学校法人同志社への緊急要望書について
新盆
お盆は、亡くなった人が帰ってくる日と言われます。私たちは事故からずっと、知華とはもうずっと会えないんだという現実を受け止めながらも、どこかでまだ生きていて、ふいに帰ってくるような気がしたり、ずっとそばにいてくれているつもりで、毎日を過ごしてきました。
そのため、この期間だけ帰ってくる、という気持ちとは少し違うのですが、それでもこの行事を大切にしたくて、知華が家で心地よく過ごせるように、支度を整えました。
知華が少しでも近くに来る、姿が見えなくても私たちのもとに帰って来るというのは嬉しくもあり、でも16日の送り盆を考えると、もう寂しくてたまりません。
これまで、本当に多くの方に支えられて、知華のためにやるべきことを、少しずつ進めることができました。お盆には、知華にそのお話をたくさんしようと思っています。
ここまで進んだよ、と。
まだ終わっていないよ、と。
緊急要望書について
本日、学校法人同志社と同志社国際高等学校に対し、緊急要望書を提出しました。同じものを文部科学省にも送付しています。
なぜ今の時期にこれを出し、何を求めているのかを、書いておきたいと思います。
事故から、まもなく5か月になります。
7月31日には、特別調査委員会により、学校法人の安全配慮義務違反を認定した調査報告書が公表されました。
一方で、教育の中立性と適切性についての、学校側の検証はまだ公表されていません。文科省と特別調査委員会の報告によれば、有識者による検証が行われ、8月をめどに公表する予定とされていました。しかし、誰が、どのような体制と方法で検証しているのか。その詳細は、わかっておりません。
公表を待ってから意見を言うことはできます。ただそれでは、出てきたものが不十分だったとき、後から批判することしかできず、解決にはなりません。私たちが考える、検証と報告が備えているべき条件を、公表の前に示しておくことが重要と思い、要望書の提出に至りました。
要望は主に 5 点です。
1. 検証の体制を明らかにし、中立性を確保してほしい。
検証の対象は、学校自身の教育です。その検証を行う者が、当の学校や校長であれば、どれだけ丁寧な報告書が出てきても、信頼されません。特別調査委員会のときは、利害関係のない第三者による構成が最初に公表されました。同じことを、この検証にも求めます。
2. 関係者への聞き取りに基づいて、事実を確かめてほしい。
文部科学省による教育基本法第14条2項に反するという認定は、「現時点で把握した情報からは」という限定付きのものでした。検証と呼ぶ以上は、そこで止まらず、当時を知る人たちに直接聞き、なぜこうなったのかを過去にさかのぼって明らかにする必要があります。少なくとも辺野古のボートコースが導入された 2022年度以降、できれば平成27年(2015年)の文部科学省通知以降について、です。
3. 遺族と卒業生にも、聞いてほしい。
学校は検証のため、生徒と保護者にアンケートを行ったと聞いています。私たちのところには、来ていません。知華が亡くなり、学校の生徒ではなくなったから、その親には聞かなくてよい。もしそういうことなら、あまりに無念です。
また、聞かれていないのは私たちだけではありません。沖縄の平和学習は高校 2 年のプログラムです。いま在校している生徒の大半は、まだ経験していません。実際に経験した人たちは、現在の高3生と卒業生です。ボートコースを経験した学年は、現在、大学2、3回生にあたり、その多くは学校法人同志社の設置校である同志社大学と同志社女子大学に在籍しているはずです。聞ける人に聞かないまま、検証を終えないでほしいと思います。
4. 今の生徒の安全のために、できることはすぐにやってほしい。
安全配慮義務違反の有無は、特別調査委員会がすでに認定しています。検証の完了を待つ必要のない安全対策は、待たずに実行できるはずです。
今も学校に通っている生徒さんたちがいます。
教育内容に関する検証に時間を要するのであれば、まずは安全対策を先行して打ち出してほしいと願っています。
5. 教職員の処分は、幕引きのためであってはならない。
処分が行われるなら、誰にどのような責任があるのか、その根拠が示されるべきです。私たちは4名の先生方を刑事告訴していますが、丁寧な調査が行われれば、責任を負うべき方が他にもいる可能性がありますし、逆に、異なる評価がなされる可能性もあります。どちらであっても、必要なのは、中立な立場による十分な調査です。結論ありきの処分は、けじめではなく幕引きです。
このほかにも、検証や報告に含めた方がよいと考える点を、別途お伝えしています。
批判をすることが目的にならないよう自戒し、全容の解明、責任の所在の明確化、再発防止を求めるために、要望書を提出しました。
今後公表されるものが、検証の名に値するものであってほしい。拙速であってほしくはありません。良い報告書が出てくることが、私たちにとっても、今の生徒さんたちにとっても、一番いいことだからです。
学校法人同志社に、私たちの思いが届くことを願っています。
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