士業と宅建士の相談について思うこと
不動産関連、特に営業拠点が職場だと水曜日が定休日のことが多いです。私も同じです。
「なぜ水曜日が休みなのか?」
昔、先輩からネタ的に聞かされたのは、「契約が水に流れるから水曜日は営業しない」という理由でした。なるほど、と当時は妙に納得したのを覚えています。
ということで、今日はお休み。
お昼ご飯を食べながら、YouTubeを観ていました。
お目当ては、私がファンでいつも配信を楽しみにしている、ある行政書士の先生の動画です。私が今日書きたいのは
**「お客様の相談は無料であるべきか、有料であるべきか」**
というお話です。
動画を観終わったあと、私は「これまでの自分の考えは間違っていたかもしれない」と、ハッとさせられたのです。
## 不動産の世界における「相談」の常識
私はこれまで、不動産の世界で生きてきました。個人のお客様からじっくりお話を聞き、その方にとってベストな提案ができるよう試行錯誤を繰り返す日々。その中で、いわゆる「相談料」というものをいただいたことは一度もありません。
不動産仲介は、基本的に「成功報酬(仲介手数料)」のビジネスです。実は、相談だけでお金をいただくと業法違反になる可能性が極めて高いのです。この報酬には、物件の調査、案内、相談など、契約に至るまでのすべての営業活動(媒介業務)が含まれている、と解釈されるためです。
(※厳密には、賃貸の広告料や、売買における諸経費等の実費精算の例外はありますが、業法上も、コンプライアンス上も絶対原則はあくまで「成功報酬」です)
そのため、お客様も気軽に相談できますし、営業マン側も「相談料をもらう」という認識はほぼありません。どんなに接客時間が長くなろうが、たくさんの物件をご案内しようが、それはすべて「無料の営業活動」なのです。
将来、行政書士と宅建業のダブルライセンスで身を立てていきたいと考えている私は、いざ事務所を構えたときも、この「不動産業の感覚」のまま無料ベースで相談にのるものだと思い込んでいました。
しかし、動画を観て、行政書士として見た場合には「それは必ずしも正解とは言えない」と強く感じたのです。
## 納得させられた「2つの理由」
動画の先生は「自分のやり方が絶対正しいとは言わない」と前置きしつつも、私にとって深く共感できるポイントを2点挙げられていました。
### ① 「相談料すら払えない人」に、業務を任せてもらえるか?
不動産業をやっていると、役所に概要確認や許可の条件を聞きに回ることは日常茶飯事です。役所が相手ですから、当然相談料はかかりません。
先生はこう言いました。
「行政書士の相談料が無料なら、行政書士に頼まなくても役所に直接行った方が早い。その程度の熱量なら、わざわざお金を払ってまで行政書士に業務を依頼(受任)してくれるはずがない」
これには、なるほどと唸らされました。
### ② 無料相談のお客様ほど、依頼をいただくのに「高い営業力」が必要になる
「確かに……!」と思わず声が出てしまいました。
有料だと分かって相談に来る方は、自分が抱えた問題に対して非常に真剣です。「早く解決したい」「確実に申請を終わらせたい」と思っているからこそ、プロの知見に対して対価を払う覚悟があります。そこで信頼を勝ち取ることができれば、そのまま業務を任せていただける確率は高くなります。
一方で、無料だからと来られる方は、まだそこまで真剣ではないケースも多く、そこから有料の「業務依頼」へ繋げるには、よほど高度な営業トークや関係構築が必要になってしまうとのこと。
これが一番私には響きました。今現在、士業のお仕事をされている先生方は当たり前と思うのかもしれませんが、私にとっては不動産業とは違う認識に気づかせていただいたと思っています
ちなみに、その先生は「問い合わせ」と「相談」の線引きについても話されていました。「こういう業務は取り扱っていますか?」という確認は、もちろん無料の【問い合わせ】。
しかし、「それを実際に実行するためにはどうすればいいか?」という具体的な話になれば、それは責任を伴う【相談(有料)】になる。
分かっているつもりでしたが、こうして言語化されると非常に腑に落ちました。
これは知識のレベル云々ではなく、**「士業をやるなら、自分の言葉にそれだけの責任を持たなければならない」**というプロとしての覚悟の話なのだと、改めて襟を正す思いです。
この気づきを得られたことで、これから学ばなければならないことがほんとうにたくさんあると、むしろ嬉しくなってしまいました。まだまだ、勉強の日々は続きます。

