見出し画像

「自分はダメだ」のホントの正体

 「自分に自信が持てないんです」
 「どうせ自分なんて…と思ってしまう」
 「やればいいとわかっていても、怖くて動けない」

 こうした悩みは、自己啓発やカウンセリングの現場で、もっとも頻繁に語られるものの一つだ。

 にもかかわらず、自信のつけ方はどこか曖昧なまま語られることが多い。
 「自分を信じよう」と言われても、それができないから困っているのだ。

 この混乱の背景には、「自信がないのは、あなたの内面の問題だ」という前提そのものがある。
 だが、それは本当だろうか?

 じつは、『自信のなさ』には、明確な外側の設計という構造が存在している。

 「自信がない」という状態をもう少し具体的に分解してみよう。

  • 失敗を恐れて行動できない

  • 他人の評価に過敏になる

  • 自分の意見を持っても、口に出せない

 これらはいずれも、「行動に対して自己評価がブレーキをかけている」状態だ。しかし、この“自己評価”の基準は、私たちが最初から持っていたものではない。多くは、学校教育や家庭、社会的期待の中で後天的に刷り込まれてきたものだ。

 テストでいい点を取れば褒められる。空気を読めば周囲から受け入れられる。そして、失敗すると評価が下がるから目立たないようにしよう……。

 こうして、他者の評価をベースにした『条件付きの自己肯定』が作られていく。 そしてその構造の中で育った人は、「何かができたときだけ、自分に価値がある」と信じ込んでしまう

 この「条件付きの自信」は、非常に不安定だ。そう、外的条件は常に変化するし、コントロールできないからだ。

 どれだけ頑張っても不条理に評価されないことがあるし、ひとつの失敗で「すべてが終わった」気になる。そして、なにより他人と比較して、常に上が存在する。

 そう、結果として自信を得ようと努力するほど、不安が強化されるパラドックスが生まれる。
 そして本人は「まだ自分は足りない」「もっと頑張らないと」と、終わりなき自己否定のループにはまってしまうのだ。

 では、どうすればこの構造から抜け出せるのか。

 第一に「自信=根拠のある確信でなくていい」という前提を持つこと。

 本来、「confidence自信」の語源は、信じることfidereであり、「根拠の有無」よりも、「信じ続けようとする姿勢」に重きが置かれている。

 つまり、「自信があるからやる」のではなく、「やっているうちに、信じられる部分が育ってくる」という順番でもいいのだ。

 第二に、『自己評価の設計』を見直すこと。

 自信とは、他者の評価ではなく「自分が自分をどう扱うか」の積み重ねだ。ちゃんと休ませてあげるか。小さな行動を「よくやった」と認めているか。つまづいても「まだ途中だ」失敗していないと自分に声をかけているか?
 こうした自分との関係性が、外の評価に揺れにくい土台を少しずつ作っていく。

 自信がないというのは、心のクセや性格の問題ではない。

 それは、外部から押し付けられた構造の中で設計された結果であり、その構造は、今からでも再設計することができる

 だからもし……。

 だからもし、あなたが「なんで自分はこんなにダメなんだろう」と思ったとしたら──

 それ、たぶん“構造”のせいです。


前回の #構造分析論シリーズ は…

エンディングテーマ


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集