完璧過ぎた7番人気狙い撃ち…東海Sドンインザムードはなぜ凡走したのか
たまにはこんなことがあってもいい
26日、中京競馬場で行われた第43回東海S(G3)は、直線2番手から抜け出した松山弘平の騎乗した7番人気の伏兵マテンロウコマンド(牡4、栗東・長谷川浩大厩舎)が優勝した。
ハイラップを刻んで逃げたメイショウハチローが2着。単勝1.8倍の断然人気に推されたドンインザムードは勝負どころで伸びを欠いて3着。7→6→1人気で決着した3連単の払戻は4万3200円だった。
中京07R東海S(G3)ダ1400

戦前の下馬評は当然ながらドンインザムードで一色となった東海S。
それもそのはず、何しろ同馬は59キロを背負った前走の欅S(OP)で5馬身差の圧勝をしていたのだ。
しかもスタートを決めて好位3番手から抜け出す横綱相撲。1キロ少ない58キロで出られる中京で同距離なら回ってくるだけのレースをイメージしたファンも少なくなかっただろう。
事実、今回も出遅れることなく好発を決めて、問題なく逃げた馬の2番手に収まった。同じような位置で競馬をしたマテンロウコマンドにとっては大本命馬を意識せざるを得ない苦しい展開だったはずである。
だが、競馬というものは何が起きるかわからない。
最後の直線に向いた際、後は前の馬を交わすだけに思われたドンインザムードの荻野極が余裕なく手綱をしごく姿。対する外のマテンロウコマンドの松山は楽な手応え。不穏な空気が漂った瞬間だ。
粘りこみを図るメイショウハチローすら捉えられない大本命を尻目に末脚を伸ばしたマテンロウコマンドが先頭でゴール。多くのファンが思い描いたシーンと配役が入れ替わったような結末を迎えた。
◎マテンロウコマンドで的中した当方ですら、この展開は正直面食らったというしかない。
メイショウハチローは2走前の鎌倉S(3勝)でペイシャケイプにハナ差で差し切られていた馬。

つまり、ペイシャケイプは欅Sでドンインザムードに完敗している。自身の負けた馬が5馬身も置き去りにされた相手に先着したこととなる。

結果的にドンインザムードのパフォーマンスが前走ほどではなかったにせよ大金星みたいなものだ。
かといって展開に恵まれただけとは言い切れないラップでもあった。
東海Sのラップ構成
勝ちタイム:1分22秒8良
12.3 - 10.8 - 11.1(前半3F34秒2)
11.7
12.2 - 12.2 - 12.5(後半3F36秒9)
こちらを見ても分かる通り、前傾2秒7と過酷なラップ。力のない馬は悉く篩にかけられて後退している。4着に敗れはしたが、昨年の同レースで2着に入ったインユアパレスも善戦している部類でいいと考える。
騎手の好判断が生きたのは、やはりメイショウハチローに騎乗していた団野大成で間違いない。
過去のレースを考えれば、是が非でも行きたい馬ではなかったはずだが身を削る逃げで十分な見せ場を作った。
1200は勝てても1400では勝てない不思議な騎手だが、現在の競馬は行ったもん勝ちのケースが多々。中途半端な乗り方をするよりも攻めた方が好結果となりやすい。
マテンロウコマンドに関しては、この内容なら逃げても好走したと思うが松山弘平も冷静に立ち回った。激流の2番手なら実質逃げているようなものである。
当初のイメージでは、ゲートの安定しないドンインザムードがもし後手に回れば、スロー寄りの逃げ切りを狙える目論見だったものの、こちらが期待した以上の走りを見せてくれた。
個人的に重視したのはキャリアで初めて逃げた前走の黒船賞(G3)で積極策を採ったことが勝利に繋がった点。パートナーの新たな一面を引き出した弘平の強気な手綱捌きも光った。
そして「勝てるかも」から「勝てそう」まで背中を押したのが、予想の原稿でプッシュした中京で無敗のコース相性だ。

距離適性よりコース適性を優先するスタイルで予想を組み立てている人間としては、まさにしてやったりの7番人気。他の人間が狙わない馬で勝ってこそ配当も跳ね上がる。負けた馬が1倍台ならなおのことだ。
確かに今回のドンインザムードは負けてしまったものの、これだけで評価を急落させるには惜しい逸材。改めて戦績を見直すと少し渋ったスピードの出るダートの方が得意。

※日曜中京はパサパサのダート。完全にスピードよりパワー向き。

型にハマった時に爆発するタイプの馬ならありえるね。
レース回顧はこのくらいにしてコメントで答え合わせをしていきたい。
ジョッキーコメント
1着マテンロウコマンド 松山弘平
「スタートもよく14番の好枠から3番手でいい競馬をしてくれた。最後もしっかり伸びて強かった。地方だけでなく中央でも重賞を勝てたのは嬉しく思います。もっと大きいところでも勝てるようにまた一緒に頑張れたら」
2着メイショウハチロー 団野大成
「出していって、どれだけ頑張れるかという競馬。ドンインザムードが引いたので、無理せずハナに立てた。最後は勝ち馬の勢いが良かった」
3着ドンインザムード 荻野極
「発馬は決まって無理せずに一旦先頭に立ちました。流れ的には苦しくなかった。スムーズ過ぎたのも良くなかったのかもしれません」
今野貞一師
「いつもより左へのもたれが強かった。いい時のように進んでいきませんでした。パサパサのダートも合わなかったようです」
※芝も走れるアジアエクスプレス産駒だけにやっぱりスピード寄りなんだろうね。道悪ならパフォーマンスが上がるタイプか。
4着インユアパレス 横山武史
「返し馬が良く、具合は良かった。思ったより楽にポジションを取ることができました。最後は上位の3頭が強かったです」
5着バトルクライ 原優介
「根岸Sで2着に来た時と同じくらいいい状態。この馬の競馬はできたし、またいいパフォーマンスが発揮できると思います」
8着ハッピーマン 幸英明
「初めて乗せてもらいましたがいい馬でした。展開ひとつだと思います」
9着ベルジュロネット デムーロ
「初めて乗ったので何とも言えませんが、いいところにつけていたものの、あまり伸びませんでした」
10着ダノンフィーゴ 川田将雅
「明らかに熱中症でした」
14着ドラゴンテイラー 坂井瑠星
「暑さの影響でしょうか。全く進みが無かったです」
※見逃せないのはベルジュロネット、ダノンフィーゴ、ドラゴンテイラー陣営のコメント。今週から暑熱開催を実施しているが、言ってしまえば気休め程度で、どこまで効果があるのか疑わしい。
とはいえ、我々外野がどうこう言えるものでもないし、JRAにとっても「そういう姿勢は見せておかなければならない事情」もある。当然ながら苦肉の策だろうが、あまりにも暑くなり過ぎた日本の気候に文句を言うしかないね。
だけどあえて苦言を呈するなら「熱中症までファンに責任転嫁をするのはおかしい」という話。川田なんか「明らかに熱中症」と断言までしている。
これで「返金はしません」じゃ道理に合わないよ。
俺はJRAの運営に聞きたい。
じゃあおまえらはレース前に熱中症まで予想して馬券の買い目から外せるのか?神なのか?と。放馬に外枠発走にゲートのアクシデントに落馬競走中止に突然の乗り替わりetc……。
馬券を買う側と圧倒的に立場が違うことをいいことにやりたい放題なんだ。
「嫌ならやめろ」だけで済ませていい問題じゃないと思うね。
おじさんの馬券(オマケ)

◎マテンロウコマンドと○ドンインザムードは既定路線。2頭軸の3連複と3連単で1着2着固定で流して5点ずつ購入した。
5点目にメイショウハチローとドラゴンテイラーの取捨を迷ってドラゴンテイラーを入れて無事死亡。強気に3連単まで買ったにもかかわらず、ドンインザムードが3着に負けるパターンは想定外である。
WIN5専門で予想をしていると馬券の買い方は下手になるというか、それ以前に予算を割かないから取りこぼしも増える感じ。もう戻れないからいいんだけどさ。
とりあえず、今回のWIN5で最も全能感を得られたレースでもあった。今日荒れたのここだけだもんね。
うちの予想記事を読んでくれている人はラッキーヒットだったんじゃないかな。点数も広げてないしWIN5でも2点で済ませた。これはこれで気分がいいね。
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