成功者ほど危ない?自信過剰が生む落とし穴
前回のコラムでは、知性の高い人が「知性の罠」に陥るメカニズムを解説したが、今回は特に成功者が陥りやすい「自信過剰」の心理に焦点をあてたい。
成功を積み重ねると、人は自然と自信を持つようになる。この自信は行動力や決断力を高め、さらなる成功につながる原動力にもなる。しかし、その裏側には「自信過剰(オーバーコンフィデンス)」という危険が潜んでいる。
行動心理学では、自信過剰は「成功が続くことで、自分は間違いを起こさないと錯覚する状態」と定義される。これがなぜ危険なのかというと、自分の能力を過信すると、リスクの判断が甘くなり、大きな誤りを招きやすくなるからだ。
たとえば、過去の成功体験にとらわれ、「前回もうまくいったから今回も大丈夫」と考えてしまうことがある。しかし、状況は常に変化しているため、同じやり方が通用する保証はどこにもない。にもかかわらず、自信過剰な人ほど、過去の成功パターンに固執してしまい、新たなリスクを見逃してしまう。
また、自信過剰は周囲の忠告や警告に耳を貸さない態度にもつながる。成功者は自分の判断を絶対視しがちなため、周囲の異論や批判を軽視してしまい、その結果、重大な見落としや判断ミスを犯してしまうケースが少なくない。
では、この「自信過剰」から逃れる方法はあるのだろうか。心理学者によれば、その鍵は「メタ認知」、つまり自分自身の考え方や判断を一歩引いて客観視する力を養うことにあるという。
成功者が陥る自信過剰の罠から逃れるには、自分自身を冷静に見つめ直す「メタ認知」の習慣を持つことが重要だ。
自分の判断が常に正しいとは限らないことを認め、周囲の意見に耳を傾ける謙虚さを忘れないようにしたいものだ。
