル・ニューマン(ポール・ニューマンの娘)の署名入り来歴証明書(原本のコピー)
 ・ポール・ニューマンとジョアン・ウッドワード夫妻の別荘「Nook House」にあるツリーハウスを写した写真(額装済み)

◆補足
 ・裏蓋の刻印“DRIVE CAREFULLY ME” は、一般的には「Drive Carefully, Me(安全運転でね。私より)」という意味で解釈されている。この刻印は、妻のJoanne Woodwardがポール・ニューマンに贈った際に刻ませたことで有名。
 ・BUND-style strap は、時計本体の裏に革の当て革(パッド)が付いたストラップで、元々は軍用時計などで使用されていたデザイン。今回の個体も、このスタイルのクロコダイルストラップが装着されている。

オークションカタログに掲載されたエッセイ

オリジナルのロレックス「ポール・ニューマン」デイトナが市場に出品されると、世界中のコレクターが注目します。それを所有することは、多くの時計愛好家にとって夢そのものです。

今回、初めて市場に登場したこの個体こそ、「ポール・ニューマン」デイトナの中でも、他のすべてが比較対象となる基準とも言える存在です。

おそらく1968年に購入されたこのRef.6239(“エキゾチック・ダイヤル”仕様)は、モータースポーツへの情熱を抱き始めたばかりのポール・ニューマンへ、妻のジョアン・ウッドワードが贈ったプレゼントでした。

ポール・ニューマンは生涯を通じて、複数世代のデイトナを着用していました。しかし、この「エキゾチック・ダイヤル」のデイトナは、彼が着用した最初であり、唯一の一本です。そのため、本機は究極のロレックス・デイトナであると言えるでしょう。

この腕時計は、長年にわたりポール・ニューマン自身が愛用し続けた一方、その後所有した出品者ジェームズ・コックスによって大切に保管されてきました。ケースは当時のプロポーション、ライン、エッジをそのまま維持しており、私たちの見解では一度もポリッシュ(研磨)された形跡はありません。

また、ケースバックに刻まれた「DRIVE CAREFULLY ME(安全運転でね 私より)」という素晴らしい刻印も、非常に鮮明で、完全な状態のまま残されています。



この時計は、おそらくニューヨークのティファニーで購入されたものであり、高級宝飾店ティファニーが管理のために刻印したと考えられる在庫番号が、左側ラグ裏面に刻まれています。

文字盤は年月を経て、クリーム色を帯びた温かみのある美しいパティナ(経年変化)をまとっており、その年代にふさわしい魅力を放っています。夜光インデックスも夜光針とともに味わい深く経年変化しており、いずれも完全なオリジナルの状態で残されています。

さらに、本品にはポール・ニューマンの娘、ネル・ニューマンによる署名入りの書簡が付属しており、この時計の来歴(プロヴェナンス)と、今回の売却への彼女自身の支持が記されています。

デイトナというモデルは、このまさにこの一本の時計によってポール・ニューマンと永遠に結び付けられ、彼によって世界的な名声を得ました。

したがって、本ロットは、20世紀を代表する時計の中でも、最も伝説的で、最も重要で、そして最も広く知られた一本を所有できる、一生に一度あるかないかの機会と言えるでしょう。

この時計がニューマン家の身内以外の手に渡って以来、そしてジョアン・ウッドワードが購入してから約50年を経て、今回初めて市場に登場します。

今回の出品では、落札代金の一部がThe Nell Newman FoundationおよびNewman’s Own Foundationへ寄付され、ポール・ニューマンが生涯大切にした慈善活動の理念を支援するために役立てられます。

完璧な来歴、ジョアン・ウッドワードが刻ませた感動的な「DRIVE CAREFULLY ME」の刻印、そして素晴らしいオリジナルコンディション──これらすべてを備えたポール・ニューマン本人の「ポール・ニューマン」デイトナは、世界で最も貴重で、そして何物にも代えがたいタイムピースの一つです。

まさに、史上最高の一本と言えるでしょう。

文献掲載

この実際の腕時計は、ポール・ニューマンが着用している姿として、これまでに出版された数百点もの写真に写っている。

その代表例として、「Paul Newman: A Life in Pictures」(ピエール=アンリ・ヴェルラック著)や、「Ultimate Rolex Daytona」(プッチ・パパレオ編)には、この時計がポール・ニューマンの腕に着けられた状態で大きく掲載されている。

「Paul Newman: A Life in Pictures」
(ピエール=アンリ・ヴェルラック著)
「Ultimate Rolex Daytona」
(プッチ・パパレオ編)
ポール・ニューマンが所有していた実物画像 (2/7)
ベゼルはステンレスシルバー
文字盤には上部に王冠マークと"ROLEX","COSMOGRAPH"、中央下部のスモールダイヤルの円に沿う形で赤字の"DAYTONA"
ポール・ニューマンが所有していた実物画像 (3/7)
時計ベルトはクロコダイルのNATO BUND Style
BUND Styleストラップの説明
日本でも「クロノワールド」というお店で、クロコダイルではないが、イタリア製の耐水レザーを使用したものが5000円程度で売られている
ポール・ニューマンが所有していた実物画像 (4/7)
ポール・ニューマンが所有していた実物画像 (5/7)
ポール・ニューマンが所有していた実物画像 (6/7)
裏蓋の刻印"DRIVE CAREFULLY ME"がよく分かる拡大画像
ポール・ニューマンが所有していた実物画像 (7/7)
エキゾチック・ダイヤル下部の拡大画像

⌚️国内販売例

ポール・ニューマンモデルは68,000,000〜70,000,000円あれば買えるらしい。
ポール・ニューマンモデル≒東京都江戸川区のマンション (笑)

680万ではなく6,800万

🏁SEITONAという選択肢

現行の最もベーシックなロレックス・デイトナでもちょっとした高級車が買えるぐらい高価なのに、本物の「ポール・ニューマン」モデルは宝くじにでも当選しないかぎり手に入れることは叶わない。

ではどうするつもりなのか。


⌚️前提知識 (モディファイ文化)

腕時計の世界にはセイコー5を流用改造したり、セイコーのムーブメント (NH35やVK63など)と社外品のケースや文字盤、針などを組み合わせて自分好みの腕時計を組み立てるモディファイという文化がある (※)。

※モディファイ (Modify)を略してMODと言うこともある。

中華通販のAliExpressを見てみると、メカニカルクォーツのムーブメントとして知られるVK63や機械式ムーブメントのNH35などを使用して自分好みの腕時計を組み立てたい人向けに、社外品のケースや文字盤、時計の針などが売られている。その中には本家のロレックス・デイトナにデザインが酷似した完成品やそれを組み立てるための部品も販売されている。

⚠️ブランド名やロゴを無断で使用すると商標権などの問題となる可能性がある。一方、外観デザインのみを参考にしたオマージュウォッチは広く販売されているが、法的評価は個別のデザインや販売形態によって異なる。


⌚️SEITONA〜デイトナ・オマージュ

通称"SEITONA"(SEIKO + DAYTONA)と呼ばれることもある、ムーブメントにセイコーのVK63を使用したデイトナのオマージュを組み立てるためのパーツや、既に組み立てられた完成品がAliExpressにて売られている。

セーフな例
デイトナ・オマージュは多くのブランドから販売されている。一般的には文字盤に独自ブランド名を入れており、ロレックスを名乗るものとは区別される
パガーニデザイン製のものは日本でも税込定価29,800円で買えるので、ブランドロゴを気にしないならこれを買えばここで話は終わる
(AliExpressからだとサマーセール時は送料無料で税込11,281円とさらに安く買える)
パーツとして販売されているものを組み立てたグレーゾーンに見える例
海外通販ショップに加え、日本のフリマサイト、Yahoo!オークションなどで売られていることもある
"ポール・ニューマン"モデルにこだわらなければ、AliExpressに時計本体税込12,754円+別料金で文字盤ロゴカスタマイズしてくれるお店もある
あくまでも組立例で画像にもモザイクかけられているが、文字盤をよく見ると、王冠マークと"ROLEX"が見える
もし王冠マークと"ROLEX"ロゴまでパクった状態で完成品を販売すると一発アウトになるし、"ROLEX"だとオマージュではなくパチモノを作ったことになるので個人的にはアウト判定

⌚️もうひとつのSEITONA(セイコー「プロスペックス」)

セイコーの「プロスペックス」ブランドの「スピードタイマー」シリーズにもロレックス・デイトナに似ているモデルがあり、こちらも"SEITONA"と呼ばれることがある。

左:メカニカルクロノグラフ (自動巻の機械式時計)
SBEC021 税込定価352,000円 (色違いver.もある)
右:ソーラークロノグラフ (ソーラー発電で動くクォーツ時計)
SBDL085 税込定価99,000円 (色違いver.もある)
SBDL085の後継機種のSBDL125
税込定価99,000円

これらは時計屋さんに行けば誰でも買えるので、普通の人はこっちを買う。特にソーラークロノグラフの方 (SBDL085, SBDL125)はソーラー発電で電池交換不要、かつ平均月差±15秒 (30日で割ると±0.5秒)で実売は8万円をきり、コストパフォーマンスが高い。


🏁「ポールニューマン」モデルの手に入れかた

ロレックス・デイトナの「ポール・ニューマン」モデルはもちろん、ノーマルの現行デイトナも手に入らない人が「ポール・ニューマン」モデルを手にするのはどうすればよいか以下に示す。


⌚️「ポール・ニューマン」モデルが欲しい

ここから本題である「ポール・ニューマン」モデルの再現方法について紹介する。

ロレックス・デイトナの「ポール・ニューマン」モデルが欲しいけど、本物の「ポール・ニューマン」はどうやっても買えっこないので、昔、山本寛斎の「寛斎」と描かれた服を、木梨憲武がコントの中で「関西」に変えていた(昔のテレビコントのネタ)のと同じノリで「エキゾチック・ダイヤル」の文字盤とセイコー系のムーブメントVK63を使った"SEITONA"を作ればいい。

文字盤に"ROLEX"と描かれた現行品のデイトナのデッドコピー品だと、それはオマージュではなく単なる偽物になってしまうので自分は好きではない。

明らかに一般人の手に入らないようなものをオマージュとして作成し、楽しんでる分にはまだ笑ってもらえるはず。


⌚️エキゾチックダイヤルを使ったSEITONAの作り方

やりかたとしては、VK63ムーブメントを使ったデイトナ・オマージュの完成品の腕時計を入手して、文字盤だけ「ポール・ニューマン」仕様の文字盤に換装してしまうのが、時計本体ケース、VK63ムーブメント、文字盤、針などパーツから集めて組み立てるよりはコストパフォーマンスに優れると思われる。

もちろん最初から全部引き受けてくれるお店があるのならそれに越したことはない。

① ベースとなる完成品を買う
② 文字盤を買う
③ 針も新品を買う
④ 最寄りの時計修理店に交換をお願いする

詳細な手順は以下の通り。

① AliExpressなどからVK63ムーブメントを使用したデイトナ・オマージュの腕時計をできるだけ格安で調達する

⚠️竜頭に発売元のブランドの頭文字などのマークが入っている場合もあるので、買う時はよく注意すること。

⚠️ポールニューマンが愛用していた実物の「ポール・ニューマン」モデルのケース径は現行のロレックス・デイトナの40mmより少し小さい37mmなので、実物サイズにこだわりたい場合は、38mmのケースとそれに合う文字盤、針、竜頭、サファイヤガラス風防、VK63ムーブメントなどを全て個別に用意する必要がある。

37mmに近いVK63用の38mm径のケースも売られている
リューズはVK63用のSマーク入りも別売りされているのでこちらを使うのもよい

② AliExpressなどから①で入手した時計本体ケースとVK63ムーブメントの組合せに使える「エキゾチック・ダイヤル」仕様の文字盤を調達する。

文字盤上部の通常メーカー名が入る部分はAliExpressに出店しているお店だと有料でカスタマイズしてくれるところもある。

「エキゾチック・ダイヤル」の文字盤
有料で文字盤上部の"CRONOGRAPH"の上あたりに"ROLEX"の代わりに"SEIKO"と入れてもらうことも可能
"SEIKO"のロゴ (フォント)確認用

⚠️ケースのサイズによって適合する文字盤のサイズも変わるので調達時は要注意
完成品の時計をベースにする場合は適合する文字盤のサイズを確認しておく必要がある

AliExpressでVK63用ケースを少し調べてみたが、説明がわりとバラバラなので本当に気をつけること。

ケース径39.7mm → 文字盤適合サイズ32.6mm
ケース径39.7mm → 文字盤適合サイズ32.5mm
ケース径39.3mm → 文字盤適合サイズ28.5〜30mm
ケース径39mm    → 文字盤適合サイズ29.5mm
ケース径38mm   → 文字盤適合サイズ29.8mm

③  AliExpressなどから時計の針 (交換用の新品)も調達しておく。ロゴ無しやセイコーのSマーク入りのリューズが欲しい場合は合わせて調達すること。

文字盤を変更する際に時計の針を外す必要があるが、針は一度外すと保持力が弱くなる場合があるため、念のため新品を用意しておくと安心である。

もし秒針を留める力が弱くなると、ストップウォッチで計測した後に針をリセットして12時の位置に戻す時に針が外れてしまう可能性がある

このため文字盤を変更した時に、転ばぬ先の杖として針を新品に交換しておいた方がよい。

④ 文字盤と針の交換をカスタマイズが得意な時計修理店に依頼する。

たとえば、以下のお店はセイコー5の文字盤をMOD用に交換した実績がある。

セイコー5に、ブランパンの名作ダイバーズ「フィフティー ファゾムス」へのオマージュ文字盤「FFF(FIFTY FIVE FATHOMS)」を移植している。
本物の「FF(FIFTY FATHOMS)」は税込257万4,000円

手先の器用な人は、以下のブログを書いた人みたいに、工具を揃えて自分でやるのもいいかもしれません。

あと、このブログ読んでたら、金属エンブレム (文字盤の王冠マークとかSEIKOロゴの類い)を作ってくれる業者がAliExpressにいることが分かった。

個人的には千鳥の金属エンブレム作って王冠マークの場所に取り付けたい。


⌚️文字盤のカスタマイズについて

"SEITONA"のパーツを扱うAliExpressのショップの中には以下に示すように、有料でロゴなどを腕時計の文字盤に書き足してくれるお店もある。

以下の例は2025年に色違いの文字盤で3つ作ったら3枚で170ドル (約27,500円)かかったとのこと。

SEITONA文字盤カスタマイズ例(1/3)
文字盤に向かってロゴマークと"SUWA SEIKOSHA"等 (SUWA=長野県諏訪市)、あと下に本物のロレックス・デイトナなら赤字で"DAYTONA"と入る部分が"NAGANO"になっている
SEITONA文字盤カスタマイズ例(2/3)
SEITONA文字盤カスタマイズ例(3/3)

カスタマイズした文字盤を 1枚だけ作ると70ドルかかるが、そこには文字盤と版下作成料金が含まれている。
同じデザインであれば、2枚め以降は文字盤の販売価格+10ドルで作成してもらえる。

① 1枚めの文字盤→70ドル (約11,330円)
 文字盤代40ドル/1枚+版下作成費20ドル、加工賃10ドル/1枚
② 2枚めの文字盤→合計50ドル (8,093円)
 文字盤代40ドル/1枚+加工賃10ドル/1枚
③ 3枚めの文字盤→合計50ドル (8,093円)
 文字盤代40ドル/1枚+加工賃10ドル/枚

「ポール・ニューマン」ライクな文字盤もポール・ニューマンが所有していた実物に合わせる場合は、以下のような感じにしてもらえばいい。そうでなければ個人のお好みで。

◆文字盤上部中央

ROLEX                → SEIKO
COSMOGRAPH → CRONOGRAPH

◆文字盤下部スモールダイヤル上 (円に沿うように)

DAYTONA(赤字) → DAYTONA(赤字)


⌚️やってる人がいた

ロレックス・デイトナの「ポール・ニューマン」モデルぐらい有名な腕時計ともなると、誰か同じようなこと考えてるんじゃないかなー、と思って検索してみたら、世界には自分と同じことを考えてやってる人がちゃんといたよ。しかも2ヶ月前とごく最近。

どこのお店に注文したのか分からないけど£160だから34,000円ぐらい (送料別)
文字盤の"OYSTER"は本物にも書いてあるものと、書いてないものがあるのでお好みで
あとよく見ると文字盤に日付表示が無いタイプ

⌚️売ってる店があった

⚠️筆者はこれらの店を利用したことがないため、品質やアフターサービスについては確認できていない。
購入を検討する場合は自己責任でお願いします。

⚠️海外通販になるので、通常はクレジットカードを使用して購入すると思われるが、海外通販の支払いにPayPalが使える場合は、PayPalを間にかませておくと、クレジットカード情報の流出防止およびトラブル発生時に「買い手保護制度」 (※)があるので安心できる。
※「購入後にショップと連絡がつかない」「商品が届かない」などショップと購入者の間でトラブルがあった場合、条件を満たせば支払った代金が保護(補償)される制度

ここまで頑張って書いた後に、文字盤に"SEIKO"が入ったエキゾチック・ダイヤルを使った"SEITONA"が売られているオンラインショップを3つ見つけてしまった(脱力感)

【Wrist Modding (スペイン?)】

文字盤には"SEIKO"とだけ入っており、"CRONOGRAPH"や赤字の"DAYTONA"は描かれていない
個人的には文字盤がちょっと寂しい感じ

オンラインショップのWebサイトを見ると、販売価格が¥36,100〜¥41,700となっている。

商品掲載ページの販売オプションで"With logo"を選ぶと41,700円、"Without logo"を選ぶと36,100円になるが、ロゴありにすると文字盤の何がどうなるか問い合わせてみることをおすすめする。
(ロゴありにすると"SEIKO"が入るだけと予想。個人的には"SEIKO", "CRONOGRAPH"と中央下部のスモールダイヤル上に円に沿うように赤字で"DAYTONA"と入れたいところ)

以下にオンラインショップの商品説明を和訳したものを載せておく。

【この腕時計について】

このカスタム Seiko Daytona Paul Newman MOD は、時計史に残る名作へのオマージュとして製作されたモデルです。まさに宝石のような美しさを備え、真の時計愛好家であることを物語る一本。熟練の時計職人が、この見事なヴィンテージ仕様として丹念に組み上げた、Wristmodding の2024年新作カスタムウォッチです。

Wristmoddingのすべての製品には、レザーケース、ブレスレットの調整・交換用工具、さらに製造上の欠陥や故障を保証する2年保証が付属します。輸入時の追加関税・税金は不要で、多くの地域へ送料無料(15~20日)、また5~7日で届くエクスプレス配送も選択できます。

1. このSeiko MODは、伝説的なデイトナ・ポール・ニューマンのケースデザインを採用。絶妙な39.5mmのヴィンテージサイズは、あらゆる手首に自然にフィットし、日常使いにも最適です。

2. ムーブメントには、日本製のセイコー VK63 クロノグラフキャリバーを搭載。長期間の使用を前提に設計された高信頼ムーブメントで、サブダイヤルおよびクロノグラフはすべて機能します。クロノグラフは上部プッシャーでスタート・ストップし、下部プッシャーでリセット可能。ヴィンテージデザインに、現代的で耐久性の高いクロノグラフ体験を融合させています。

3. 文字盤は、美しい「ヴィンテージ・パンダ」仕様のDaytona Paul Newman MODダイヤルを採用。立体的なアプライドインデックスと針には、高輝度のC3蓄光が施され、夜間でも優れた視認性を発揮します。

4. クリームカラーの文字盤はひときわ存在感があり、アイコニックなベゼルとともに、このタイムレスなデザインを完成させています。

5. さらに多彩なバリエーションをご覧になりたい方は、当社のSeiko Daytona MODコレクションをご覧ください。

6. 風防には厚みのあるサファイアクリスタルベゼルにはセラミックを採用。傷が付きにくく、過酷な使用にも耐えられる耐久性を備えています。

7. ケースとブレスレットは中空ではないソリッド構造の904Lステンレススチール製。高級感あふれる質感と重量感を実現したセイコー・デイトナは一生ものとして長く愛用できる仕様です。

8. ブレスレットはオイスターまたはジュビリータイプから選択可能。マイクロアジャスト機構、ソリッドオイスタークラスプ、ネジ式リンクを採用しており、付属工具で簡単にサイズ調整が行えます。

このSeiko Daytona Paul Newman MODは、15年以上の経験を持つプロの時計職人が、細部まで徹底的にこだわり、一つひとつ手作業で組み立てたカスタムウォッチです。卓越したクラフトマンシップと情熱が息づく、特別な一本をぜひお楽しみください。

動画:https://youtu.be/8_tqpn4-ixY

あと、もうひとつ売ってる店見つけた。

【WATCHES BY CODY (アメリカ)】

文字盤は"SEIKO", "OYSTER", "COSMOGRAPH"、赤字の"DAYTONA"表記で、こちらは10%引きの時に買うと送料込みで46,100円

写真の写り具合のせいなのか (色温度?)、文字盤がクリーム色というより白っぽく見えるのが気になる。
発注前に必ず別に撮った写真を送ってもらい、色合いを確認しておくことをおすすめする。
支払いにPayPalが使える
ので (安心要素)、完成品買うならここがいいかもしれない。

さらにもう一つ!ベトナムのオンラインショップにおいて、Thornという時計をベースに、オリジナルの「ポール・ニューマン」モデルと同じ37mmのケースで組み立てたものも売られている。

【VERLION Mods (ベトナム)】

ポリッシュシルバーのベゼル
画像にモザイクがかけられている部分はどうやら"SEIKO"のようだ
37mmケース径かつリューズガード無しとオリジナルに近いフォルムがイイ!
黒ベゼルもある
タキメーターの表示が本物とはちょっと違うが、Thornの時計がベースのため、ベゼルもそのまま流用されているので仕方ない

こちらはVK63ムーブメントを使うThornの以下の時計がベース。

ベースとなる時計は$119 (19,361円)、配送 (Fedex Priority Express)$15 (2,440円)の合計$134 (21,801円)で買えるので、ぶっちゃけこの時計に対応する文字盤さえ入手できれば一番安くあがりそうではあるが、文字盤の調達がめんどくさいよね。

VERLION Modsに「ポール・ニューマン」モデルを発注すると時計本体が送料込み9.584.000₫ (ベトナムドン)=59,321円にShipping Protection (※) 267.000₫=1651円と割高だけど37mmケースは魅力。
ベトナムのお店だが、支払いにPayPalが使えるので安心。

※Shipping Protection=荷物の破損、盗難などの偶然の事故によって損害を被った場合に補償される保険サービス

ベトナムのお店だけど、Shipping Protectionと支払いにPayPalが使えるのでダブルで安心できる

その他にもInstagramで検索してみたら、お店やら個人で組み立てて楽しんでる人やらいろいろ出てきた。
興味のある人は"seiko daytona paul newman mod"とかハッシュタグ #seikodaytonamod で検索してみてほしい。
またShopifyのshopアプリ (iPhone)入れて、"seiko newman"で検索しても何件かヒットする。

支払い手段にPayPalを扱っていない店でもShopifyにオンラインショップ構えてる店があるので、その場合は間にShop Payをかませることをおすすめする。

MOD専門店のオンラインショップ販売品
個人的にはこのように日付表示が無い方が好き
MOD専門店から購入したらしい人の投稿
この時計ベルトは実物のポール・ニューマンを意識しているのかな
こちらはVK63ではなく、既製品のセイコーSTBR013にエキゾチック・ダイヤルの文字盤を組み替えたものだけど、この文字盤はどうして入手したんだろう??
本物の「ポール・ニューマン」モデルと違って、セイコーの時計に王冠マークは無いから"SEIKO"ロゴの位置を上寄りにするかどうかの参考にもなる

⌚️結局おいくら?

◆パーツを集めて組み立ててもらう場合 (AliExpress)

部品の調達や組み込んでもらうお店探しなどが面倒くさいけど、自分の好み通りの仕様にできる

  ・ベースとなる時計本体→送料込み13,000円
  ・文字盤 (好みのカスタマイズ済み→11,330円+送料
  ・交換用の針→送料込み1,184円
+ ・文字盤交換工賃→店舗によって異なるが、概ね10,000〜20,000円程度
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合計:35,514〜45,514円+文字盤送料

⚠️新品の腕時計に新品のパーツ交換 (文字盤、針)を受け付けてくれる時計のカスタマイズが得意なお店を事前に調べておく必要がある
⚠️お店によって工賃は異なるので相見積もりを取ること

◆完成品を買う場合 (Wrist Moddingに発注)

エキゾチックダイヤル付きのSEITONA (時計)→送料込み41,700円

⚠️文字盤のロゴは"SEIKO"のみ? (要事前確認)
⚠️納期はエクスプレス配送(約10日)に加え、組み立て・動作テストに3日の合計13日間かかる

◆完成品を買う場合 (WATCHES BY CODYに発注)

エキゾチックダイヤル付きのSEITONA (時計)→10%引きの時に買うと送料込み46,100円

⚠️文字盤のロゴは"SEIKO", "OYSTER", "COSMOGRAPH"、赤字の"DAYTONA"
⚠️支払いにPayPalが使えるのでトラブル発生時も安心

◆完成品を買う場合 (VERLION Modsに発注)

エキゾチックダイヤル付きのSEITONA (時計)→ベースとなるThornの時計の値段を知ってしまうとShipping Protectionつきで送料込み60,972円と割高に見えるけど、37mmケースであること、文字盤のサイズ調査やロゴ入りのものを調達する手間を省けることを考えるとめちゃくちゃ高いというわけでもない。

⚠️文字盤のロゴは"SEIKO", "COSMOGRAPH"、赤字の"DAYTONA"
⚠️配送オプションにShipping Protection (有料)がある&支払いにPayPalが使えるのでトラブル発生時も安心

◆オプション

ポール・ニューマンが使用していた実物に寄せるなら、時計ベルトを耐水レザー製のBUNDストラップ (5000円程度)に付け替えるとよい。

⚠️筆者は過去にSinn156BにSinn純正の牛革製のBUNDストラップを使用していたことがあるが、どうしても手首に汗をかくので劣化が早かった。
BUNDストラップを使う場合は耐水レザー製を使うことを強くおすすめする

Sinn156Bの後継機種156.1EにNATO BUNDストラップ装着した例

🏁おまけ

"SEITONA"「ポールニューマン」モデルをつくるためにいろいろAliExpress見てたら、同じVK63ムーブメント使った時計でこんなのを見つけた。

時計本体はチタンケース、VK63ムーブメントのミリタリーテイストで何と15,266円!

このままでもいいし、BUNDストラップ (革)やNATOストラップ (ナイロン製)に付け替えても楽しめそう。

"SEITONA"「ポール・ニューマン」仕様にこだわらなければこれでいいかも(笑)

🏁最後に

多くの人にとって、本物のロレックス・デイトナ「ポール・ニューマン」モデルは、一生手が届かない存在だろう。

しかし「それっぽい雰囲気」を楽しむだけなら、セイコーのVK63ムーブメントと「エキゾチックダイヤル」な文字盤を使った"SEITONA"「ポール・ニューマン」モデルという楽しみ方もある。

時計趣味は承認欲求やマウントのために存在するものではない、また高価なヴィンテージや高級ブランドだけが正解ではなく、自分なりの楽しみ方を見つけるのが一番だ。

数億円のヴィンテージには手が届かなくても、4〜6万円ほどで「それっぽい雰囲気」を楽しめるのなら、それもまた時計趣味ならではの醍醐味ではないだろうか。

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