【3期最終回レポート】ジェンダード・イノベーションの実践報告会vol.3
こんにちは!Blendナビゲーターのきゃのんです。
2026年4月25日、Blend研究アイディアソン3期の集大成となる「ジェンダード・イノベーションの実践報告会」を実施しました。
約3ヶ月間にわたり、自らの研究テーマに「性差」や「交差性」の視点を掛け合わせ、思考を深めてきたクルーたち。最終日となるこの日はガーディアンの先生方をお招きし、クルーがリ・デザインした研究計画を一人ずつ発表しました。発表後には、ガーディアンからの質問やコメントを受けながらディスカッションを行い、研究の可能性をさらに広げていきました。
本レポートでは、当日の内容の一部をお届けします。
Blend研究アイディアソンとは
Blend研究アイディアソンは、クルーとして参加する参加者自身の研究への問題意識を出発点に、ジェンダード・イノベーションの視点を研究に取り入れるための実践型のオンラインプログラムです。
これまでの研究アイディアソン3期の軌跡は、以下のマガジンからぜひお読みください。
基調講演「ジェンダード・イノベーション:「利用」が求められる時代の科学の健全さとは?」
今回はご協賛いただいたミダス財団とのセッションとして、国際高等研究所副センター長 小林傳司先生による基調講演を行なっていただきました。
20世紀から21世紀にかけての科学技術政策の変遷を辿りながら語られたのは、「科学の美徳は、謙虚さを備えた自己修正能力にある」というメッセージです。
「ジェンダード・イノベーション(GI)は、これまで見落とされてきた歪みに気づき、それを受け入れて改善していくための、極めて重要な「修正機能」である」
その力強い言葉は、これから発表に臨むクルーたちの背中を優しく押してくれました。
5つの研究実践|多角的なアプローチで描く未来
そして、いよいよ3期生による発表セッション。理系・文系、さらには研究・実務の現場という垣根を越えた、様々な問いが共有されました。

松信 明莉さん:生成AIと女性の賃金変容
生成AIの利用率におけるジェンダーギャップ(女性が約20%低いという調査)に着目。AIを使わないことが将来的な賃金格差に繋がるかもしれないリスクを可視化し、個人ではなく「市場の構造」として解決を目指す視点が提示されました。
鈴木 歩さん:語りで社会変容は促せるか?当事者と一般層への介入実験
地方在住女性の経験を「語り」として発信することが、周囲の態度変容にどう影響するか。介入実験を通じて、EBPM(エビデンスに基づく政策立案)へと繋げる、実証的なプロセスが語られました。
星野 亜希さん:インクルーシブな都市
「意思決定層の偏り」が都市構造に与える影響を指摘。防犯、子育て、介護など、ライフコースに応じた多様なニーズを全ての計画段階に組み込む「壮大なインクルーシブ都市」の構想が発表されました。
岡本 真友子さん:女性の「ゆらぎ」に自律適応する、高機能シルクの開発
女性のホルモン周期やPH変化といった「ゆらぎ」を自律的に調節する高機能素材の開発。性差を変数として組み込んでこなかった従来の製品開発への指摘がされました。
水野 麻美さん:DE&Iの視点による大学組織における労働環境整備
大学職員の視点から、会議での発言権の偏りや評価の歪みを分析。制度の変更を待つのではなく、現場のファシリテーションや空気感のデザインによって変革を起こす、実践的なアプローチです。
発表を受け、ガーディアンの先生方からはこれからの研究活動の糧となる深いフィードバックをいただきました。

孫先生
「1期・2期とは異なる多様なバックグラウンドが議論を深めていた。皆さんの研究が、次のGIを支える確かなエビデンスになることを期待しています」
佐々木先生
「若い世代がこの視点を持って研究を始めることは大きな財産。今後は皆さんが指導教員を教育していくくらいの気概で進んでほしい」
隠岐先生
「生まれたてのアイデアに触れられて楽しかった。人文学が長年培ってきたフェミニズムなどの知見も取り入れ、より豊かな研究に育てていってください」
一つひとつの発表に真摯に向き合いながら、クルーの試行錯誤に寄り添い、問いの輪郭をともに探ろうとする先生方の姿勢が印象的でした。
Blendで深まるつながり
実践報告会終了後、クルー・ガーディアン・ナビゲーターでクローズドの交流会を行いました。「指導教員をどう巻き込むか」「興味のある専門分野とGIをどう両立させるか」といった悩みが共有されました。
「ジェンダーは分野横断的なものであり、だからこそ多くの人が取り組める課題である」
ガーディアンの先生方からは、あたたかい励ましの言葉もあり、BlendでGIに取り組んだクルーの連帯が立ち上がる瞬間となりました。

それぞれのフィールドで「当たり前」を問い直す挑戦は、今ここから始まります。
最後になりますが、このたび「ジェンダード・イノベーションの実践報告会vol.3」にお申し込みいただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。私たちの活動の趣旨にご賛同いただき、応援チケットを通じて多くのご寄付もお寄せいただきました。
私たちナビゲーターも、これからも日々問い直しを重ねながら、本プログラムを広く、そして長く続けていけるよう、引き続き歩みを進めていきます。
Blendとともに未来を創る
Blendでは2025年1月より、ジェンダード・イノベーションの理論と実践を深める「研究アイディアソン」を実施しています。
ジェンダード・イノベーションに興味がある方は、ぜひご参加ください!
第4期は2026年8月〜10月に開催予定です。
参加をご希望の方は、Blend公式LINEアカウントにご登録ください。LINEでは、Blendからのお知らせのほか、プログラムの募集情報やレポートも随時お届けします。

私たちと一緒に、性差や交差性の視点が取り入れられた未来を創る第一歩を踏み出しましょう!
