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インターナショナルスクール神話の解体。教育を“人生設計”として考える連載①

「インターに入れれば未来が広がる」——そう信じた結果、どこにも戻れなくなった子を私は何人も見てきました。問題は英語力でも学力でもない。“戻る道を設計しないまま進ませる”ことです。今日から反響テーマを5本に分けて、インターナショナルスクールを「学校選び」ではなく人生設計として整理します。第1回は、最大の被害者=「帰れない子ども」から。

今日から、
これまで多くの反響をいただいてきた
「インターナショナルスクールと出口戦略」について、

一つの記事に詰め込んでいた内容を、
5本に分けて、丁寧に解説していきます。

なぜ分けるのか。

それは、このテーマが
「賛成/反対」や
「成功/失敗」といった
単純な二択で語れるものではないからです。

インターナショナルスクールも、教育移住も、
本質は学校選びではなく、人生設計です。

一度で読み切るには重すぎる。
でも、考えずに進むには危険すぎる。
すでにインターナショナルスクールに通っているご家庭にも、
これから検討するご家庭にも、読んでほしい内容です。

だからこそ、
一つずつ、構造として整理していきます。


第1回は、
この問題の出発点になる話から。

なぜ、私がこのテーマを書くのか

私は、教育移住を4回経験し、
14年間、海外教育とインターナショナルスクールの現場を、
親として、当事者として見続けてきました。

香港、沖縄、オランダ。
国も制度も言語も違う場所で、
多くの家庭と子どもたちの進路を、すぐそばで見てきました。

その中で何度も目にしてきたのが、
「間違った選択」ではないのに、行き場を失ってしまう子どもたちです。

彼らが苦しんでいた理由は、
英語ができなかったからでも、
能力が足りなかったからでもありません。

「戻る道が用意されていなかった」
ただ、それだけが問題で。

特に沖縄のインターナショナルスクール関係で
よく聞く話でした。
親自体がインターナショナルスクール教育の
本質とか使い方をわかっていない場合によく起こることです。

インターナショナルスクールの最大の被害者は「帰れない子ども」だ

これは、
インターナショナルスクールを否定する記事ではありません。

ただ、
「インターに入れれば未来が広がる」
そう信じた結果、
どこにも戻れなくなった子どもたちを、
私は何人も見てきました。

問題は英語力ではありません。
学力でもありません。

「戻る道を設計しないまま進ませたこと」
それが、いちばん大きな問題でした。

インターナショナルスクールに進むということは、
日本社会から一度、意図的に離脱する選択です。

それ自体は、悪いことではありません。
海外で学ぶことも、
多文化環境に身を置くことも、
大きな価値があります。

けれど、多くの家庭が無意識にこう考えています。

「必要になったら、日本に戻れる」
「選択肢は減らないはず」

実は、ここに大きな落とし穴があります

インターナショナルスクールの多くでは、

・友人関係が毎年大きく入れ替わる
・卒業後の進路が一様ではない
・日本語環境が急激に薄れる

という環境が当たり前に存在します。

日本語の読み書きや、日本社会の文脈を学ぶ機会を、
意識的に確保しなければ、

子どもは少しずつ「帰れる前提」を失っていきます。
教学言語(きょうがくげんご)や思考言語の切り替えは、親が必死でバイリンガル教育をしていかない限りは、そんなに簡単にいかないんです。

これは、子どもの努力不足ではありません

親が
「まだ大丈夫」
「そのうち考えよう」
と先送りにしてきた結果、
静かに起きる構造的な問題です。

・日本の学校に戻れない
・日本語で思考し、書く力が追いつかない
・所属できるコミュニティが見つからない

こうして、帰ろうと思ったときには、帰れなくなっている。

教育の失敗とは、成績が悪いことではありません。

「選び直せない状態」に子どもを置いてしまうことです。

インターナショナルスクールの最大の被害者は、
そこで学ぶ子どもそのものではありません。

「戻れると思っていたのに、戻れなくなった子ども」
その存在です。


次回は、
なぜ多くの家庭が
「インターに入れれば大丈夫」
という安心感に陥ってしまうのか。

その構造を、
もう一段深く掘り下げます。

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