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察する文化と暗黙知の限界― 介護現場と海外人材から見えた「伝わらない構造」の正体 ―

おはようございます。
株式会社あきた創生マネジメント代表の 阿波野聖一(AWANO SHOICHI)です。

現場に関わり続ける中で、ずっと感じてきた違和感があります。

それは、日本の現場を支えてきたはずの
「察する文化」と「暗黙知」が、
今の現場ではむしろ機能不全を起こしているのではないか、ということです。

今回は、このテーマについて、現場での実感をもとに整理してみたいと思います。

1. 察する文化とは何か
「察する文化」とは、
言葉にしなくても、相手の意図や感情、状況を読み取り、行動する文化です。

これは本来、日本社会における大きな強みでした。

相手の立場に立ち、先回りして行動する。
衝突を避けながら、関係性を保つ。

こうした“配慮”や“思いやり”の積み重ねが、現場を支えてきました。

2. 暗黙知とは何か


「暗黙知」とは、言語化されていない知識やスキルのことです。

現場ではよく、

・見て覚える
・やって身につける
・感覚で分かる

といった形で共有されてきました。

これは効率的であり、経験の蓄積としては非常に価値のあるものです。

3. 日本の強みだったものが、なぜ課題になったのか


問題は、この2つが“前提として成立しなくなっている”ことです。

社会は変化し、
人材は多様化し、
現場は複雑化している。

それにも関わらず、コミュニケーションの前提だけが変わっていない。

ここに、大きなズレが生まれています。

4. 現場で起きているズレ


現代の現場では、察する文化と暗黙知が、次のように変質しています。

・察する文化
→「言わないけど分かってほしい」
→配慮ではなく、“説明しない理由”になっている

・暗黙知
→「言語化できない」ではなく、「言語化しない」
→属人化し、再現性のない現場をつくっている

このズレが、さまざまな問題を引き起こしています。

5. 介護現場での「あるある」


実際の現場では、こうした場面をよく目にします。

・「さっき言ったよね?」
→ 実際は一度さらっと伝えただけ

・「普通こうするでしょ」
→ その“普通”が共有されていない

・教えながら「見て覚えて」
→ 教育ではなく、暗黙知の丸投げ

・分からないのに「分かりました」と言う
→ 聞き返しづらい空気がある

・ミスが起きて「なんで?」と聞く
→ 前提が共有されていないだけ

・できる人に仕事が集中する
→ 言語化されていないから再現できない

これらはすべて、個人の問題ではありません。

構造の問題です。

6. 海外人材が可視化した本質

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