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死刑執行中脱獄進行中【ネタバレありマンガ感想文】 懺悔室はこの中です

★★★★☆
Amazonでレビューしたものです。

いつ…なぜわたしが死んだのかはどうしても思い出せない
死後、魂となってこの世を彷徨う男の「衝撃の正体」とは──!? 『デッドマンズQ』&『死刑執行中脱獄進行中』『ドルチ~ダイ・ハード・ザ・キャット~』『岸辺露伴は動かない~エピソード16:懺悔室~』奇妙でホラーなミステリー全4編をカラーページ完全再現にて収録!!


1.奇妙な短編集


ジョジョの奇妙な冒険の荒木飛呂彦先生の短編集です。
実はジョジョ以外にも作品書かれていたんですよ、荒木先生は!

4つの短編集が掲載されています。内容は、ジョジョの登場人物が出張してきたりそうでなかったり。

最初の掲載年はそれぞれ、
死刑執行中脱獄進行中、1995年。
ドルチ、1996年。
懺悔室、1997年。
デッドマンズQ、1999年。
となっています。

2.荒木飛呂彦の短編分類


普段はジョジョの奇妙な冒険という、超超長編を書かれている荒木先生。

この本の合間に、短編のタイプについて、荒木先生の分類が書かれています。

A.登場人物の行動や思いをひたすら追いまとめた作品。
B.ほんの短い時間の出来事を切り取って、そこに人生やテーマを閃光のように象徴させる作品
C.ナンセンスやサスペンス、ムード、デザイン、エロ、グロ。それそのものを描くのを目的といた作品。
D.日記やエッセイ、手紙。

ここに乗っている作品についてそれぞれタイプ分類がされています。

死刑執行中脱獄進行中→C
ドルチ、懺悔室→B
デッドマンズQ→A

結局どうでもいいらしいですが、、、

3.ろくでなしばっか・・・


この4つの短編に出てくる登場人物は、見事に悪人のろくでなしばかりです。
自分が人を殺しておいて自分は可哀想悪くないアイツが悪いといい、他人をさらに押し除けていい思いをしようとしています。
(露伴先生はそこまでひどくはないけど、しょうもない人ではある。)

懺悔室でいうと、最初に死んだ浮浪者は、どう見ても逆恨みでしょう。賃金は労働の対価なんだから、働けよ。つか大使館に相談して国に帰れや。
身代わりの人が怒るのはまだわかります。でも顔を整形されるとか承諾した時点でやばいと思わなかったのでしょうかね。彼が自分を殺した浮浪者とつるむのはよくわかりません。間違えて復讐したそっちを恨もうよ。。

なぜ荒木飛呂彦先生は自己中のろくでなしばかり描くのでしょうか?
鬼滅の炭治郎みたいな、品行方正な真面目で礼儀正しい子を荒木作品では見たことがありません。(あえて言えばジョナサンですが、彼もタバコ吸ったりしていたような、、)

ちょっとその理由を考えてみました。

理由その①、その方が話が面白くなると考えているから。
それはありますね。真面目な優等生は、冒険しませんから、大体ちょっと不良な子の方が、問題を起こしたり首を突っ込んだりして、話が始まるというのはありますよね。

理由その②、人間はみんな利己的だと考えているから。
まあ、一皮剥けばみんなそうだと言われると、かなりの確率でそうではありますね。そういう人間の内面をストレートに漫画という表現で描いていると言われると、反論しにくい面はあります。

理由その③、荒木先生が実はそういう人物だから。
こ、、、こわ。。。
動画だと、あんな穏やかそうなおじさまなのに。。
でも、あんな汚い言葉の数々が、彼から生み出されているんですよね。
こわいよおお。。

4.幸せの追求


そんなろくでもない悪人どもですが、共通している点があります。
それは、どんな状況でも、前向きに自分をいい方向に持っていこうと努力をしている点です。
手段はひどいものなので、褒めていいのかわかりませんが、とにかく必死こいていい方向に自分を持っていこうとする、その姿勢は大したものです。

デッドマンズQで出てくるのは、なんと、死んだ後の吉良吉影!
手に引っ張られて安心なんてない所へ行ったんじゃあなかったんですか?

幽霊になっていて、スタンドもないようで、なぜ死んだかも覚えておらず、服もすごいものに変わっています。どうしたその帽子。。。そして数字が価値観だったか?
さらに、なぜか尼さんに指示されて、生きている人を殺しに行ったりしています。

この話で驚愕すべきは、幽霊になってからもブレない彼の考えでしょうか。

嘆いたり悲しんだりせずに、あの世へ行こうともせず、執行をして報酬をもらって過ごしています。
あの世があるかどうかわからないが、自分は天国にはいけない確信がある。
なので、今の幽霊の状態で仕事を生き甲斐にして、幸せになろうとしているのです。死んでるのに。幽霊なのに。

前向きすぎるよ。。。
ここまでくると一周回ってさすがというべきでしょうか。
さすが変態連続殺人犯の脳みそは一味違うぜ。。

そして幸せとはなんだろう、とちょっと考えました。
誰とも暮らさなくてもまともな仕事や生活ができなくても、人は(この場合は幽霊は)幸せにはなるのか。
それはなんなんだろうか。


追伸:
猫好きとしてはドルチは可哀想でした。
荒木先生猫の扱いひどすぎですよーーー。


著者:荒木飛呂彦 (著)
ASIN ‏ : ‎ B016Y12HAE
出版社 ‏ : ‎ 集英社 (1999/11/19)
発売日 ‏ : ‎ 1999/11/19
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 88138 KB
本の長さ ‏ : ‎ 235ページ



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