生活クラブ生協・たねと森とひと@フォーラム山梨共催「月の満ち欠けと栽培時期のお話」に参加してきた
「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。
御覧いただき、ありがとうございます。
noteのできるだけ毎日更新を実践しています。曜日ごとのテーマはこちら。わかりにくいですが、今日は日曜なので、「【日】地域と食と暮らしの日「畑・庭(季節連載)、料理・ワイン基礎(取材不要)/山梨スポット/ワイナリー・ワイン紹介(取材時のみ)」となります。
前回の記事で、甲府市役所1階のエスカレーター脇にある「ボランティア・NPOボード」を紹介しました。
今回は、その中で気になった、こちらのイベントに行ってきた、という参加報告になります。主催者の生活クラブ生協の方に、記事を書いて紹介してもいいですか?とお聞きしたところ、是非、という話でしたので記事化しています。
生活クラブ生協・たねと森とひと@フォーラム山梨「月の満ち欠けと栽培時期のお話」

主催は共催で、「生活クラブ生協」と「たねと食とひと@フォーラム」ということでしたが、どちらのサイトにも掲載が無かったので、時期が時期だけに選挙活動の一環だったらどうしよう?と思いながら行ってきましたが、まったくそんなことはありませんでしたw

今回の講師はこの方でした(チラシより)。

宇都宮出身ではあるのですが、現在は香川県在住。個人的に、毎年、出張で高松に行っていて、その際に、朝食で必ず立ち寄るカフェがありまして、そこが自然食品などにこだわっていて、もしかして香川の人ってそういう意識が高いのかしらん?と思ったので、ちょっと個人的に興味を持ちました。
講師プロフィールに「むしろ復活プロジェクト」とありますが、これも興味深い話で、香川には日本で唯一「むしろ」で醤油を醸造している「かめびし屋」さんという醤油屋さんがあるそうです。
ただ問題は、現在、もはや「むしろ」を作っているところも作れる人もほとんどいなくなっていて、無農薬で作られた稲の藁から作るプロジェクトをしているそうなのですが、これが一枚織るのに3日かかるとか。そうなるとここで使われているむしろを更新するのにも数年かかるそうで、我々の生活から失われている文化だなぁ、と思いました。
食と種の多様性
今回のお話は大きく分けて3つあって、ひとつは「食と種の多様性」の話。日本はまだマシですが、特に欧米などでは食物がどんどん固定化されているそうで、講師はこれを「単純化された食生活」と言っていました。具体的には、肉なら牛と豚と鶏だけとか、野菜もコーンとか。日本人は魚を食べるので、動物性たんぱく質についてはいろいろなものを食べていますね。
以前、そんな風景はこちらの映画で見ました。
この映画は簡単に言うと、食品が加工食品中心になり、そんなものしか手に入らなくなっている、という話で、だから都市型農園をやろう、という人達のドキュメンタリーでした。
で、今回のお話はさらに「種の多様性」のお話でした。ここでお話があって驚いたのは、SNSで拡散されているような種についての話にはかなりデマが多い、ということでした。
例えば、F1種の話があります。種が出来ないように作られているF1種が主になっていて、これが種を買い続けなければならない陰謀論のように語られていますがこれは嘘で、実はいろいろなものを交配させて、最適な作物ができるように調整された種なんだそうです。で、そこから種ができないかと言えばできるそうで、それをF2と呼ぶようです。ただし、このF2は調整されていないので、様々なばらつきが出るようです。要するにメンデルの法則の応用らしく、「F1種は種が出来ない」というのはこのメンデルの法則を知らない人が話していることなんだな、と理解できました。迷信ですね。
ちなみに余談ですが、現在は「優性の法則」とは言わないようで、「顕性の法則」と言うそうです。
大豆の話も面白かったです。まず、日本の大豆の自給率ですが、実は食用に限って言えば、25%くらいはあるそうなのですが、圧倒的に多い油用の大豆が輸入されているようです。もともと海外の大豆は食用ではない形で広まって、せいぜい200年くらいの歴史しかなく、彼らは油を取るか家畜の餌としか考えていないので、遺伝子組み換えにも抵抗がないそうです。
一方の日本では(これは講師の推察も入っているそうですが)、様々な品種の大豆があるそうです。で、大豆の名前には「姫」などの文字が入っているものが多く、これは昔は嫁入り道具に大豆が入っていたからではないか、ということです。昔はどこの家でも味噌、醤油を作っていたため、どこの家でも大豆を育てていて、嫁がその畑の片隅に持参した大豆を植えると、もともとの大豆と持参した大豆がいつの間にか交配して、その家独自の大豆が生まれていく。その大豆で作った味噌や醤油はその家にしかない味になる。こうして大豆の品種が増えていった、というお話。なんかいい話だなーと思いました。
先ほどのF1やF2で言えば、多様性が失われているのがF1だとしたら、どんな性質が発現するのかがわからないのがF2です。こちらの方が多様性があります。植物にとって多様性とは生存のための戦略なので、こちらの方が自然だし、ひいては食の多様性にもつながる、という話でした。
種苗法の話もされていて、種を作ったり増やしたら犯罪になる、という、これまたSNSなどで拡散されている話も嘘で、いわゆる特許を取っているような特殊な品種について、クローンのようなものを勝手に増やして販売した場合に、特許侵害になる、という話だそうです。そういう意味では、F2はまったく違うものができるので、特許法の範囲が及ばないとか。
ワイン用ブドウもそうですが、挿し木などでクローンを増やしたり、あとは稲のように他の個体と交配しにくいもの、これらがひっかかる可能性があるということで、どちらかというと明らかに種を盗んで増やして売ろうという輩を取り締まるための法律だそうです。
月の満ち欠けの影響の話
月の満ち欠けと植物、というと、ついついワイン用ブドウの話で、ビオディナミ製法のことを思い出してしまいます。
シュタイナーが始めた、どちらかというとオカルト寄りの話だと思っていましたが、今回の話は、植物内の水分の移動の話でした。曰く、満月には水が上がり、新月には水が下がる、と。
この法則に従うと、例えば瑞々しくあって欲しい果実は満月に収穫した方がいい。根菜類は新月に収穫した方がいい、ということになります。例えば苗を畑に植え替える、あるいは挿し木をする、というのも満月が良いそうです。水分が満ちている方が、環境変化のダメージに強いから、とか。
ちなみにワイン用ブドウは甘みを凝縮させるために新月の収穫が良いとされています。
これらの話、元農業高校の先生だった講師からのお話でしたが、どこまで科学的なものとして語られているのかはわかりませんが、実務的には実感するところがあるんだろうなーと興味深く拝聴しました。
ちょっとしたワークでこんな月齢カレンダーを作成しました。

種の交換会の話
質疑応答も盛り上がって、かなり時間オーバー気味での進行でしたが、最後に「種の交換会」というものについての話がありました。これは画像を見ていただいた方がわかりやすいかもしれません。

ヨーロッパなどでは、まるでコミケのように、種をそれぞれ持ち寄って交換するイベントが開催されているようです。映像でも見ましたが、自家栽培で獲れた種を自慢げに語ってシェアする人たちが、とても楽しそうでした。
写真にもありますが、木の枠にラベルをつけて入れていたり、あるいは小瓶に入れていたりして、自分が持ってきた種と誰かの自慢の種とを交換する、というもので、めちゃめちゃ楽しそうだな、と。
ということで会場でも行われました。


ただ、数としては講師が持ち込んだたくさんの大豆と、こちらの生協さんの貸し農園で獲れたものが中心で、参加者の皆さんからはカボチャやオクラなどが持ち込まれていましたが、多様性というほどの種類はありませんでした。また、参加者もどこまで知っていたのか、あまり小分けで持参している人は少なかったので、まだまだ日本では定着していないイベントなのかな、という印象を持ちました。
noteではこういう記事がありました。
ZINEイベントのタネ版、という感じで、もっと広がっていったら楽しそうだな、と思いました。
さて、この回自体は、最後に主催の「たねと食とひと@フォーラム」の宣伝と会員募集がありました。なんでもこのフォーラム、生協関係者が作った会のようで、だから生協でやってるんだな、と納得しました。おそらくボランティアだけの運営で、HPの更新が滞っているのも、割と思い先行での運営で、そういうマネジメントはできていないんだろうなーと思って納得しました。
最後に帰ろうとすると、こんなお土産をもらってしまいました。無料のイベントなのにいいのかな、と思ってしまいましたが、生協さんってこんな試供品を用意しているんですね。調味料中心、というところが良いですね。

現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローも紹介も記事の引用も大歓迎です。
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