夏バテを科学的に防ぐ生活習慣――暑さに負けない体をつくる7つの方法
夏になると、
「朝から体がだるい」
「食欲がない」
「寝ても疲れが取れない」
「何となくやる気が出ない」
そんな状態になることがあります。
一般的に「夏バテ」と呼ばれますが、夏バテは一つの病気を指す正式な医学用語ではありません。
暑さによる体温調節の負担、発汗による水分・電解質の損失、睡眠不足、食欲低下などが重なり、倦怠感につながっているケースが多いと考えられます。
そこで今回は、科学的な知見をもとに「夏バテを防ぐ7つの生活習慣」を紹介します。
1.喉が渇く前に水分をとる
夏の体調管理で最も基本になるのが水分補給です。
暑い環境では、体は汗を出して体温を下げようとします。その結果、水分とナトリウムなどが失われます。
環境省や厚生労働省も、熱中症予防として「こまめな水分補給」を推奨しています。特に大量に汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分の補給も重要です。
ポイントは、喉がカラカラになってから一気に飲むのではなく、少量ずつ定期的に飲むこと。
外出時には水やお茶などを持ち歩く習慣をつけておくと安心です。
2.エアコンを我慢しない
「冷房は体に悪いから」と、暑い部屋で我慢する人がいます。
しかし、これは逆効果になることがあります。
高温多湿の環境では体温調節への負担が大きくなり、熱中症の危険も高まります。環境省も、暑い日はエアコンなどを適切に使い、涼しい環境で過ごすよう呼びかけています。
大切なのは「冷房を使わないこと」ではなく、自分が快適に過ごせる温度に調整することです。
3.熱帯夜こそ睡眠を優先する
夏バテの大きな原因になりやすいのが睡眠不足です。
暑い部屋では寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めたりします。
厚生労働省の睡眠に関する情報でも、夏は寝室の室温が高いと睡眠時間が短くなりやすいため、エアコンなどで快適な温度を保つことが勧められています。
「冷房を切って寝ること」にこだわる必要はありません。
睡眠中も暑ければ、エアコンや扇風機を上手に使いましょう。
4.食欲がなくても「食事を抜く」は避ける
暑くなると、食欲が落ちる人もいます。
だからといって、そうめんやアイスだけで一日を済ませてしまうと、必要なエネルギーやたんぱく質などが不足する可能性があります。
暑熱環境下では食欲や栄養摂取に変化が起こることがあり、不十分なエネルギー・炭水化物・たんぱく質摂取は、暑さへの耐性や運動能力に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
暑い日は一度に大量に食べようとせず、
ご飯、肉・魚・卵・豆類、野菜などを少量ずつ組み合わせる。
これだけでも違います。
5.軽く体を動かして「暑さに慣れる」
暑いからといって、夏中ずっと室内にこもるのも考えものです。
人間の体には、暑さに少しずつ適応する「暑熱順化」という仕組みがあります。
研究では、暑さに繰り返し適応すると、発汗や皮膚血流、循環機能などに変化が起こり、暑熱環境での生理的負担が軽減されることが示されています。
ただし、猛暑の昼間に無理して運動する必要はありません。
朝や夕方など比較的涼しい時間に、散歩などから始めれば十分です。
6.「暑さ指数」を確認する
夏は気温だけで判断しないことも重要です。
環境省では、気温だけでなく湿度や日射なども考慮した「暑さ指数(WBGT)」を公表しています。
WBGTが高くなるほど熱中症リスクが上昇し、31以上では運動は原則中止とされています。
旅行や運動、屋外作業をする日は、天気予報と一緒にWBGTを見る習慣をつけておくといいでしょう。
7.「疲れたら休む」を予定に入れる
夏は旅行、花火、海、帰省などイベントが多い季節です。
楽しいからと予定を詰め込みすぎると、睡眠不足や疲労が積み重なります。
夏こそ、
「今日は何もしない」
「昼間は涼しい場所で休む」
「早めに寝る」
という時間を意識的に作ることが大切です。
夏バテ対策は特別なことではない
結局、夏バテを防ぐために必要なのは、特別な健康食品や高価なサプリメントではありません。
水分をとる。
きちんと食べる。
涼しい場所で休む。
よく眠る。
無理のない範囲で体を動かす。
非常に基本的なことです。
しかし、この「当たり前」を暑い夏に続けることが、実は一番大切なのです。
夏を楽しむためにも、まず体調を崩さないこと。
頑張って暑さに耐えるのではなく、科学的に暑さを避けながら夏と付き合う。
それが、夏バテしないための最も賢い生活習慣ではないでしょうか。
※強い倦怠感、頭痛、吐き気、めまい、意識がおかしい、高体温などがある場合は「夏バテ」と自己判断せず、熱中症などの可能性を考えて適切な医療対応を受けてください。
参考資料・研究
・環境省「熱中症予防情報サイト」
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
・Périard JD, et al. Adaptations and mechanisms of human heat acclimation. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 2015.
・Rosbrook P, et al. Nutritional Considerations in Exercise-Based Heat Acclimation. Sports Medicine, 2024.
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