報連相が機能しない組織の秘密
「“報連相”が機能しない組織の秘密」
日本のビジネス文化で必ず教わる“基本のき”。
──それが、「報・連・相」。報告・連絡・相談である。
だがこの金科玉条のような行動原則が、実際の職場では驚くほど機能していないのが現実だ。
報連相を徹底しているはずの組織で、なぜトラブルが起きるのか。
なぜ後から「そんな話は聞いてない」と揉めるのか。
その原因は、表面的な行動ではなく、構造のゆがみにある。
まず、報告が機能しない理由。
それは「報告=評価の材料」と化しているからだ。
ミスを報告したら、無能と思われる。
成果がないときは、報告しづらい。
うまくいった話だけを盛って伝えるようになる。
──こうして、「報告」は、真実ではなく“印象操作のツール”に変質してしまうのだ。
次に連絡。
連絡とは情報の共有であるはずなのに、なぜか「伝えた」「聞いてない」で争いになる。
メールを送ったが、読まれていなかった。
口頭で話した『つもり』が、伝わっていなかった。
──これは、『連絡した』ことが目的になり、伝わったかどうかはどうでもよくなっている構造のせいだ。
最後に相談。
本来、相談は助けを求める行為のはずなのに、なぜか「相談されないまま暴走された」と怒られる。
相談すると「考えが浅い」と言われ、結論を決めてから来いと言われる。
「忙しいから自分でなんとかして」と突き放される事すらある。
つまり、「相談してね」と言いながら、相談を受け止めるようになっていないのだ。
このように、報連相が機能しない組織には共通点がある。
「伝える内容」よりも「上下関係」が優先される。
「聞いた・聞いてない」が『パワーゲーム』になっている。
「報連相」は個人の責任に留まり、組織の構造には踏み込まれていない。
つまり、報連相がうまくいかないのは、人が怠っているからではなく、仕組み自体が組織で機能しないようにできているからなのだ。
では、どうすればこの構造を再設計できるか?
報告・連絡・相談に対する「期待値」をチームで明文化する。
「うまくいかなかった報告」を歓迎するカルチャーをつくる。
または、そもそも「報連相が必要にならない構造」(情報共有の自動化)を整備する。
重要なのは、報連相を“徹底”させることではなく、報連相が「自然に起きる構造」そのものをつくることである。
「なんで報連相できてないの?」と責める前に、その人が報連相しやすい構造だったかを問おう。
報連相の失敗は、人の問題ではなく、システムの問題である。
こんなこと、教科書に書いてなかったんだよな。
前回の #教科書に書いてない シリーズは…
エンディングテーマ『教科書に書いてない』
