AI時代に必要なのは「正解を出す力」ではなかった。ネガティブケイパビリティを子育てで鍛える【子育てとネガティブケイパビリティ①】
「早く決めなさい」「ちゃんと考えてからやりなさい」——親がよかれと思って言う言葉が、AI時代には逆効果かもしれません。外資で評価される力とも重なる“ネガティブケイパビリティ(曖昧さを抱える力)”。教育移住4回の母が、子育てに落とし込んで解説します。
昨日「あいまいさを許容する力」が必要だというお話をしたので思い出したのですが、ネガティブケイパビリティという概念が精神医療の分野では言われています。
「早く決めなさい。」
「ちゃんと考えてから動きなさい。」
子育てをしていると、つい言ってしまう言葉です。
でも最近、私は少し違うことを考えるようになりました。
もしかしたら、これからの時代に必要なのは
「正解を早く出す力」ではないのかもしれない。
むしろ必要なのは
「答えが出ない状態に耐える力」
なのではないか。それがあいまいさを許容する力につながるのではないか。
今日は、そのヒントになる言葉を紹介します。

ネガティブケイパビリティとは何か
ネガティブケイパビリティ(Negative Capability)とは
不確実さや答えの出ない状態を、そのまま抱えて考え続ける力
のことです。
簡単に言うと
「すぐに答えを出さない力」
この概念を提唱したのは
19世紀のイギリスの詩人
ジョン・キーツ
です。
キーツはこう書いています。
不確実さや疑いの中にとどまり、
すぐに事実や理由を求めずにいられる能力
つまり
答えを急がない知性
です。
なぜ今、この力が重要なのか
この言葉が最近また注目されている理由は、とてもシンプルです。
社会が
不確実になったから。
昔の社会は
・進路の正解がある
・会社に入れば安定
・キャリアが予測できる
という前提がありました。
しかし今は
・AIが仕事を変える
・職業が消える
・キャリアが複線化する
つまり
正解がない社会
です。
このとき必要になるのが
ネガティブケイパビリティ
です。
ネガティブケイパビリティが低い人が取りがちな行動
1. すぐに結論を出そうとする
答えが出ていない段階でも
「とにかく決める」ことを優先する。
例
進路を急いで決めさせる
情報が足りないのに断定する
2. 正解を持つ人を探す
自分で考えるより
「正しい答えを持っている人」
を探して依存する。
例
インフルエンサー
専門家
教育ノウハウ
3. 白黒思考になる
曖昧さが苦手なので
正しい / 間違い
成功 / 失敗
の二択で判断する。
4. 不安を行動で埋める
考えるより
とにかく何かする
ことで安心しようとする。
例
習い事を増やす
資格を増やす
教材を買う
(教育投資の過剰化)
5. 他人の評価を強く気にする
答えが分からない状態が不安なので
社会の評価
を判断基準にする。
例
偏差値
ブランド校
有名企業
6. 失敗を避けすぎる
曖昧さが怖いので
確実なルート
を選びがち。
例
安定志向
リスク回避
前例主義
7. 情報収集が止まらない
決められない不安から
永遠に情報を集める
状態になる。
例
比較サイト
口コミ
SNS
8. 不安を他人に転嫁する
自分の不安を
他人の問題
にしてしまう。
例
子どもを責める
学校を責める
社会を責める
9. 他人の成功例をコピーする
自分で考えるより
成功モデルをそのまま真似する
例
○○式教育
○○メソッド
テンプレ進路
10. 途中で方向転換できない
一度決めたことを
変えるのが怖い
例
損切りできない
ルート変更できない
教育でよく起きる典型
ベティの領域だと
この形が多いです。
英語は早いほどいい
インターに入れれば安心
サマースクールは多いほどいい
資格は多いほどいい
つまり
不安を“教育投資”で埋める
パターン。
ネガティブケイパビリティが高い人
逆に高い人は
すぐ決めない
観察する
仮説で動く
修正する
つまり
アジャイル思考
です。
余談ですが私の母がこのネガティブケイパビリティが低い人で、すぐに
シューキョーとか占いとかに飛びついてしまうんです。
「答えが出ていないこと」
「空白・余白」
に耐えられない、という感じでした。
子供のときそれに振り回されてものすごく迷惑だったんですよね。
AIが得意なこと、人間に残ること
AIは
・正解を出す
・情報を整理する
・効率化する
のが得意です。
つまり
「答えを出す能力」
は、AIがどんどん強くなっていきます。
では人間の役割は何でしょう。
それは
・問いを作る
・意味を考える
・不確実さに耐える
つまり
答えが出ない状態で考え続ける力
です。
子育てで起きていること
子どもが迷っているとき、
親はついこう言います。
・早く決めなさい
・ちゃんと考えなさい
・正解を選びなさい
でも本当は、
迷っている時間
そのものが
思考力を育てているのかもしれません。
例えば
・進路に迷う
・やりたいことが分からない
・自分の得意が見えない
この時間は、
人生を設計する時間
でもあります。
教育移住を4回して思うこと
私はこれまで
教育移住を4回経験してきました。
香港
沖縄
オランダ
海外インターナショナルスクール
日本の公教育
国内インターナショナルスクール
いろいろ見てきました。
その中で感じたのは、
教育は、正解を早く出すゲームではない
ということです。
むしろ
・迷う
・試す
・修正する
この繰り返し。
つまり
アジャイル
です。
親に必要なネガティブケイパビリティ
実はこの力、
子どもより
親の方が必要
だと思っています。
親が
・不安に耐えられる
・すぐ結論を出さない
・観察できる
そうすると
子どもは
自分で考える時間
を持てるからです。
AI時代に必要なのは「あいまいさを抱える力」
未来は
・正解がない
・ルールが変わる
・計画が崩れる
そんな世界です。
だから必要なのは
正解を出す力
ではなく
あいまいさを抱える力
なのかもしれません。
教育は「進学」で終わらない
最近、私はよく思います。
教育は
点数や進学で終わるものではない。
人生につながって初めて
教育投資
になります。
そしてその“つなぎ目”にあるのが
家族の対話
です。
次回NEXT2035セミナー
次回のNEXT2035では、
その「対話」をテーマにします。
第24回 NEXT2035 無料連続 親子オンラインセミナー

日時
2026年3月15日(日)
20:00〜21:00
テーマ
教育と人生をつなぐ力
家族の対話が導く「生き方への投資」
登壇
モリモリ先生
じゅんこ(教育ファシリテーター/日本語教師)
👉 申込(無料)
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(先着300組)
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