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人生は思ったより短い、だから面白い

 人生は長いのか、それとも短いのか。

 この問いは、昔から何度も繰り返されてきた。
 若いころは、人生は果てしなく長く感じる。まだ何でもできる気がするし、時間はたっぷりあるように思える。
 ところが、ある年齢になると不思議な感覚が生まれる。

 「あれ、こんなに早かったっけ」

 時間の流れが、急に速く感じるのだ。
 人は年齢を重ねるほど時間が速く感じられると言われている。

 理由は単純だ。

 子どものころの一年は、人生の大きな割合を占めている。十歳の一年は、人生の十分の一だ。でも四十歳になると、一年は人生の四十分の一になる。

 つまり、相対的に短くなる。

 だから年齢を重ねるほど、「あっという間」に感じる。

 ここで、もうひとつ面白い事実がある。

 人の一生は、日数にするとだいたい四万日くらいだ。
 九十歳まで生きると仮定しても、そのくらいになる。

 四万日。

 こう聞くと、少しだけ現実味が出てくる。
 私たちはよく「いつかやろう」と言う。

 旅行。新しい挑戦。会いたい人。

 でも「いつか」という言葉は、とても便利で、とても危険だ。なぜなら、「いつか」はたいてい来ないからだ。

 日常は忙しい。仕事がある。予定がある。
 気がつくと、時間は静かに過ぎていく。

 だから「人生は短い」という言葉は、少し怖い響きを持っている。

 けれど、別の見方もできる。

 もし人生が無限に長かったら、どうなるだろう。
 明日やればいい。来年でもいい。百年後でもいい。そう思ってしまうかもしれない。つまり、期限がないと、人は動かない。

 人生に時間の制限があるから、人は決断する。

 誰と会うか。どこへ行くか。何をするか。この選択が、人生を面白くする。

 映画も同じだ。
 もし上映時間が無限だったら、物語は成立しない。二時間という限られた時間があるから、ドラマが生まれる。

 人生も、それに少し似ている。

 時間が限られているから、価値が生まれる。今日という日。いまという瞬間。それが一度きりだから、大事になる。

 ここで少し考えてみてほしい。

 もし残りの人生が、あと二万日だとしたら。

 意外と多い。でも、永遠ではない。
 だからこそ、選ぶ意味がある。

 やってみたいこと。会いたい人。行ってみたい場所。
 全部はできない。でも、いくつかはできる。

 そして多くの人が、あるとき気づく。

 人生は短いから悲しいのではない。むしろ逆だ。限りがあるからこそ、ひとつひとつの出来事が特別になる。
 もし時間が無限なら、今日という日はただの一日だ。

 でも時間が限られているなら、今日には意味が生まれる。だからこの事実は、怖い話ではない。むしろ少しワクワクする話だ。

 人生は永遠ではない。

 だからこそ——

 人生は、思ったより短い。だから面白い。

#人生はだから面白いシリーズ
#創作大賞2026 #エッセイ部門

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