呉駅前再開発と工事期間中のバリアフリー
進む工事、変わる景色
呉駅前では、旧そごう呉店跡地へのバスターミナル建設を中心とした
再開発が進んでいます。それに伴い、駅前広場・バスロータリーも
大掛かりな工事に着手し、駅入口へのアクセスルートも
大きく変更されました。

歩道が狭くなっているので足元に注意。

市民の期待を集める再開発工事ですが、通勤利用者としての目で見ると、
工事期間中のバリアフリーに対する配慮については課題も見えてきます。

国道31号線を跨ぐ平坦なルートは
閉鎖されてしまいました。
駅入口へのアクセスルート変更に際して、主な課題は
○通路は曲がりくねっていて見通しがきかない。
○バリアフリールートに関する案内がほぼない。
○バリアフリールートは起伏が大きい。
昨日あった通路、今日はない。案内も…ない
11月のとある朝、市街地から国道31号をまたぐ横断歩道を渡ると、
あたりの様子は大きく変わっていました。
柵に「歩行者通路」、バス乗り場には◯番と
紙が貼ってありました。でも、今歩いている通路が
どこに向かっているのかわかりません。
通路を終端まで歩くと、工事現場のフェンスのかげから
階段があらわれました。車椅子では上がれません。
フェンスの向こうには、自由通路2Fにつながる
エレベーターがありますが通り抜けはできません。
迂回ルートを探していては電車に乗り遅れてしまいます。
結局、その日はそこにいた広電・JRの職員さん3人で
抱えてあげてもらいました。
"Long and Winding Road"急な坂のある曲がりくねった迂回路
仕事の帰り、駅の周りを歩いてみました。
迂回路は駅の東、阪急ホテル側のルートです。
途中、バス・タクシーの出入り口や乗降客の動線と交差したり、
スロープはありますが傾斜が急であることが難点です。

左右方向、バス・タクシーの出入りに注意


写真ではゆるく見えますが、結構登ってます。
斜めに登らないとシンドい
このスロープ、若い人であれば手動車椅子でも
登り下りできるかもしれませんが、結構急です。
もともと駅の西側にエレベーターや平坦なルートがありましたが、
今はどちらも工事中エリアの中です。
下の写真、左側画面の外に駅の正面口があります。
正面口は階段と上りエスカレーターです。
夜間・早朝は画面奥に向かって直進、スロープを降りた先に
駅へ向かうエレベーターがあります。
「この先エレベーター」の案内が欲しいところです。
このほか駅ビルの中にも、駅の連絡通路につながるエレベーターが
あります。利用はスーパーの営業時間である午前9時〜22時までです。

早朝・夜間は画面奥に向かって直進 。
下の写真のスロープにつながっています。
画面右側は階段。

画面中央2Fレベルに見える通路は、画面左(南)が呉駅方面、
画面右(北)が呉市街地方面(閉鎖中)

2Fでは奥側の扉が開きます。

エレベーター正面は行き止まり。
これまで紹介したルートを逆にたどれば
呉市街中心部に出られる。
通勤ラッシュに鳥の群れ
ところで、朝・夕の呉駅前には鳥の群れも集まってきます。
車椅子で近づいても一向にどいてくれないのは困りますが、
さながら彼らも通勤客の一団のようです。
ひょうひょうと街角で餌をついばむ姿は、
カフェに立ち寄るパリの人々のようで微笑ましくもあります。

グレーカラーの鳥の群れは、スーツ姿の通勤客に
さも似たり
工事中でも安心して歩ける通路を
全体を概観すると、歩行者通路はルート案内がなく、
フェンスに囲まれ、曲がりくねっていて非常にわかりづらい。
夜間ともなればなおさらです。
仮通路は工事の進捗につれて変化します。日々多くの利用がある中、
誰もが「慣れない」状況で歩く場所だからこそ、わかりやすい案内や
歩きやすいルート設定が望まれます。
バス乗り場に関しては、案内のためにラミネート加工した紙を
フェンスに貼っています。であれば、歩行者通路、エレベーターはこちら、
というのも一緒に貼ってくれるだけでいいのになぁ、と思います。

バリアフリーに関するアナウンスはほぼありません。

印刷してくれたらうれしいな
急なスロープは、後ろから押してくださる通勤客の方もいて
ありがたいです。けれども完成まであと一年以上あるなかで
毎朝善意にすがるわけもいきません。
現在のバリアフリー法ができてから来年で20年になります。
建物の計画段階・完成後のバリアフリーについては、
概ね定着してきたと思います。
工事中も多くの人々が利用する呉駅周辺、
完成建築物はもちろんのこと、工事中のバリアフリーにも
配慮して頂けると嬉しいです。
(文:Seto、写真:TOMO)
