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シャラポワ感動物語

マリア・シャラポワがその美しさだけでなく、感動的父娘の絆でスターに なった選手だと、どれほどの人が知っているだろうか。

2005年東レオープン優勝時のシャラポワ

原発事故は1986年4月に起こった。シャラポワが生まれる1年前だ。爆発地点から約160キロのゴメリ(ベラルーシ)に住んでいた両親は被災し、事故後すぐ祖父母の住むシベリアのニャガンへ逃れた。翌87年4月、そこでシャラポワは生まれた。

チェルノブイリ原発事故

2歳の時、寂しいニャガンに退屈した父ユーリがソチへの引っ越しを決めた。誕生日にジョークで贈られたテニスラケットがきっかけでテニスを始め、思いがけずはまった。

それがリゾート地のソチを新天地に選んだ理由だった。ソチにはテニスコートがあふれていた。いつも父と行動していたシャラポワが、4歳の頃の出来事を記している。

当時、遊び道具のなかったシャラポワは壁にテニスボールを何時間でも打ち続けていた。人々が感心したのは、彼女の技術についてではなかった。

その彼女の集中力についてだった──少しも退屈せずに、何度も何度も壁打ちができた。まるでメトロノームのように。

この飽きる事なく壁打ちを続ける4歳の少女の周りにいつもそれを眺める人の輪があった。

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娘の才能に気付いた父ユーリは、高度な指導を求めて情報を集め、機会を探った。6歳の頃、モスクワで開かれるテニス・クリニックに父は娘を連れて参加した。モスクワまでの飛行機代を、父は奇跡ともいえるほどの努力で捻出した。

 無数に並ぶコートに数百人もの子どもがひしめいていた。才能ある金の卵を見つけ出そうと目を光らせるコーチや選手の中に、マルチナ・ナブラチロワがいた。すでに一世を風靡し、シングルスからの引退を決意する直前の時期だった。シャラポワは彼女の目に留まった。

「わたしの打つ番が終わると、ナブラチロワは話をしようと父を脇へ呼んだ。(中略)お嬢さんには才能がある。彼女をこの国から出して、技術を磨けるところへやらなければいけない。そう、アメリカへやりなさい、と」

父はすぐアメリカ行きの算段を立て始めた。当時の国情では、政府関係者以外、アメリカ行きのビザ取得は通常許されなかった。しかも父には蓄えもない。出発時の全財産は700ドル。

それでも父は諦めなかった。国際ジュニア大会出場に向けフロリダで合宿しているロシアジュニアチームからの招聘(しょうへい)状を取りつけた。圧巻はモスクワの大使館に一張羅のスーツで向かい、ビザを申請する場面だ。

父は「娘は神童だ」「あのナブラチロワが認めてくれた」など窓口で役人に対してとうとうと演説を続けた。

役人:「6歳の女の子に訓練を受けさせるため、アメリカに行かせたいと思うんですね?」
父:「はい」
役人:「一片の疑念も持たずに、ですか?」
父:「そうです」
役人: 彼は父の目をじっと見つめた

 役人は、有効期限3年のビザを発行してくれた。アメリカとロシアを自由に行き来できる黄金のパス。その瞬間にシャラポワのテニス人生の新たな扉が開いた。

マリア・シャラポワ選手と父ユーリ氏がアメリカでテニスキャリアをスタートさせた初期の時代は、経済的な苦難文化的な適応の難しさを伴うものでした。

シャラポワ選手が7歳の時、テニスの才能を伸ばすため、父ユーリ氏と共にロシア(ソチ)からアメリカのフロリダ州へ渡りました。

目指したのは、有名なテニスアカデミーであるニック・ボロテリー・テニスアカデミーでしたが、入会は8歳からで、入会金は予想以上に高額で、とてもユーリが支払える金額ではなかったのです。

ユーリ氏は、シャラポワ選手をアカデミーで訓練させるための費用を稼ぐために、皿洗いや建設作業員など、複数の低賃金の仕事を掛け持ちして働きました。

親子は限られた予算の中で生活し、生活費を切り詰める日々でした。

母エレーナさんは、ビザの問題で2年間は渡米できず、シャラポワ選手は父と二人きりの生活でした。

言葉や文化の壁もあり、幼いシャラポワ選手にとって孤独な時期でもあったと語られています。

父ユーリ氏は、シャラポワ選手の練習に付き添い、自身も働き詰めで、精神的にも肉体的にも過酷な状況だったようです。

この苦難を乗り越える中で、シャラポワ選手は強い精神力とハングリー精神を培い、後の成功の土台となりました。

シャラポワが世界的に知られるようになったのは2004年、17歳のとき。
グランドスラムの中でも、もっとも権威あるウインブルドン大会で、    セリーナ・ウィリアムズを下し、初優勝を果たした後、父と抱き合う
シャラポワ。

娘の才能を信じ続けた父ユーリと、献身的な父に答えるために努力を惜しまなかった少女の抱き合うシーンは、世界中のテニスファンから祝福された。

私のコーチングの原点が、このシャラポワ親子の物語にあると言っても過言ではありません。

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