コロナ融資直後、やたら高級車が増えた - 今みんな売却
2020年、世界がパンデミックに包まれたそのとき、日本でも「緊急融資」「実質無利子」「据え置き最長5年」といった、かつてない規模の中小企業支援策が始動した。
「持続化給付金」「コロナ融資」「事業復活支援金」――
これらの資金は、事業の命綱となった…
はずだった。
しかしその直後、日本中の繁華街や幹線道路沿いで、異変が起きた。
やたらと高級車が走っている。
都内のタワマン駐車場にフェラーリ、ポルシェ、ベンツがずらり。
地方都市の中古車店がランボルギーニで埋まる。
SNSでは「融資おりた!夢叶った!」の投稿とともにレクサスのキーを持つ写真が並ぶ。
ある意味、景気が良く見える光景だった。
けれど、それは「本当に必要だったのか?」という疑問を生んだ。
融資の「使い道」はどこまで自由だったのか?
コロナ融資の多くは、当初「運転資金」や「固定費の支払い」といった用途が想定されていた。
だが、制度上は“事業継続に資する範囲での使用”が前提。
つまり、厳密な使途制限はなかったのが現実。
そのため、
経費の先払い
設備名目での車両購入
「モチベーション維持のため」としての私的利用(?)
といった抜け道的使い方が、全国で多発した。
そのツケが、今まわってきている
2024年以降、据え置き期間が終わり、元本返済が本格化。
返済が始まったとたん、慌てる経営者も多い。
そして今、あのとき買った高級車が…
次々に中古市場に放出されている。
「とにかく維持費が高い」
「返済資金を確保しないとまずい」
「あのときは“勝った”気がした」
高級輸入車専門店の在庫リストには、2020〜2021年モデルの国産高級車・外車が大量に並ぶ。
いずれも「法人名義」「走行少なめ」「車検2年付き」…まさにコロナ融資直後の“あの車たち”だ。
本当に手元に残るべきだったのは「キャッシュ」だった
いま、高級車を売っても価値は大きく下がっている。
なかには、ローン残債が車両価格を上回る「逆ザヤ」のケースも。
あのとき、派手に使わず、
事業を立て直し、
財務基盤を固めていた企業だけが、今も余裕を持って返済を迎えている。
なぜあのとき「買ってしまった」のか?
原因はシンプルだ。
一度に数百万〜数千万円のキャッシュが手に入った
低金利で借金の重みを感じにくかった
周りが買っていることで「自分もいいか」と思った
これらが重なり、多くの経営者が冷静さを失った。
“心理的バブル”のような現象が起きていたのだ。
「お金の使い方」を間違えると、助成金でも会社は潰れる
これは教訓でもある。
補助金も給付金も、融資でさえも、それをどう使うかで会社の運命が決まる。
短期的な快楽のために使えば、のちのち自分の首を絞める
中長期の収益構造を作る投資に使えば、企業は再生する
これから始まる「倒産の第2波」
今、返済が本格化している中、静かに、しかし確実に、
倒産件数が増えてきている。
東京商工リサーチや帝国データバンクの統計にも、
「コロナ融資返済による資金ショート倒産」が顕在化しはじめた。
2020年には表面化しなかった傷が、2025年に裂けはじめている。
今後、企業が本当に学ぶべきこと
これからの時代、経営者に求められるのは単なる運営能力ではない。
金融リテラシーと、危機時の資金配分力だ。
・借りられる金額より、返せる金額を考える
・目の前の欲望より、1年後の資金繰りを優先する
・見栄より、キャッシュの山が信用になると知る
あの時の“高級車バブル”は、今後の日本経済にとって貴重なケーススタディとなるだろう。
まとめ:見せかけの成功ではなく、地味な安定が最強
「うちはこのコロナでも乗り切りました」
そう語る経営者の多くは、目立たず、倹約的で、堅実な経営をしていた。
見せびらかすような車も、派手なオフィスもなかった。
あるのは、手堅い顧客と、蓄積された利益剰余金だけ。
そういう会社が、次の危機にもまた、しぶとく生き残る。
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