深海金魚幻想館|ホラー✖️金魚✖️擬人化|何でも擬人化。|イラストの標本箱|nijijourney
深海金魚幻想館
「金魚は、美しい。」
そう聞けば、多くの人は夏祭りや金魚鉢を思い浮かべるでしょう。
しかし、私たちはふと考えました。
もし金魚の姿ではなく、その”習性”を人の姿へと置き換えたら──。
その美しさは、今と変わらず美しいのでしょうか。
あるいは、私たちはそこに恐怖を感じるのでしょうか。
ようこそ、『深海金魚幻想館』へ。
ここでは四種の金魚を、人の姿で展示しております。
作品をご覧になる際は、水槽へ近づいていただいて構いません。
ただし、展示には決して触れないでください。
それでは、ご案内いたします。
第一展示 出目金

こちらは出目金です。
出目金は、その大きく張り出した目で周囲を見渡すことから、多くの人に親しまれている品種です。
どうぞ、水槽を真上から覗いてみてください。
底の方で、黒髪の少女が静かにこちらを見上げています。
水の流れに合わせて髪はゆるやかに揺れ、表情はほとんど変わりません。
最初は、皆さんが彼女を見ているはずです。
ですが、不思議なことに。
少し眺めていると、
「見られているのは自分なのではないか。」
そんな感覚になる方が少なくありません。
もちろん、彼女は何もしません。
ただ、じっと。
こちらを見つめ続けるだけです。
第二展示 和金

続いては和金です。
もっとも馴染み深い金魚であり、非常に活発な性格をしています。
餌の時間になると、その習性はよく現れます。
どうぞ、水面をご覧ください。
何人もの少女たちが、一斉に水面へ集まっています。
視線はただ一点。
水面の上。
皆さまの手元だけを見ています。
口を静かに開き、
また閉じる。
声はありません。
ただ、水音だけが響きます。
彼女たちは争っているわけではありません。
怖がっているわけでもありません。
餌を待っているだけです。
その、あまりにも純粋な本能が、
人の姿になると少しだけ恐ろしく見える。
それが和金という展示です。
※水槽へ手を入れないでください。
第三展示 らんちゅう

らんちゅうは「金魚の王様」とも呼ばれる品種です。
泳ぎ回ることは少なく、
静かに底で過ごす姿が印象的です。
水槽の底をご覧ください。
白髪の少女が、四つん這いのまま動きません。
豪華な髪飾りは水草のように揺れ、
白い髪は泥と溶け合っています。
彼女はずっと、
何かを待っています。
時折、ゆっくりとこちらへ手を伸ばします。
助けを求めているようにも、
招いているようにも見えるでしょう。
ですが、ご安心ください。
その手が水面まで届いたことは、
一度もありません。
第四展示 琉金

最後の展示は琉金です。
優雅な尾びれを持ち、
ゆっくりと漂う姿が美しい品種です。
少女は水の中を静かに漂っています。
髪も、袖も、裾も、
すべてが尾びれのように広がり、
流れに身を任せています。
眠っているようにも見えるでしょう。
溺れているようにも見えるでしょう。
あるいは、
もう息をしていないようにも。
この展示で最も多い質問があります。
「彼女は、生きているのですか?」
申し訳ありません。
その質問には、お答えできません。
ご来館ありがとうございました
以上で展示は終了となります。
『深海金魚幻想館』をお楽しみいただけたでしょうか。
出口はこの先です。
お気をつけてお帰りください。
……
ああ、申し訳ありません。
最後に一点だけ。
お帰りになる前に、一度だけ展示室を振り返っていただけますか。
……
おかしいですね。
展示は四匹だったはずなのですが。
どういうわけか、
水槽が一つ、空になっています。
ハムカツさんの企画、何でも擬人化。
参加作品でした〜!
金魚って聞くと僕は何故か
ホラーを連想してしまいます。
何故でしょう。
美しい模様もさることながら
人間によって美しいとされる姿に作り替えられていった進化に
ちょっと怖さを感じてるのかもしれません。
それが今回は創作の中に色濃く出てしまいました。
夏なので少し皆さんの涼となれば幸いです!
楽しい企画ですので皆さんも是非ご参加を〜!
