「正解のはずだった進路が、子どもを疲れさせた理由」教育移住4回、戦略型の親が“想定外”に出会うまで③
「もう疲れてきた」
その一言で、親が組み上げてきた進路戦略は止まりました。
理論的には間違っていなかったはずの選択が、
なぜ子どもを追い詰めてしまったのか。
これは、能力の話ではなく、価値観の話です。
こんにちは。
教育移住を4回、海外生活14年。
インターナショナルスクール、IB、公教育、オランダ教育移住撤退、進路再設計まで、迷い尽くしてきた側のリアル孟母ベティです。
この記事は、
「海外大学進学」や「語学学習の成功例」を書いたものではありません。
むしろその逆で、
理論上は正しかったはずの進路設計が、
現実ではうまく噛み合わなかった話です。
長女は、もともとスペインの公立大学を志望していました。
必要な語学レベル、学習期間、進学要件。
どれも調べ、専門家の力も借り、
親としてできる準備は、かなり徹底していたと思います。
それでも、
ある日、娘はこう言いました。
「もう疲れてきた」
この言葉を、
「粘りがない」と切り捨てることもできたかもしれません。
でも私は、そうしませんでした。
なぜならこれは、
努力不足や能力の限界ではなく、
生き方そのものの選択だったからです。
この記事で書きたいのは、
大学志望校を変えたこと自体の是非ではありません。
・親の価値観と、子どもの価値観がずれるとき
・正しさを積み上げても、うまくいかない瞬間
・「やめる」という判断が、前進になる場合
その現実です。
もし今、
「この選択は正しいはずなのに、何かがおかしい」
そう感じている親御さんがいたら、
この話はきっと他人事ではありません。
これは、正解を探す話ではなく、選び直す力の話です。

長女が大学志望校を大幅変更したわけ・スペイン語独学がつらい
長女はもともと天気と食事が良いという理由で
(オランダでスペイン語を取って楽しかったのもあり)
スペインの公立大学を志望していました。
そうすると、入学申請時にはスペイン語の
CEFR B2を最低でも取らなくてはならない。
英検でいうと準一級くらいでしょう。
今ギリギリA2取れるか取れないかくらい
なんですよね(英検でいうと3級)。
3級が準一級まで行くには3-5年は
かかると言われています。
そのため、私はスペイン語通訳の友人にお金を払って、
勉強方法とKPIなどを設定していただきました。
素晴らしい計画内容でした。
それで、オンラインのスペイン語教師の
選び方までアドバイスいただき、
オンラインの先生もいれかえた。
毎日独学の勉強しているかをチェックする
コーチ(1週間に30分お話)もつけました。
つまり
毎日独学
週1でネイティブの先生とレッスン
週1でコーチとお話
月1でスーパーバイザーとしてスペイン語通訳の人が進行をチェック
二か月かけて築き上げた完璧な布陣です。
でも私は計画は得意でも、子どもの気持ちに寄り添うのは二の次になってしまいがち。
「そういえば(大学受験先の候補として)香港大学もあるよ」
(英語で講義が受けられるよ)
と、最近ふと私が言ったとき長女が
「もう疲れてきた、そこでいい」
って言いだしたんですよね。
(香港大学は「そこで」いいなんて大学ではないですけどね。
そして長女はそのあとでポーランドの大学も見つけてきました)
私が危惧していた長女の強固なワークライフバランスが発動
私が長女をオランダのIBインターナショナルスクールから
撤退させたのは、この子はIBDPに向いていない、
と感じたのもあります。
IBDPは、それをやるのが楽しくて仕方ない、
学べるのが楽しくて楽しくて!
三度の飯より楽しくて!みたいな子に
向いていますし、1点でもスコア上を狙ってやる!
という強い意志や野望がある子向き、
だと私は2年間娘2人をIBに入れてみて
その上級生も観察して感じました。
対してうちの長女は、ワークライフバランスとかを
重視していて、そういうバランスを無視してでも
ひとつのことに集中したりとか、生き方として
したくないタイプ。
(たとえテスト前でも定時に寝たい人)
IBDPも逆に高いスコアとってエリートばかりの大学にいくのは怖い、と
高スコアを避けている発言をしていました。
IBDPは1日6-7時間、休日は8ー10時間も勉強するような
人が多いカリキュラムです。参考はこちら
それを「できない」のではなく、
長女は「そういう生き方を選びたくない」人なんだと思います。
ですからこれは能力の問題ではなく、価値観の問題。
だから、
「もう疲れた」と言ったあの言葉は、
粘りのなさではなく、
「これ以上向いていないことをやると、自分が壊れる」
という、かなり正直で健全なサインだったのだと思っています。
「英語で行ける心理学部があるから」という理由で志望校を香港大学に変更
香港は、一度出てきた土地ですから、盲点だったというか、
そういえば香港を進学先に出来るのを私がうっかり忘れて
いたんですが。
まあいいんですよ、香港大学も公立大学で
生活費はスペインよりは安いでしょうし寮もあるから
親としては安心です。
親の価値観は、子どもの正解ではない
スペイン語の件は、
正直に言えば、やりすぎたのかもしれません。
「理論上は」
そこまでやっても、大学の入学基準に届かない可能性がある。
それくらいの前提で組んだ計画でした。
でも、長女にとっては違った。
・合わない学校
・第二言語での高い到達目標
・進路選択のプレッシャー
・思春期
・引っ越し直後の環境変化
それが同時に重なった、かなり重たい局面だったのだと思います。
(ついでに15才で小3レベルながら長女は公文も行っています)
おまけに、いままでオランダで長女と次女に
分散されていた私の注意と労力が、
昨年3月に次女が先に日本に帰国したため、
その後は長女だけに注がれていたことに、
今これを書きながら気づきました。
長女はワークライフバランス型です。
一方で私は、ワークライフバランスを捨ててきた自営業者。
これと決めたら一点突破、寝る間を削ってでもやり切る。
そうやって専門職になってきました。
だから無意識のうちに、
自分の成功体験を、子どもの進路設計に
重ねていたのだと思います。
でも、親と子は別の価値観で生きています。
「できるかどうか」ではなく、
「その生き方を選びたいかどうか」。
教育の難しさは、
「正しさ」を積み上げればうまくいく
わけではないところにあります。
どれだけ条件が良くても、
どれだけ合理的でも、
その子が「自分の人生を生きている感覚」を失ってしまったら、
その選択は、うちにとっては正解ではありません。
大学志望校を変えたこと自体が大事なのではなく、
「自分にとって無理な道を、言葉にしてやめられたこと」。
私は、そこをいちばん評価しています。
そしてこの判断の先に、
もう一つの選択肢・・・
オンラインインターナショナルスクールという道が、
現実的な形で浮かび上がってきました。
この記事続きます!
