InDesign|〈2〉文章が入る範囲を決める:後編 フレームグリッドの配置と設定
やっとこ更新です。お待たせしました。
引き続き「文章を組んでみる」の4つのポイントについて、テンプレートを作りながら進めていきますね。
今回は「〈2〉文章が入る範囲を決める」の後編です。
前編では、文章が入る基本範囲として「レイアウトグリッド」を設定しました。後編では、実際にテキストデータを流し込む枠組みを作ります。前に述べた「これからやること」の残り2つの工程です。
やること:その2|本文を流し込むテキストフレームを作る
やること:その3|文章量に応じて自動でページを増やすよう設定する
まず、テンプレートのマスターページにテキストを流し込む「フレームグリッド」を配置します。次に、文章のボリュームにあわせて自動的にページを増やす設定も見ていきましょう。
動画では3分過ぎくらいからの手順になります。あわせてご覧ください。
本稿は初心者向けの記事になります。お急ぎの方は目次から、必要な部分のみご覧ください。使っている InDesign のバージョンはCC2020です。
【註記】CC2022から「マスターページ」の名前が「親ページ」に変更されましたが、本稿ではママとしています。
* * *
【1】 InDesign のテキストフレームは2種類
InDesign でテキストを扱う時は「テキストフレーム」を使います。
Illustrator や PowerPoint などにも同じような機能がありますね。InDesign には2種類のテキストフレームが用意されています。

プレーンテキストフレーム:Illustrator や Photoshop はもちろん、Word や PowerPoint でもおなじみの、プレーンな、普通のテキストフレームです。基本的な操作感も大体似ていますから、後述の「フレームグリッド」よりも親しみやすいかもしれません。
フレームを作るには「ツールパネル」の「文字ツール」を使います。
フレームグリッド:書体や文字サイズ、字間/行間などの書式を設定できるテキストフレームです。設定にあわせて原稿用紙のようなマス目が表示されます(注:初期設定の場合)。書式の他に字数/行数も設定でき、フレーム内の文字数を把握しやすくなっています。
「縦組みグリッドツール」または「横組みグリッドツール」を使ってフレームを作ります。
この2つの違いは、フレームに書式を持てるかどうかです。
この作例のひとつめの記事「〈1〉新規ドキュメントを作る」で、レイアウトグリッドの文字数について書きました。
そこで紹介したように、書籍や雑誌のレイアウトでは、なるべくページあたりの文字数を把握しておきたいので、ひとつのフレームにどのくらい文字が入るか分かると便利です。
今作っているのは小説用のテンプレートですから、字数を把握できる方が後々都合が良いでしょう。そんなわけで、ここでは書式を持てる「フレームグリッド」を使うことにします。
それでは実際にフレームを配置していきましょう。
この後の工程は、すべてマスターページ上で行います。「ページパネル」で「A-マスター」をダブルクリックして画面に表示しておきましょう。
【2】 「フレームグリッド」を使ってみよう
マスターページ「A-マスター」にフレームグリッドを作ります。
ツールパネルから「縦組みグリッドツール」を選び、右ページのレイアウトグリッドにあわせてドラッグしましょう。
グリッドにあわせながらドラッグすると、レイアウトグリッドにぴったりフィットしたフレームが作られます。
同様に、左ページにもグリッドにあわせてフレームを作っておきましょう。
フレームグリッドの書式
グリッドツールで作ったフレームグリッドの書式(フォントや文字サイズ、字間/行間など)は、レイアウトグリッドの設定が自動的に反映されます。
フレームがグリッドにぴったりフィットしたのはこのためです。
今回の作例では割愛しますが、レイアウトグリッド同様、フレームの書式設定も後から自由に変更できます。
「レイアウトグリッド」と「フレームグリッド」
「レイアウトグリッド」と「フレームグリッド」は、名前が似ていてちょっと混乱しますが、お互いの関連が強い兄弟のような機能です。
レイアウトの基準になる範囲を設定する「レイアウトグリッド」、その範囲にあわせて実際にテキストを流し込む枠組みが「フレームグリッド」……というイメージでしょうか。
このように、この2つの機能はセットで使うことが多いかもしれません。
【3】 「フレームを連結」しよう
2つのフレームを配置したものの、現状では左右のページに別々のフレームを置いただけです。このままでは片方のフレームにテキストが挿入されるだけで、次ページのフレームに文章の続きが流れていきません。
2つのフレームを繋げ、見開きに文章が流れる設定をしましょう。
上の動画にもありますが、2つのフレームを繋ぐには、まず「ツールパネル」の「選択ツール(黒い矢印)」でフレームを選択します。
次にそのフレームの左下にある白い四角をクリックしましょう。

クリックすると、図のように四角いアイコンの中に三角形が表示され、マウスポインタの形も変わりました。このままポインタを左ページのフレームに重ねます。

フレームに重ねると、ポインタが鎖の形に変わります(上図)。
そのままフレームをクリックすれば、2つのフレームが繋がり、テキストが見開きに流し込まれるようになります。
InDesign では、フレーム同士を繋げることを「連結」と呼びます。プレーンテキストフレームも同じ手順でフレームを連結できます。
〈2023年3月4日追訂〉このようにマスターページに連結したフレームを置いておくと、長い文章を読み込む時、見開きから文章が溢れてしまっても、自動的に新しいページを作って全文を流し込んでくれるようになります。〈追訂ここまで〉
【4】 テキストの連結を表示してみよう
とはいえ何も入っていない空のフレームでは、フレームが本当に繋がっているのか分かりませんよね……。ちょっと確認してみましょう。
フレームを選択状態にして、「表示メニュー」の「エクストラ」から「テキスト連結を表示」を選びます。
2つのフレームを繋ぐ太線が表示され、フレームが連結されているのが分かります。

【5】 「プライマリテキストフレーム」の設定をしよう
【註記】CC2023から「プライマリテキストフレーム」の名前が「テキストフレームの自動生成」に変更になりましたが、本稿はママとしています。
フレームグリッドを配置して、実際にテキストを流し込む枠組みができました。ここでもうひとつフレームに設定を加えます。
「選択ツール」でフレームを選択状態しましょう。
フレームの左上に小さなページのようなアイコンが表示されますから、このアイコンをクリックしてみてください。アイコンに矢印が加わりましたね。
この状態を「プライマリテキストフレーム」と呼びます(下図の右側)。

(2024年11月26日追記)
マスターページのフレームグリッド(またはプレーンテキストフレーム)を「プライマリテキストフレーム」にすると、見開きのフレームから文章が溢れても自動的に新しいページが作られます。 (2023年3月4日削除)
(2023年3月4日追訂)通常、マスターページに置いたオブジェクトはレイアウトページでは選択できなくなります。ですが「プライマリテキストフレーム」に設定しておくとレイアウトページでも選択したりテキスト入力できるようになります。
また、テキストが溢れた時、文章の続きをプライマリテキストフレームに限定して流し込むようになります。(追訂ここまで)
次の動画のように、文章量にあわせて必要なページ数が自動で生成され、文章全体を余さず読み込めるようになります。
スマートテキストのリフロー処理
フレームから文章があふれることを「リフロー」と呼びます。
リフローした時どのように処理するかは、環境設定の「スマートテキストのリフロー処理」という項目で設定することができます。
実は、InDesign の初期設定では「リフローしたフレームが『プライマリテキストフレーム』であれば、テキストを流しきるまで自動的にページを増やす」……という設定になっています。本稿での工程はこの初期設定を前提にして進めています。
作例と異なり、プライマリテキストフレームに設定してもリフロー処理されない方は、InDesign の環境設定を確認してみてください。
リフロー処理の設定項目は、「環境設定」の「テキスト」の中にあります。
この設定の中で、「スマートテキストのリフロー処理」、「プライマリテキストフレームに制限する」の2つをONにしてから、テキストを配置し直せば作例と同じようにテキスト全体を読み込めるようになります。
ところで、このプライマリテキストフレーム設定……。
機能名を聞いても「なんのこっちゃ??」という案配ですが、「プライマリ(primary)」には「主要な、基本の……」といった意味があるようですね。
意味合いとしては「誌面のベースになるテキストフレーム」くらいのニュアンスでしょうか……。
そうしたことを踏まえると、プライマリテキストフレーム設定は本文用のフレームのみに施すと良さそうです。
マスターページの本文用フレームをプライマリテキストフレームにしておくと、レイアウト変更の調整も楽になります。その辺のお話は今回のテーマとは離れてしまうため、別の機会に紹介します。
プライマリテキストフレームの詳細は、InDesign の公式ページなどにも紹介されていますから、興味のある方はご覧ください。
* InDesign 入門ガイド 入門ガイド:基本的な考え方
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/how-to/introduction-guide-basic.html
新規ドキュメント画面での設定
余談ながら……、新規ドキュメント画面にも「プライマリテキストフレーム」のチェック項目があります。この項目をONにすると、新規ドキュメント作成と同時にプライマリテキストフレームを作ってくれます。
この作例では、レイアウトグリッドとフレームグリッドの機能紹介のため、この項目をOFFにしてドキュメントを作っています。
便利な機能と思いますから、お好みでご利用ください。
【註記】CC2023より、新規ドキュメント画面でも「テキストフレームの自動生成」という名前になったようです。
終わりに
文章を流し込む範囲の設定について、2回にわたって見ていきました。
こうして手順を書き起こしてみると長くなりましたが、作例動画の通り、やり方を覚えてしまえば数分程度でできるようになるでしょう。
動画と記事を参考に、実際に試しながら手順を確認してみてください。
さて次回は「〈3〉ページ番号を配置する」を見ていきます。
本文の下にページ番号を配置し、ページ数にあわせて変化する自動ページ番号を設定していきます。
引き続きお楽しみいただければうれしく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
*この記事の続きは下記リンクからご覧ください。
追訂履歴
2024年11月26日
「プライマリーテキストフレームの設定」の図に説明文を追加。プライマリーテキストフレーム(現・自動生成フロー)のアイコンが表示されない時の注意点を追記しました。
2023年4月8日
記事の最後に次回へのリンクを追加
2023年3月4日
「マスターページ」から「親ページ」への名称変更について註記を追加
「プライマリテキストフレーム」から「テキストフレームの自動生成」への名称変更について註記を追加
『【5】 「プライマリテキストフレーム」の設定をしよう』の本文を一部訂正。「プライマリテキストフレーム(現・テキストフレームの自動生成)」の認識が正確ではなかったので直しました。ごめんなさい。
訂正後の表現もちょっと微妙なんですけど、ここではひとまずこの形にしておきます。
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