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敬意の書棚📚勝手レビュー何卒ご容赦ください。【皆月さん note Creator vol.05】

😶‍🌫️傷ついた日々から紡がれる真実の言葉。皆月さんの文章から考える

皆月さんは、私の記事のどれだけ長いものでも丁寧に読んでくれ、真摯な感想を残してくれる方です。そのやさしさに感謝の念を抱く一方で、ある時ふと「皆月さん自身の文章はどんなものだろう?」と興味を持ち、彼のnoteを訪れてみました。

彼が綴る文章の内容は深く、時に重く、次のようなテーマに彩られていました:

  • いじめやパワハラによる心の傷

  • 精神疾患と共に生きる日々の葛藤

  • 失われた人間関係への後悔や憤り

  • それでもなお、自分自身を奮い立たせようとする決意

皆月さんの文章は、暗く沈んだ過去や負の感情を率直に描きながらも、どこか真摯で人間味にあふれた雑記ものです。彼はnoteという場を使い、自分の中に渦巻く感情を文字にすることで、問題を解決する糸口を模索しているように見えました。

一方で、自分を過度に蔑むような表現や、過去の忌まわしい記憶の中に登場する人物への強いネガティブな感情が文章には滲んでおり、その感情が彼自身を縛り付け、抜け出せない負のスパイラルを生んでいるようにも感じました。

しかし、彼の文章を読んでいると、飾らない率直さや正直な感情表現が自然と読む側を引き込み、気づけば感情移入してしまっている自分に驚くことがありました。これはただ悲痛な体験を綴った文章とは異なり、「今の自分」を見つめ直し、「なりたい自分」を模索し続ける人間の力強さが垣間見えるからではないでしょうか。

そんな皆月さんの文章に引き込まれ、私は少し彼の魅力について考察してみることにしました。


🤔自分を見つめることの難しさと、皆月さんに感じた共通点

胸に手を当てて考えてみると、私自身、皆月さんの文章の中で描かれる感情や葛藤が、決して他人事ではないことに気づきます。私にも、そしておそらく多くの人にも、自信のなさや弱さは根深く存在しています。それを覆い隠すために、時には過剰に自分を卑下したり、他者に承認を求めたりして、何とか折り合いをつけていることがあるのです。

人の精神は、そもそも強くない人のほうが圧倒的に多いと思います。自信に満ちた姿を見せる人もいますが、その裏側では、自分の弱さを必死に隠そうとしている場合もあります。その隠された不安や劣等感が、時には他者への攻撃や過剰な自己卑下となって表れることもあります。それは決して自慢できる感情ではありませんが、私自身もそんな自分と向き合わざるを得ない瞬間を何度も経験してきました。

皆月さんと私との違いがあるとすれば、それはたまたま置かれた状況やタイミング、時代背景、あるいは関わってきた人々のコミュニティの構図といった外的要因の違いに過ぎないのかもしれません。本質的な感情や葛藤に関しては、皆月さんと私はそれほど変わらないのだと感じます。

誰しも、自信を持てない自分を認めることは容易ではありません。だからこそ、安心感を得るために人を褒めたり、必要以上に謝ったり、時には誰かを攻撃してしまうこともある。それが人間の本質であり、程度の差はあれ、多くの人が無意識にしていることです。

ただ、こうした本質に触れる言葉をそのまま口にすると、冷たく、厳しい響きになりがちです。それでも、皆月さんの文章に共感した私自身、彼の正直さや飾らない言葉から「自分の感情を認める勇気」を学んだように思います。彼が迷い、模索する中で描く心情は、まるで私自身の一部を鏡で映しているような感覚を与えてくれました。


💡負のスパイラルを断ち切り、才能を光らせる方法

トラウマや大きなネガティブな感情は、時に記憶に深く刻み込まれ、忘れようとしても無意識に反復されることで、私たちの心に強い影響を与え続けます。忘れたいのに忘れられないのは、その記憶が自分にとってあまりにも大きなインパクトを持ち、無意識の中で繰り返し再生されているからです。

この負のスパイラルを断ち切るためには、別の強い記憶を植え付けることが理想ですが、そんな強烈な記憶を意図的に作るのは容易なことではありません。では、発想を逆転し、この忘れたい記憶そのものを自分のために活用することはできないでしょうか?

この点において、皆月さんが持ついくつかの特長が非常に重要なカギになると感じました。

1. 毎日の継続的な執筆
皆月さんは、ほぼ毎日文章を書き続けています。この「継続する力」は、多くの人が持ち得ない大きな才能です。それは単なる日記のようなものではなく、自身の経験や感情を深く掘り下げて言葉にするという、エネルギーのいる作業を絶え間なく続けている点が特徴的です。

2. 飾らない率直さ
彼の文章は、装飾のない正直な言葉で紡がれているからこそ、人の心に揺さぶります。作り物のような言葉ではなく、本当に感じたことをそのまま表現する姿勢が、読む側に「真実」を感じさせ、自然と感情移入させる力を持っています。

3. 長文に宿る真実味
「自分は言葉にするのが苦手だから長文になってしまう」と彼は述べていますが、その長文こそが、彼の記憶や感情を深く掘り下げ、リアルな描写を可能にしています。長文であるからこそ、細部まで丁寧に伝わり、読者の心に残る文章が生まれているのです。

4. 希望を持つ力
彼の文章の中で最も重要だと感じたのは、「なりたい自分になりたい」という強い希望を持っていることです。この希望こそが、彼を前に進ませる原動力であり、彼の文章に独特の生命力を与えているのだと思います。


💣忌まわしい記憶を「武器」に変える発想

もし、彼がこれまでの記憶をできる限り細部まで掘り起こし、それを率直に描き切ることができれば、それは「人の感情を揺さぶる」作品になる可能性を秘めています。感動や共感だけでなく、時に嫌悪感や痛みさえも引き起こす作品は、それだけ深く人の感情に入り込んだ証拠です。

「感情移入」をどれだけ引き出せるかという点では、皆月さんは既に素晴らしいスタート地点に立っています。彼の文章は、読む人にリアルな感情を呼び起こし、自分自身の内面と向き合うきっかけを与えてくれます。

🤗感謝を込めて、皆月さんの「過去と現在、そして少しだけ先の未来」

皆月さん、いつも私の記事を最後まで丁寧に読んでくださり、真摯な感想まで残していただき、本当にありがとうございます。ささやかなお礼の気持ちとして、誠に僭越ではありますが、「皆月さんの過去と現在、そして少しだけ先の未来」を創作してみました。皆月さんの書いた記事の内容も使わせて頂きながら全体を構成しています。

素人の三文シナリオですが、何卒ご容赦ください。もしもこのシナリオが、皆月さんの執筆活動のヒントになったり、新たな発見につながるものになれば、これほど嬉しいことはありません。


「闇夜に昇る月」

原作:皆月 脚本:🔔Bell 

【序章:いじめの記憶】

10歳の頃、皆月は「人に優しくすれば、きっと優しさが返ってくる」と信じていた。彼は少し内向的な性格だったが、相手を思いやる気持ちには誰よりも自信があった。休み時間には友達の輪に入りたくて、慎重にタイミングを見計らいながら、無邪気に声をかけた。「一緒に遊ぼうよ!」そう言った瞬間だった。

返ってきたのは、笑顔ではなく拳だった。突然のことに目を見開いた彼の頬に、鈍い痛みがじわじわと広がる。周囲で見ていたクラスメイトたちは、一瞬の静寂の後、けたたましい笑い声を上げた。「こいつ、殴られて笑ってる!気持ち悪ぃ!」と言われた時、彼は自分の表情がどんなものだったのか、よく覚えていない。ただ、「泣いちゃいけない」という思いだけが胸を締めつけた。

次の日から、状況はさらに悪化していった。話しかけても無視される。机の中には、落書きされた教科書やぐちゃぐちゃにされたノートが突っ込まれている。「あいつと関わると面倒なことになる」と言わんばかりの態度が、教室全体に広がっていくのがわかった。皆月は昼休みになると、教室の片隅で一人ぼんやりと窓の外を眺めるのが日課になった。

そんなある日、彼は教室の黒板に大きく書かれた文字を目にした。「俺の友達リスト」。大きな字で書かれたそのリストの下には、クラスメイトの名前がずらりと並んでいた。彼は自分の名前がどこにあるのかを探し、黒板に近づいた。だが、そこに彼の名前はなかった。その瞬間、彼の中で何かが崩れ落ちたような気がした。視界がぐらりと揺れ、足元が崩れる感覚に襲われる。目に涙が浮かびそうになるが、周囲の目が怖くて必死にこらえた。ただ、心の中で「自分はこの場所にいてはいけない存在なんだ」と感じた。

その日、家に帰ると彼は母親に向かって何も言えなかった。いじめられていることを言葉にする勇気はなかったし、「学校へ行け」と怒られることが怖かった。家族の前でも沈黙を貫き、部屋の隅でうずくまるようにして時間をやり過ごした。

日が経つにつれ、彼の心はさらに追い詰められていった。ある日、帰宅した彼を待っていたのは父親の怒鳴り声だった。「学校に行かないなんて、情けない!」そう言われた瞬間、彼は「誰も自分のことを理解してくれない」という絶望感に包まれた。父親の声は、学校で浴びた罵声と重なり合い、耳の奥で響き続けた。

彼が初めて泣き崩れたのは、夜中に布団の中でだった。自分でも驚くほどの涙が止まらず、声を出さないように枕を口元に押し当てた。「自分がもっと強ければ」「もっと気の利く人間だったら」と、何度も心の中で繰り返した。けれど、そのたびに「どうせ何をしても変わらない」という虚無感が襲ってきた。

次第に彼は学校に行けなくなり、完全に不登校になった。朝、制服に袖を通すところまではできるが、玄関のドアを開けることができない。ドアノブに手を伸ばしても、足が震えてしまう。涙が自然とこぼれてきて、「もう無理だ」と膝をついてしまう日々が続いた。

唯一の救いは、小学校時代からの友達だった。その友達は何も言わずに家を訪れ、玄関先で話をするだけの日々が続いた。やがて彼が少しだけ外に出られるようになり、一緒に自転車で近所を回るようになった時、彼は少しだけ「光」を感じた。「こんな自分でも、見捨てられないんだ」と。

しかし、学校に戻る決意をした日、彼は一つの「覚悟」を決めていた。自分の身を守るために、制服のポケットに十徳ナイフを忍ばせたのだ。「暴力を受けたら、これで自分を守るしかない」。そう思って登校した彼は、運命の皮肉に驚かされる。いじめの主犯はクラス替えで別のクラスになっており、特に何も起きなかったのだ。

ただ、その平穏は決して彼の心の傷を癒すものではなかった。黒板の「友達リスト」、殴られた頬の痛み、そしてクラスメイトの冷たい視線。その記憶は今でも彼の心の中で生き続けていた。


【第1章:パワハラの嵐】

中学を卒業してから数年後、皆月は18歳で社会人になった。高校に進学するという選択肢もあったが、家族の状況や早く自立したいという思いから就職を選んだ。しかし、その決断がまた別の苦しみを招くことになるとは、その時の彼には知る由もなかった。

就職先は、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれるような職場だった。朝8時に始業し、夕方5時に定時でタイムカードを押すのがルールだったが、実際にはそこからが「本当の仕事時間」だった。タイムカードを押した後に始まるサービス残業は、日を追うごとに当たり前のものとなり、彼が家に帰れるのは深夜0時を過ぎてからだった。

「おい、今日も頑張れよ!」
朝一番、上司のその言葉と共に肩を叩かれるのが日課だった。だが、それは決して励ましの言葉ではなかった。強く叩かれた肩には毎日赤い痕が残り、その痛みが彼の無力感を一層煽る。タイムカードを押してから1時、時には2時まで働き詰め。家に帰ってシャワーを浴び、ようやく布団に入る頃には、時計の針はすでに3時を指していた。

「もっと集中しろ!」
ある日、大型機械のメンテナンス作業中に上司から怒鳴られた。小さな不手際を理由に、作業中の彼の背中を強く押す上司。ほんの数センチ先にある危険な箇所に手が触れそうになった時、彼は思わず冷や汗をかいた。その上司は笑いながら「お前、こんな簡単な仕事もできねえのか」と吐き捨てた。

その日、彼の中で何かが音を立てて崩れた。涙をこらえることすらできず、作業場の隅でそっと背中を丸めた。その後も、彼を追い詰めるような上司の行為は止まることがなかった。機械に押し付けられる、肩を殴られる、脇をつねられる。それらの行為は「ジョークだ」と言い放たれたが、彼にとってはジョークでもなんでもなく、ただの暴力だった。


深夜の帰り道、いつも立ち寄るのはすき家だった。空腹と疲労で体は鉛のように重く、それでも何か口にしなければ持たないとわかっていた。「並盛ひとつ」とだけ呟いて席に着く。湯気の立つ牛丼の匂いが漂うが、それを味わう余裕すらなかった。ただ機械のように箸を動かし、胃の中に流し込む。

帰宅すると、ベッドに倒れ込むように眠りにつくが、脳が覚醒しているようで、3時間の睡眠は浅いままだった。朝、目覚まし時計が鳴ると同時に、「またあの職場に行かなければならない」という思いが胸を締め付ける。ある日、玄関を出る前にふと鏡を見た時、自分のやつれた顔に気づき、言葉も出なかった。

次第に体調は悪化していった。家を出る前に、吐き気がこみ上げてきてトイレで嘔吐するのが日課になった。「行きたくない」という心の声は日増しに大きくなり、体がそれに反応するようになっていた。それでも彼は自分を奮い立たせて出勤するしかなかった。


ついに限界が訪れたのはある深夜のことだった。いつもと同じように、タイムカードを押した後も仕事を続けていた彼は、ふと立ちくらみを感じた。次の瞬間、視界が真っ暗になり、気がついた時には工場の床に倒れていた。周りの同僚たちが慌てて声をかける中、彼の耳に届いたのは上司の冷たい声だった。「おい、サボってんじゃねえよ。」

その言葉に反応する力さえ残っていなかった。彼は救急車で運ばれ、病院のベッドで目を覚ました。医師の言葉は短く、冷静だった。「自律神経失調症です。このままではもっと重い症状が出るかもしれませんよ。」医師の説明を聞きながら、彼の胸には「逃げなければ」という思いが広がっていった。

しかし、家に帰った彼の頭を占めていたのは、「自分が弱いからだ」という自己否定だった。あの職場で耐えられなかったのは、自分がもっと強くなれなかったからではないか。もっと努力していれば、何かが変わっていたのではないか。そんな思いが彼をさらに追い詰めた。

それでも彼は、自分の心に浮かぶ微かな声を信じていた。「このままじゃいけない。自分を変えなければ。」ただ、その方法がわからないまま、彼は一日一日をぼんやりと過ごしていた。


【第2章:noteとの出会い】

退職後、皆月は深い虚無感の中で日々を過ごしていた。家にいる時間は長くなったが、何をする気力もなく、テレビやスマホの画面をぼんやりと眺めるだけ。日が沈む頃に気づき、昼食も夕食もとらずに一日を終えることもしばしばだった。

「何かをしなければ」と思いながらも、何をどうすればいいのかがわからなかった。鏡に映る自分の顔はやつれ、目の下のクマがその生活を如実に物語っていた。それでも、誰にも相談できない。「また逃げたのか」と言われるのが怖かったし、自分でもそう感じてしまっていた。

そんなある日、彼はネットサーフィン中に「note」というプラットフォームを偶然目にする。「自分の思いを文章にすることで整理できるかもしれない」という小さな希望が心に灯った。特に深く考えることもなく、アカウントを作成し、彼は一つの記事を書き始めた。


最初に書いたのは、過去のいじめについてだった。「自分が経験してきたことを、ただ書き出してみよう」と思ったのだ。ところが、書き始めると止まらない。机に向かい、キーボードを叩く手は次第に早くなり、記憶が次々と蘇ってくる。顔に飛んできた拳、黒板に書かれた「友達リスト」、無視される日々。胸の奥にしまい込んでいた感情があふれ出し、文章がどんどん長くなっていく。

「どうしてこんなに長くなってしまうんだろう…」と自分でも不思議に思ったが、それでも書き続けた。書き終わった後、投稿ボタンを押した瞬間、ふと「これで何かが変わるかもしれない」と思った。


数日後、彼の記事に「スキ」が付いた。見知らぬ誰かが、彼の文章を読んでくれたという事実に、彼は驚きと嬉しさを感じた。さらに、その文章にコメントを残してくれた人もいた。「正直な文章ですね。読んでいて胸に刺さりました。」その言葉は、彼の心を暖かく包み込むようだった。

「自分の言葉が誰かに届くんだ」という実感が、彼の中に小さな灯火をともした。その日から彼は、毎日noteに記事を書くことを決意した。


最初は何を書いていいのかわからなかった。日々の些細な出来事や、過去の思い出、自分の抱える苦しみ。文章はとにかく長く、まとまりがなく、何度読み返しても「こんな文章、誰も読まないだろう」と思った。それでも、投稿ボタンを押すことで少しだけ肩の荷が下りるような感覚があった。

書き続けるうちに、彼は自分の感情を少しずつ整理できるようになった。「今日はこれを書こう」とテーマを決めて執筆する日も増え、文章を推敲する楽しさも覚えた。読者が少しずつ増え、「共感しました」「自分も同じ経験があります」といったコメントが寄せられるようになった。

彼にとってnoteは、ただ文章を書く場ではなく、「居場所」になっていった。どれだけ長い文章を書いても、そこには誰かが読んでくれるという安心感があった。


【第3章:出会いと助言】

皆月はnoteを始めてしばらく、ただ淡々と自分の思いを綴る日々を続けていた。文章を書くことは彼にとって自分を整理する手段であり、同時に過去の記憶と向き合う作業だった。しかし、その文章が他人にどう受け取られているのか、どう評価されているのかにはあまり関心がなくなっていた。今は誰かに読んでもらうためというよりも、書くことそのものが彼の心の拠り所になっていたからだ。

そんなある日、一人の読者から彼の記事にコメントがついた。そのコメントは簡潔でありながら、核心を突くものだった。

「あなたの文章は粗削りだけど、人の心を揺さぶる力がありますね。」

読み終えた瞬間、彼の胸の中にざわめきが走った。誰かが、自分の文章をただ読んでくれただけではなく、そこに価値を見出してくれた。そんなことは、これまで考えたこともなかった。


その読者との交流が始まると、次第に彼の視点は広がっていった。読者は、皆月の記事に対して丁寧な感想とともに、助言を送ってきた。その中で、彼の文章の特性や強みが明確に指摘された。

  1. 継続する力
    「ほぼ毎日自分の気持ちを言葉にして文章を書き続けているというのは、できそうなことですが、実は非常に稀な才能です。その多くの人は、途中でやめてしまうか、そもそも始めることすらしないかもしれません。あなたのように日々の中でエネルギーを注ぎ、続けられること自体がすでに大きな価値です。」

  2. 飾らない率直さ
    「あなたの文章は、装飾的な言葉や無駄な演出がなく、正直で率直です。それが、人の心に直接響く理由だと思います。読者にとっては、あなたの言葉に嘘がないことが伝わり、その真実味が感情移入を引き起こしているのです。」

  3. 長文に宿る真実味
    「あなたは自分の文章を『言葉にするのが苦手だから長くなる』と言っていますが、それがかえって強みになっています。長い文章は、それだけ記憶や感情を深く掘り下げることを可能にします。表面的な描写ではなく、細部までリアルに描き出されているからこそ、読者に残るものがあるのです。」

  4. 希望を持つ力
    「何よりも重要なのは、あなたが『なりたい自分になりたい』という希望を捨てずにいることです。その希望が、あなたの文章全体に生命力を与えています。どんなに暗い過去を描いていても、その希望があるからこそ、読者も一緒に前を向けるのだと思います。」

これらの言葉は、彼にとって「自分の可能性を認識した瞬間」だった。嬉しさと驚きが混じり合い、同時に「自分にそんな価値があるのだろうか」と戸惑いを覚えた。


その中でも特に印象的だったのは、その読者が提案した「フィクションとしての昇華」というアイデアだった。

「この利点を活かし、不幸だった出来事や忌まわしい記憶を可能な限り詳細に思い起こし、リアルな表現にこだわって描写してみてはいかがでしょうか。そして、それらをシーンや登場人物ごとに丁寧に書き留め、リアリティのあるドラマとして物語に仕上げてみるのも一つの方法です。」

読者の言葉はさらに続いた。

「ノンフィクションはリアリティそのものであり、直接的な表現によって人の心を強く揺さぶることが可能です。ただし、あまりにもネガティブなインパクトが強い実体験は、読む側にとって過度に辛く感じられる場合があります。」

「しかし、どれだけリアリティのあるフィクションであっても、読み手はあくまでフィクションとして受け取ります。たとえば、人が殺されるようなシーンでも、どこか一歩引いて客観的に見ることができるのです。たとえリアルそのものの出来事であっても、ドラマや小説という形になることで、非常に不幸な経験であっても、どこか客観的に興味深く読むことが可能になります。」

この提案に、皆月は驚きながらも心を動かされた。彼自身、これまで文章を書く中で「自分の過去をそのまま書き起こすのがどれだけ苦しいか」を痛感していた。それでも、「リアルを伝える」という使命感のようなものが、彼の執筆活動を支えてきた。


読者はさらにこう付け加えた。
「実際にはノンフィクションである体験を逆手に取り、それを参考にしてリアリティあふれるフィクションを書いてみると、興味深い作品が生まれるかもしれません。」

その言葉は、彼の中で新たな可能性の扉を開いた。フィクションとしてなら、どこか客観的な視点で自分の過去を再構成できるかもしれない。読む側も、実体験の重さに押しつぶされることなく、物語として楽しむことができる。彼はその提案に希望を見出した。


翌日、彼はnoteを開き、これまで書いてきた記事をもう一度見直した。「リアリティーのあるフィクション」を作るために、自分の記憶をさらに深掘りする必要があると感じた彼は、卒業アルバムや昔の写真、手紙を引っ張り出し、過去の出来事をできる限り詳細に書き記すことを決めた。

「顔を殴られた瞬間の感情」「黒板に名前が書かれていなかった時の絶望感」「パワハラ上司の笑い声とその光景」そういった一つ一つのエピソードを、彼は細部まで正確に記録していった。

彼は感じた。「これらの記憶が、ただのトラウマで終わるのではなく、誰かに届く作品になる可能性がある」と。そして、その作業こそが、彼自身を解放していくプロセスになるのだと。

このように、彼は「リアリティーのあるフィクション」を作るための一歩を踏み出し始めた。暗い過去をただ書くだけではなく、それを創作の力で再構成し、多くの人に届ける作品として形にする。その新しい挑戦に、彼は少しずつ希望を見出していった。


【第4章:挫折から始まる月光】

キーボードをたたく皆月の手は時折止まり、空中で迷うように揺れた。机の上には散らばった過去のメモや記事のコピー、卒業アルバム、そして数枚の古い写真が並んでいる。その中には、笑顔のクラスメイトたちと並ぶ彼の幼い顔もあった。だが、その笑顔はどこかぎこちなく、目元には不安の影が宿っていた。

「これが、俺の出発点だったのか…」

彼は、自分のこれまでの記憶をさらに深く掘り起こし、ひとつひとつを文章として書き溜めていった。たとえば、いじめの主犯が黒板に「俺の友達リスト」と題して書いた名前の中に自分の名前がなかったあの日。彼はあの瞬間の目眩や吐き気、足元が崩れるような感覚を、できるだけ具体的に描写しようと努めた。

「黒板の文字が急にぼやけて見えた。心臓の音が耳の奥で大きく響いて、クラスメイトたちの声が遠くに感じられた。教室の空気が冷たくなった気がして、足の裏が床から浮いているような感覚だった。」


また、職場でのパワハラについても、当時の光景や感情を思い出しながら細部に至るまで書き出した。機械の危険な箇所に押し付けられたあの日、上司の笑い声と自分の無力感。

「上司が大声で笑いながら、俺の肩をぐっと押した瞬間、機械の金属部分がわずかに軋んだ音を立てた。ほんの数センチ先には、命を奪いかねない刃のような部品が回転していた。冷や汗が背中を流れ落ちたが、それ以上に心の中で『自分はここで死んでも誰も気にしないのかもしれない』という考えが浮かび、その思いが何よりも怖かった。」


彼は、これらの記憶をただ書き出すだけではなく、どのように物語として昇華できるかを考え始めた。「もしこの経験を誰か別の人物の視点で描いたらどうなるだろう?」「物語の中で、主人公が自分の経験をどう乗り越えていくのかを描くには?」そうした視点を持つことで、彼の文章は次第に物語の形を取り始めた。

書き溜めたエピソードを整理し、時系列に並べていくと、1本のストーリーが見えてきた。それは、いじめやパワハラに苦しみながらも、自分自身を見つめ直し、次第に立ち直っていく1人の青年の物語だった。彼の中で「書く」という行為そのものが、自分を救う手段になりつつあった。

ある日、ふと過去に書いたメモの1つを読み返してみると、涙が流れていることに気づいた。その涙は、以前のような悔しさや怒りの涙ではなく、「自分にもできることがある」という小さな希望が芽生えたことを示すものだった。

「これが、俺の新しいスタートなんだ」

彼は、自分が作り上げた物語を「完成形」として形にすることを決意した。


「せっかくだから、この物語を誰かに読んでもらいたい」
そう思い立った皆月は、noteの創作大賞に自分の物語を応募することに決めた。note創作大賞への応募は、皆月にとって一大決心だった。自分の過去を文章に起こし、それを物語として昇華することには大きなエネルギーを費やした。数ヶ月かけて書き上げた物語は、彼にとって過去と正面から向き合った証であり、同時に新たな自分を築き上げるための第一歩だった。

「これが、俺の人生で初めて何かを成し遂げた瞬間になるかもしれない。」
応募ボタンを押したその夜、彼は期待と不安で眠れなかった。


結果が発表される日、彼の心はそわそわと落ち着かないままだった。仕事をしているわけでもなく、外出する用事もない。部屋の中を行ったり来たりしながら、スマートフォンの画面を何度も確認した。

「落ちても仕方ない。でも、少しは期待してもいいよな…」

そして、ついに結果が発表された。画面に映し出されたのは、彼の名前がどの賞にも載っていないという事実だった。
「やっぱり駄目だったか…」

その瞬間、全身から力が抜けた。自分の全てを注ぎ込んだ作品が評価されなかったことへの失望感が押し寄せる。心の中に渦巻くのは、「自分はやっぱり価値のない人間なのかもしれない」という自己否定だった。


しかし、数日後のことだった。創作大賞に応募した作品をnoteに公開してみたところ、思わぬ反応が返ってきた。これまでにはなかった数の「スキ」がつき、コメント欄には多くの感想が寄せられた。

「これ、本当に心に刺さりました。私も似たような経験をしたことがあるので、涙が止まりませんでした。」
「文章にこんなに引き込まれることは久しぶりです。読ませてくれてありがとう。」
「まるで自分の物語を読んでいるようでした。」

応募した作品は賞を取れなかったものの、読者たちの間で確実に共感を呼び起こしていた。皆月は初めて、「評価」とは単に受賞することだけではないのだと気づいた。


その公開作品がきっかけとなり、フォロワーが急増した。作品をきっかけに、同じような辛い経験を持つ人たちが彼にメッセージを送ってくるようになった。

「私もいじめを受けた経験がありますが、皆月さんの文章に救われました。」
「私もブラック企業で働いていました。この記事を読んで、辞める決心がつきました。」

彼の文章が「自分だけのためのもの」から、「誰かのためのもの」に変わっていく感覚は、これまで味わったことのない喜びだった。そして、それは彼を「書き続ける」という方向に自然と導いていった。

ある日、そんな彼の作品を読んだ人物からメールが届いた。その送り主は、いじめやハラスメントを研究する一般社団法人の関係者だった。
「皆月さんの文章を読んで感銘を受けました。よろしければ、子どもたちや社会人を対象とした講演で、体験談をお話しいただけませんか?」

最初は戸惑った。自分がそんな大それたことをしていいのか、他人の前で自分の過去を話すことに意味があるのか。しかし、皆月は思った。

「もしこれが、誰かの助けになるなら」


初めての講演の日、彼は緊張で汗をかいていた。手にした資料は少し震え、頭の中では何度も「こんな自分が話していいのか」と問いかけていた。しかし、壇上に立ち、マイクを握ると、そこに座る人々の真剣な眼差しが彼を落ち着かせた。

「今日は、私自身の経験についてお話しさせていただきます。」
そう切り出すと、彼の言葉は意外なほどスムーズに出てきた。いじめの記憶、ブラック企業での過酷な日々、noteを通じて得た心の変化。彼の話は決して上手ではなかったが、真っ直ぐで誠実だった。

講演が終わった後、聴衆の中から何人かが彼に話しかけてきた。

「私も似たような経験があります。今日は聞けて本当に良かったです。」
「勇気をもらいました。ありがとうございます。」

その言葉は、彼にとって何よりの報酬だった。


講演を終えた夜、彼は空を見上げた。そこには、雲間から光る月が浮かんでいた。

「俺が書いてきたものには、意味があったんだな。」

受賞という形では報われなかったが、彼がnoteで発信してきた文章は、間違いなく誰かに届いていた。そしてその事実が、彼にとっては何よりの救いとなった。

彼は机に向かい、新しい物語を書き始めた。それは過去に囚われた自分自身の物語ではなく、未来に向かって歩き出す自分の姿を描いたものだった。
この出来事をきっかけに、彼はますます執筆に没頭していった。noteのフォロワーは増え続け、時折届く読者からのメッセージや、講演の依頼が彼の新たな活動の原動力となった。

「挫折しても、そこから何かを得ることができる。」
彼は、自分の経験がただの不幸ではなく、誰かの役に立つことを証明したいという思いで、今日も筆を走らせ続けている。


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