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JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN 【ネタバレ感想】天国をめざした息子

*例によってAmazonにレビューしたものです*
★★★★☆

悪の救世主
神の名をもつ吸血鬼
そして、
世界を手に入れた
「DIO」

ジョジョシリーズにおける最も有名で最も印象深いボスキャラであり、この物語を始めたもう一人の主人公である、ディオ・ブランドー。
この本は、彼がプッチ神父へ残したものの、神父に渡る前に承太郎に燃やされた、『天国に行く方法』を記した「ノート」を再現したものとなっている.
しかし、内容はノートというよりは「日記」に近い.
しかも、世界を手に入れた男が残すには、非常に個人的かつ感傷的な日記だ。

3部の時間軸を追ってDIO側敵側の状況を描きつつ、DIOが何を考えなぜ天国を目指したのか、唐突に6部で出てきた「天国」と「神父」への繋がりを補完する内容となっている。
ストーリーはほぼ3部をなぞる内容に、6部で出てくるプッチとのやりとりと、ディオの幼少期を含めた1部をDIO目線で振り返り、なぜ天国を目指すようになったかが記載されている.
波紋バトルも、スタンドバトルも、ない.

なのに、
面白く読むことができました。
時々ツッコミ入れつつも、切なくもの悲しく。
西尾維新恐るべしですね。
他の本知らないけど恐るべし。

私はジョジョ全部の中で、花京院が一番好きなので、「野郎!DIO」って感じなのですが、これを読んだら、DIOいや、ディオ・ブランドーを、一人の人間として親しみを覚え、さらには悲しく哀れにさえ思えてきたから、ちょっと驚きです.

送った部下を悉く返り討ちにされてぼやく、でお様。
そもそも花京院送って最初に承太郎たち殺そうとしてきたのあなたですから!
部下全滅って、送るからでしょう!
花京院、ポルナレフ、アヴドゥルは、実は高く評価してるんですね。なに、名前もろくに覚えてない、興味ないふりしているんですか、でお様!
部下が減って慌ててポルナレフ勧誘に行って断られる、でお様!
うける!!

そして、
亡くなった父を母を思い、
ジョナサンや義父ジョージとのやりとりを思い、
プッチと天国へ行く方法を考え、綴る。
最後の戦いのギリギリ直前まで記録は続き、
ノートは途中で終わる.

結局、
彼は、花京院とポルナレフが裏切った理由を最後まで理解できなかった.
プッチのことを友になれると思っているけれど、プッチはDIOのことは神のように愛している。それは友情なのか?いや、違うだろう.むしろ、ヴァニラ・アイスのような妄信に近い信仰だ。
こんな個人的な感傷と根拠からくる天国への方法を、20年以上経って実行しようとするのだから。。。

それに、
ディオは別にジョナサンの肉体を頑張って馴染ませようとしなくてもよかったのではないか?
海底ならともかく、地上に戻ってからは、強靭な肉体の持ち主なんてたくさんいるのだから、改めて別の男の体を乗っ取れば良い.
そんな嫌な相手なら、ずっと一緒にいるなんて不愉快極まりないだろう.馴染んでなかったわけだし.
体を変えてしまえば、ジョースターの血統に絡みつかれることもないのに。
でも、欲しかった。どうしてもディオはジョナサンが欲しかった。
受け継ぐものから、奪った証明として、支配の象徴として。憎みながら尊敬していたから。どうしても離したくなかったのだろう、彼の“ジョジョ“を.

そして、
母は愚かと言いつつも、100年以上も前の母の言葉を信じ、母が自分に歌った子守唄を歌い、母の望んだ天国を目指したディオ。
その母の形見を捨てた父を殺す。父の息子への愛を、本当は気づいていたはずなのに気づかないふりをして。
母を聖母のようと思いつつ、反対の悪女と子供を作って、自らの虐待をさらに連鎖させる。

世界を手にした男は天国を目指した。
愛した母の望んだ天国を。
父と母が待っているかもしれない天国を。

救世主と崇められながら、
本当に欲しかったものは手にはいらず、
それを認めることすらできず、
それでも天国をめざしたディオは、
とても悲しく、
哀れにすら感じる.

灰になった彼は天国に行けたのだろうか?

承太郎の娘への愛はその身を滅ぼし、
ディオの父母の息子への愛は、巡り巡って世界を滅ぼした.
しかし我々は、ダリオとその妻に感謝するべきだろう.
おかげでこのような素晴らしい冒険物語を楽しめるのだから.

ところで、、
場所と新月はどこからきたのでしょうか?

追記:
このレビューをあげた後に、他の人のレビューを読んでいたら、
「プッチのことを承太郎が調べないのはおかしい」
という指摘があって、
確かに!
と思った。
虹村だって珍しい名字だし。
完全に復元できなかったとかで、伏せ字や黒塗りにしておいた方が良かったかもですね。



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