√2 が無理数である証明
前回の投稿では実数とその中身について解説を行いました。
実数は有理数と無理数で構成されていることが理解できたかと思いますが、平方根を学び始めると、必ずと言っていいほど出てくる問いがあります。
なぜ √2 は無理数なのか?
電卓で計算すると
$${\sqrt{2}=1.41421356\ldots}$$
となり、小数がずっと続きます。
しかし、
「小数が無限に続くから無理数」
という説明だけでは、数学的には不十分です。
この記事では、高校数学で使われる王道の証明を、
できるだけ丁寧に解説します。
無理数の定義を思い出そう
無理数とは、
分数で表せない数
小数が無限に続き、かつ循環しない数
でした。
つまり √2 が無理数であることを示すには、
「√2 は a/b(a,b は整数)という形では表せない」
ことを証明すればよい、ということになります。
証明の方針(背理法)
ここでは 背理法 を使います。
背理法とは、
結論が間違っていると仮定し、
そこから矛盾が生じることを示す方法
です。
【証明】√2 は無理数である
まず、√2 が 有理数である と仮定します。
すると、定義より
$${\sqrt{2}=\frac{a}{b}}$$と書けるはずです。
ただし、$${a,b}$$ は整数で、分数は 既約分数(これ以上約分できない)とします。
両辺を2乗すると、$${2=\frac{a^2}{b^2}}$$
よって、
$${a^2=2b^2}$$となります。
重要なポイント
この式から、
$${a^2}$$ は 偶数
よって $${a}$$ も 偶数
であることが分かります。
そこで
$${a=2k}$$(k は整数)とおくと、
$${(2k)^2=2b^2}$$
$${4k^2=2b^2}$$
$${b^2=2k^2}$$
となり、今度は
$${b^2}$$ が偶数
よって $${b}$$ も偶数
であることが分かります。
矛盾が発生
ここまでで、
$${a}$$ は偶数
$${b}$$ も偶数
という結論になりました。
しかしこれは、
$${\frac{a}{b}}$$ は 既約分数である(これ以上約分できない)
という最初の仮定と矛盾します。すなわち$${a}$$も$${b}$$も2で割れる状態となってしまいます。
よって、
「√2 は有理数である」という仮定が間違っていたことになります。
結論
以上より、
$${\sqrt{2}}$$ は 無理数である
ことが証明されました。
なぜこの証明が大切なのか
この証明では、
定義を正確に使う
仮定 → 論理 → 矛盾 → 結論
という、数学の基本構造がすべて詰まっています。
数Ⅰ以降の
不等式の証明
場合分け
数Ⅱ・数B の論証問題
でも、まったく同じ考え方を使います。
まとめ
√2 が無理数であることは、背理法で示す
「偶数・奇数」「既約分数」がカギ
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