見出し画像

無人島転生 第10話        「手作りスポーツで大人の本気バトル」

「なんか最近、体がなまってる気がする」エリが朝の洞窟で背伸びをしながら呟いた。
日々の生活は安定していたが、ちょっとした退屈感も生まれていた。
「確かに、毎日同じことの繰り返しですからね」ユミが同意する。
「たまには体を動かしたいな」タケシが腕を回しながら言う。
「スポーツとかできればいいんですけど」アヤが提案する。

「スポーツ!」エリが目を輝かせる。「いいね!何かやろう!」
「でも、ボールもラケットもない」ユミが現実的な問題を指摘。
「スポーツジムも体育館もない」タケシが付け加える。
「ゲーム機でスポーツゲームも…」アヤが言いかけて止まる。「ない」

「よし、手作りスポーツ大会開催!」エリが突然立ち上がる。
「手作りスポーツ?」三人が首をひねる。
「道具も何もかも、自分たちで作っちゃうの!」エリが興奮気味に説明。

まず四人は何のスポーツができるかを相談した。
「水切り石投げはどう?」タケシが提案。
「それスポーツなの?」ユミが疑問に思う。
「立派なスポーツだよ!技術とセンスが必要だし」エリが賛成。
「確かに、競技性はありますね」アヤも納得。

海岸で水切り石投げ大会開始。
「よし、俺から」タケシが平たい石を選んで構える。
石を低い角度で水面に投げる。ピョンピョンと跳ねながら、7回跳んで沈んだ。
「おお、7回!」エリが拍手。
「次は私」ユミが同じように投げる。意外にも12回跳んだ。
「えー!ユミさんすごい!」エリが驚く。
「看護師時代の手首のスナップが活かされたのかも」ユミが照れながら言う。
「俺より上手いじゃん」タケシが悔しそう。
エリの番。気合を入れて投げるが、石が縦に回転して1回で沈んだ。
「あれ?」エリが困惑。
「投げ方が悪いんじゃない?」タケシがアドバイス。
「今度は私が」アヤが静かに構える。集中して投げた石が、なんと15回も跳んだ。
「うそ!アヤさん最強じゃん!」エリが叫ぶ。
「事務職で培った集中力でしょうか」アヤが謙遜する。

タケシのプライドが傷ついた。「もう一回!今度は本気出す!」
今度は気合を入れすぎて、石が勢いよく水面に叩きつけられ、大きな水しぶきと共に即沈。
「力じゃないんだな…」タケシが学習。
「技術とセンスの勝負ですね」ユミが分析。
水切り石投げで意外な才能を発揮したアヤとユミ。二人の間に謎の競争心が芽生えた。

「次は手作りボウリングをやろう」エリが提案。
「ボウリング?」
「ピンは石を積んで、ボールは…」エリが周りを見回す。「ココナッツ!」
ココナッツサイズの丸い石を見つけて、石のピンを10本立てた。

「おお、なんかボウリング場っぽい」タケシが感心。
「でも、投げるの難しそう」ユミが心配。
最初はアヤから。慎重に狙いを定めて転がす。ゴロゴロと転がった石が、見事に7本のピンを倒した。

「おー!」みんなが拍手。
タケシが「俺はストライク狙い」と豪語して思いっきり投げる。勢いよく転がった石は、ピンの横を素通りしてガターイン。
「あれ?」タケシが呆然。
「力じゃダメなんですよ」ユミが苦笑い。

ユミの番。看護師らしい正確さで8本倒した。
エリは勢い任せで投げたが、途中で石が跳ねて明後日の方向へ。
「私、スポーツ向いてないかも」エリがしょんぼり。
「大丈夫、楽しければいいんです」アヤが慰める。

しかし、ここで四人の競争心に火がついた。
「次はバドミントンっぽいのをやろう」タケシが提案。
竹でラケットを作り、鳥の羽根で手作りシャトルを製作。
「なかなかいい感じ」エリが出来上がりに満足。
しかし、手作りシャトルは思うように飛ばない。風に流されたり、回転がおかしかったり。

「全然ラリーが続かない」ユミが苦笑い。
「シャトルの作り方が悪いのかな」アヤが分析。
それでも四人は必死にラリーを続けようとする。みんな本気になりすぎて、汗だくに。
「はあ、はあ、はあ」四人が息切れ。
「なんで、こんなに必死になってるんだろう」エリが苦笑い。
「大人の本気って、恐ろしいですね」ユミが自分を客観視。

そんな時、エリが魔法を使おうとした。
「ボールを操る魔法をかけてみる」
「ちょっと待って」ユミが止めようとしたが時すでに遅し。
エリが手作りボールに魔法をかける。
「ボールよ、思い通りに飛べ〜」
ボールが光る。
「おお」四人が注目。
エリがボールを投げる。ボールは最初普通に飛んだが、突然空中で爆発した。

「うわあああ!」
破片が四人に降り注ぐ。
「また爆発かよ」タケシが呆れる。
「エリの魔法って、なんで爆発ばっかりなの?」ユミが不思議がる。
「わからない…」エリが困惑。
「もう魔法禁止」全員で言った。

気を取り直して、今度は徒競走に挑戦。
「これなら道具いらないし」アヤが提案。
砂浜で50メートル走。
「よーい、ドン!」
四人が一斉にスタート。しかし、砂浜は走りにくく、みんなペタペタとした走り方に。
「砂って、こんなに走りにくかったっけ」エリが息を切らしながら言う。
「普段、舗装された道しか走らないからですね」ユミが分析。

それでも最後まで走りきった四人。結果は意外にもアヤが1位。
「アヤさん、運動神経いいですね」タケシが感心。
「学生時代、陸上部だったんです」アヤが照れながら白状。
「えー!隠してたの?」エリが驚く。
「別に隠してたわけでは…」アヤが苦笑い。
競技が続くにつれて、四人の本気度がエスカレート。

「次は相撲!」タケシが提案。
「相撲?」女子三人が戸惑う。
「まあ、押し合いっこみたいなもんだろ」
砂浜に円を描いて、即席相撲場の完成。
「まずはエリ対ユミ」タケシが仕切る。
二人が向かい合う。
「よろしくお願いします」ユミが礼儀正しく挨拶。
「こちらこそ」エリも返す。

「はっけよーい、のこった!」
二人が組み合う。最初はお互い遠慮がちだったが、だんだん本気に。
「うわあ」「きゃあ」
二人が砂浜で転がりながら押し合い。
「なんか、楽しい」エリが笑いながら言う。
「確かに」ユミも笑う。
結果はユミの勝利。看護師の体力が活かされた。

「次はアヤ対タケシ」
「男女で相撲って…」アヤが躊躇。
「俺、手加減するから」タケシが優しく言う。
しかし、いざ始まってみると、アヤの意外な強さが発揮された。
「うわ」タケシがバランスを崩す。
「あ、すみません」アヤが慌てる。
でも手は緩めない。結果、タケシがあっさり土俵を出た。
「え?俺、負けた?」タケシが呆然。
「アヤさん、強すぎ」エリが感心。
「陸上部時代の体幹の強さでしょうか」アヤが謙遜。
タケシの男としてのプライドが完全に崩壊。
「女子に負けるなんて…」
「性別関係ないですよ」ユミが慰める。
「そうそう、強いものが勝つのが勝負の世界」エリが励ます。

スポーツ大会の途中で、みんな汗だくに。Tシャツが肌に張り付いて、ちょっとセクシーな状態。
「みんな、いい汗かいてるね」エリが無邪気に言う。
「運動後の汗って、気持ちいいですね」ユミが額を拭う。
タケシが女子三人の汗ばんだ姿にドキドキしながら、視線を逸らす。
「あ、あの、水分補給しませんか」タケシが提案。

競技の合間に、勝利者同士でハイタッチする。自然な身体接触にスポーツマンシップを感じる。
「やったね!」エリがアヤとハイタッチ。
「ありがとうございます」アヤも嬉しそう。
タケシとユミもハイタッチしながらお互いの健闘を称える。

夕方になって、スポーツ大会も終了。
「疲れたけど、めっちゃ楽しかった」エリが満足そう。
「久しぶりに思いっきり体を動かしました」ユミも笑顔。
「やっぱりスポーツはいいな」タケシも清々しい顔。
「皆さんの意外な一面が見えて、面白かったです」アヤがまとめる。

総合成績は、意外にもアヤが1位。隠れた運動神経の良さが発揮された。
「アヤさん、実は一番運動できるじゃん」エリが感心。
「学生時代の貯金ですね」アヤが謙遜。
「俺、完全敗北だな」タケシが苦笑い。
「でも、楽しかったからいいじゃないですか」ユミが慰める。
温泉に入りながら、四人は今日のスポーツ大会を振り返る。
「本気で競争するって、子供の頃以来かも」エリが懐かしそうに言う。
「大人になると、勝ち負けを気にしなくなりますからね」ユミが実感。
「でも、たまには本気になるのもいいもんだ」タケシが納得。
「競争も大切ですが、最後はみんなで笑い合えるのが一番ですね」アヤが温かく言う。
四人は手作りスポーツを通じて、新たな一面を発見し合った。競争心を燃やしながらも、最後は仲良く笑い合える関係。そんな絆の深さを再確認した一日だった。

「明日は何して遊ぼうか」エリが楽しそうに提案。
「今度は知的なゲームもいいですね」ユミが提案。
「手作りトランプとか作ってみる?」タケシがアイデアを出す。
「皆さんとなら、どんな遊びでも楽しくなりそうです」アヤが微笑む。
星空の下、四人は明日の遊びに想いを馳せながら、充実感に満ちた一日を終えた。

いいなと思ったら応援しよう!

SKY 応援いただけたら嬉しいです。